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日報 1月30日

記入者:明明


ミンミンは、汽車が好きです。
会社がある北海道のこの町には、汽車が走っています。

一つ一つの駅の間隔が広くて、
実際に乗っている時間と距離とは関係なく、
とても遠くに運ばれていくような気持ちになれるんだ。



本をじっくり読んだり手紙を書いたり、
お弁当のおにぎりをそっとかじったり、
発泡酒の缶をカシュっと開けたり、
眠たくないけど目を閉じてみたり。

それはそれはいろいろな過ごし方がある。
ミンミンはそんな人たちを見ているだけで、
胸がほっこほっこしてくるのね。


時間に質なんてないと思っているけど、
汽車に乗る予定ができたとあらば、
「どんなことして汽車時間を過ごそうかしら」
と、私の頭は静かに高速回転をはじめます。



汽車で座る席、ないし立つ場所は、
ミンミンにとって大切な選択の一つです。



汽車の席には、いくつか種類があります。
窓に沿った6人掛けほどの細長いソファー席と、
車椅子の人のための空間と、その横の1人掛けらしき席、
それから2〜4人が向かい合って座れるタイプの席。

なんとなくでもいいから、自分がどう過ごしたいかによって、
座る場所、立つ場所を決めます。

小難しいことをしているわけじゃないんです。
自分が居心地の良いところは自分が一番よく知っています。
乗り込んだ汽車の状況と、その時の自分にぴったりの場所を見つけているんです。



汽車にはトイレもついていて、
ごみ箱まで置いてある。

「必要最低限のこざっぱりとした新幹線」
とも言えそうなくらい、小さな配慮を感じられるよ。



私が汽車を利用する時間帯がたまたま人が少ないから、
こんな贅沢ができるんでしょう。

昔は満員電車にゆられたこともあります。
だからこそね、たまには通勤通学以外で、
気の向くまま電車や汽車での時間を過ごすのも素敵だと思うの。

たとえ他人と肩が触れ合う距離にいても、
汽車の中ではなんとなしに各々のプライベートのオーラが生まれる。
みんなが自分のことしか考えていなかったら、決して生まれない空気感だよ。
そんな空間でひとり、秘密裏に、好きに時間を楽しめる。

ミンミンは、そんな汽車が好きです。



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