日報 4月15日 ピュアだけじゃ生きられない
記入者:明明
「いい仕事してる人」の定義は何だと思う?
真面目で、謙虚?
気が利いて、一生懸命?
人当たりが良く、時間を守る?
仲間に信頼されていて、行動力がある?
自由な発想で、固定概念に囚われない?
信念を持ち、使命感がある……?
近頃いろいろな人とおしゃべりできる機会があって、
ミンミンは「いい仕事してる人の定義」を垣間見たような気がしたの。
いい仕事してる人は、
心の深〜いところに“ピュア”なものがある。
生きる活力の原石みたいなものでね、
表には見えずらい人もいるの。
でも心の奥底の引き出しにちゃんとしまってあって、
いつも、ダイヤモンドのように輝いている。
いい仕事してる人は、みんな自分のピュアのことがだいすき。
そんなピュアの存在を知りながらも、
いい仕事してる人は、
「でもね、ピュアだけじゃ生きていけないんだよ」
と言うんです。
ミンミンはよくわからなくて、
「ピュアがあればいいじゃない」
と言ったんだけど、
いい仕事してる人は朗らかなにこう言うの。
「ピュアは大事なものだよ。
だからこそ、それを損なうような生き方をしないために、
ピュアだけを崇めないようにしているんだよ」
でも、ピュアって核みたいなものだから、
やっぱり一番大切でしょう?とミンミンは食い下がります。
「出発点はそうかもしれないね。
一番大切で、守りたいものだからこそ、
物事を行う時には、ピュアをどうやって守れるか考えるんだ」
どうやって守るの?とミンミン。
「仕事でも暮らしでも、
“困った時や迷った時に、帰ってこれる場所”にしておくんだ。
それくらいの役割がちょうどいいんだよ」
ふーん、そういうものかな。
「そうだとも。ピュアはダイヤモンドみたいに美しいからね。
だからピュアの精神だけに頼ると、
“お金”が悪に思えてくるかもしれない」
ああ、その感覚はちょっとわかるよ。
「自分はピュアにしたがって良いことをした。
だからこれに金額なんてつけられない。
ここでお金をもらったら、自分は偽善者ではないのか。
相手に悪く思われたくないから、安価に提供しようか。
そういうことも考え出しかねない」
うん、うん。
「仕事なら、
自分の生きている時間と、
身につけた技術を合わせて行うでしょう。
それだけで、とても尊い行為じゃないか。
対価としてお金を請求することは、
まったく悪いことじゃないよね」
そうね、確かに。
「お金の話をする人はたくさんいるね。
“お金がないと生きていけないよ”なんて言うと、
拒絶反応を起こす人もいるね。
でもね、仕事で得たお金って、
“自分の働きがどれほど人の役にたったか”
を測る尺度にもなり得るんだ。
お金は、あっても困らないもの。
人の暮らしを支える等価交換の道具だ。
ピュアは、暮らしのさらに根底の、
命の活力を支える結晶なんだよ。
だからピュアを押し通さないんだ。
ピュアがいくらあっても、
航空券やガソリン代、電気代とは交換しにくい時代だからね。
だから私たちはピュアを根底にすえて、
仕事や暮らしの中で体現し、自分の働きを人の役に立てていくんだよ」
「いい仕事してる人」は、みんな“ピュア”に見えていました。
そんな単純なことじゃなくて、
「いい仕事してる人」は、いろんな方法を試して、
自分の力が最大限活きるところを探っているんだ。
悪どくなるんじゃない。
ただ大儲けしようとするんでもない。
自分自身のピュアと寄り添いながら、
“自分の働きがどれほど人の役に立てるか”を試す冒険が、
この社会の仕組みの一つなのかもしれないね。
ピュアだけじゃ生きられない、か。
ミンミンにも少しだけわかったような気がします。
ちょっと長くなっちゃったね。
ここまで読んでくれてありがとう。