似顔絵_社長_2_4

日報 2月12日 小さな喜びを叶える

記入者:かくなみ みほ


どこで、どんな人と、どんな暮らしをしたいか。
自分の暮らし設計は、生まれてきた醍醐味だと思います。

わたしは書くことで記録をつけるのが好きなので、
ノートや手帳の端々に、たくさんの未来設計を書いていました。



中学2年時の社会の時間の話ですが、
担当の先生はお手製のワークシートを配布していました。
その配布されたワークシートの余白は、最高のキャンパスでした。

「ちゃんと勉強してますよ」
という雰囲気を出しながら、
余白の海原へ落書きの大航海。

給食のにおいがする4時間目となると、
その日の献立のイラストをさらさら描き、
うっとり思いはせることもありました。



若い青春の脳みそのほとんどを、
わたしは空想という現実逃避行為に捧げていました。

子どもの頃はマンションに住んでいて、そこで、
結構長いこと強く思っていたことがあります。

「畳の部屋の天井の一角から階段が上に続いていて、
その先にステキなひみつの小部屋があったらいいな」という空想です。

空想は空想のまま。
叶わないと知っていても、
思い描けることが喜びでした。



今も変わらず、わたしは自由に空想して生きています。

見たもの・聞いたもの・嗅いだもの・食べたもの、触ったもの、
五感で味わったもの全てが材料になります。

想像力に火をつけるのは第六感で、
自分の意図しないタイミングで沢山の思いつきが降ってきます。

例えるなら、流れ星のようです。
ただ眺めているだけで幸せで、
「生まれてこれてよかった」と思えるんです。

星をつかみ取るのは至難の業で、
つかんだと思った瞬間、忘れてしまう。



だから、書くようになりました。
当時の温度感に戻れば、
その時自分が何をどう感じていたのかがわかる。
書きためたメモやノートを読み返すと、
「あれ、この時もうこのアイディア持っていたんだ」
と、思うことがあります。

昔の流れ星が、再び目の前に現れてくれるんです。
「どうだい?このアイディア、そろそろ煮詰まった?」
と。

うーん、まだだな。
もうちょっと後で楽しむことにするよ。

と、返事をしてページをめくっていく。

読み進めていくと、
「これ、本当にわたしの思いつきかな」
と、驚く内容も出てきます。

こうして昔の筆跡に助けられながら、
今のわたしは新しい空想に着手します。



思いつきが現実になる瞬間はたまりません。
なんてったって、夢が叶うんですから。

大小は気にすることじゃありません。

「無人レジでどれだけ素早くお会計を済ませられるか」
「洗濯物をどれだけ美しく素早く干せるか」
「目的地までの運転中にどれだけ穏やかな時間を過ごせるか」

最近の日常事では、もっぱらこんな空想が多いです。

自分がどんな精神状態でも、
できるだけそのままの感情で思いついたことをすくい取っておきたい。

いつかやってくる大きな流れ星をつかむ力になるのは、
やろうと思えば達成できる日々の小さな喜びの積み重ねだと思うから。



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