もうわたしには見えない世界
朝、目を覚ました息子がこの辺りを見てケラケラ笑っていた。
「何が見えているんだろう……」
もうわたしには見えない世界があって、彼にはそれが見えている。きっと、そういう世界に彼は守られているんだろう。
かあちゃんはすっかり見える世界に慣れちゃったから、こんな風に想像することしかできないぜ。
目に見えない世界や、知らない世界がある。自分だけのものの見方があって、それは家族でさえ共有することは難しい。そういう世界の存在を知れば、もっと、お腹の底から、