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銅剤の安全性
農薬には実に様々な種類の薬剤があります。
農薬は「農薬」という括りだけではとてもその実体は語れないと常に感じていますが、そうした農業で使える薬剤の一つに「銅剤」というものがあります。
その名の通り、金属である「銅」を主成分とした農業資材ですが、何に用いるかというと、殺菌剤の役割を果たします。
そして、この銅剤ですが、有機農業でも使用が認められていて、さらに使用回数に制限がありません。
(細かく言えば銅剤にも他種あり、使用回数が定められているものもあります)
なぜ有機農業で銅剤の使用が認められているのか。
まず有機農業の定義を一部抜粋すると「環境への負荷を出来る限り低減した農業生産の方法」となっています。
詳しくはこちら↓
ということは、使用が認められている銅剤は環境負荷が低い農薬資材なのか…?
使用回数に制限がない理由を調べてみたところなんと「銅」という金属そのものは人体に無害らしいですね。
なんだか子供の頃、緑青(銅が青く錆びたもの)は毒だ、と教わったような気がしますがそんなことはなく、むしろ銅は人体に必須のミネラルの一つだということを今回初めて知りました…!
よく必須ミネラルにあげられる「鉄」に比べるとその1日あたりの推奨量は10分の1程度ですが、銅も銅で不足すると貧血や心血管系、神経系の異常などの欠乏症を起こすことがあるそうです。
知らなかった…!
というわけで、基本的に適切な希釈倍率であれば銅剤を何度散布しても、健康被害はほぼ考えられないというわけです。
散布後、土壌に落ちた銅剤も自然由来の鉱物であるため、環境を汚染するということもなく土に還っていくと、そういうわけですね。
銅剤が特に使用回数に制限がなく殺菌剤として利用できるのは分かりました。
では、なぜ銅が殺菌剤として機能するのか、という疑問ですが、これも改めて調べていて気付いたんですが、シンクや風呂場のゴミ受けに銅を用いた製品ってありますよね。昔から銅には抗菌効果があることはどうやら分かっていて、銅で出来た壺に入れた水は腐らないなど言われていたようです。
先人の気づきってすごいですね…。
ただ、この銅剤、いざ殺菌剤として畑に散布するとなると、意外と手強かったりします。
作物に「薬害」がとても起こりやすいんです。
薬害とは、その資材によって引き起こされる生理障害。
葉っぱが茶色く変色してしまったりして、作物を逆に傷付けてしまうことがあります。
農家でも、比較的扱いづらい銅剤は敬遠している方も多いと思います。
銅が殺菌効果を発揮するのは、イオンの働きなのだそうですが、それが効きすぎてしまって作物まで傷付けてしまいます。
それを軽減させるためには炭酸カルシウムを加用する必要があるのですが、なぜ炭酸カルシウムなのか、他のものでも代用出来るのか。
この辺り、調べるれば調べるほど思いっきり化学の話なので慣れない者にはものすごく難しくて涙目です…!
ということで次回へ。
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