自分であることは自分だけが出来ること。だから、自分の持てるものすべてを使う。
これからのマーフィーズファームの在り方
自分は物心ついた時から絵が好きでした。
保育園の卒園時にもらったノートには、将来の夢として「絵描きになりたい」と書いてあったほどです。
この夢は実は今でも変わっていません(笑)
でも、今はマーフィーズファームという農園を作り、そこで環境を大切にし、安心して食べられる美味しい野菜作りを目指しています。
農業は奥深くて、とにかく時間がかかります。春にレタスを育てるのだって、1年に1度しかチャンスがないから一生かけてもせいぜい70〜80回くらいしか春レタスを育てることは出来ないんです。他の作物だって同じ。秋レタスもありますが、それはそれでまた育て方は違って来ます。
だから、就農する時に「あぁこれは絵を描いてる時間はないのかも」と半ば諦め、野菜を育てることに集中していました。
でも、就農して6年目、青果市場だけに頼る経営に限界を感じて、生産者から直接通販で美味しいものが買えるというポケットマルシェ(ポケマル)に生産者登録をして、そこで出品するようになってから、発送する箱や同封する手紙などにサラサラッと絵を描くようにしたんです。これが転機になりました。
見ての通り、本当に簡単絵なんです(笑)
描く絵はその時季によって毎回変えていて、その時に頭に思い浮かんだものを即興で描いています。(元々自分は絵を描く時に下書きというものを描かないんです)でも、この簡単箱絵を気に入ってくださる方がいてくれたんです✨
正直、ビックリしました。今まで絵を褒められたことなんてほとんどなかったから。箱絵を喜んで貰えたことが、自分にとっても本当に嬉しかったです。
野菜作りもそうですが、誰かの喜びや笑顔に繋がることが自分の幸せなんです。
そこで気が付きました。
自分が出来ることを惜しみなくやろう。
絵だってなんだって、自分が出来ること、自分がたくさんの人に届けられるものがあるなら、そういうものを全部ひっくるめてマーフィーズファームでいいじゃないかって。
絵だって、誰かに喜んでもらえるなら箱絵としてこれからも描いていこう。
農園にある屋敷に絵を飾るのもいいかも知れない。
畑で展覧会を開いてもいいかも知れない。
日々思い浮かぶ色んなアイデアだって、この農園を楽しい場所にすることに繋がるならどんどん実現させていこう。
それは野菜作りに直接関係ないから…なんて切り捨てちゃったらもったいない。
マーフィーズファームの理念は「食べ物は命そのものである」ということ。
そしてそのための基本方針は「自然を大切にして、安心して食べられる美味しい食べ物を育てる」ということです。
そこへ至るためのステップはまだたくさんあります。乗り越えるべき壁もたくさんあります。
でも、その先にあるマーフィーズファームの未来のために、さらに言えば一次産業のため、自然環境のためにも、今の自分が出来ることをどんどんやっていきます。
一見、それは野菜作りに関係があるの??と思われるものもあるかも知れませんが、すべて、「楽しい・幸せの共感で繋がれる未来」へ帰結します。
どこかの誰かの笑顔のため、どこかの誰かの命の一部を担うため、少しづつでも、慌てず諦めずマーフィーズファームは進んでいきます。