【競馬】Publisher VBA で JRA-VAN DataLab. のデータを取得する
Publisher VBA で JV-Link を操作することにより、JRA-VAN DataLab. が提供する競馬データを取得することができます。
今回は Publisher を使って簡単な競馬ソフトを作りたいと思います。
※ Publisher は 32bit 版を使用して下さい。64bit 版では JV-Link が使えません。
Publisher VBA はバグがあるようで、Excel など他のソフトの VBA とは微妙に挙動が違います。そのため少し作り方を変えています。
1. 事前準備
事前準備に関してはこちらの記事を参照して下さい。
2. 作成手順
Publisher で新規の白紙を作成し、適当な名前で保存します。
[開発] タブの [Visual Basic] をクリックします。
Microsoft Visual Basic for Applications の画面が開きます。
[挿入] > [ユーザーフォーム] をクリックします。
ユーザーフォームが追加されます。
オブジェクト名はデフォルトの [UserForm1] としています。
※ 今回はボタンは使用しません。バグのためかフォーム上のボタンをクリックしてもイベントが開始しませんでした。
ユーザーフォーム上に JV-Link を配置します。
オブジェクト名はデフォルトの [JVLink1] としています。
※ JV-Link は実行時に表示されないので、レイアウトを気にする必要はありません。
[コードの表示] ボタンをクリックします。
コードエディタが開きます。
下記コードを入力します。
Friend Sub GetRaceInfo()
Dim sid As String
Dim retval As Long
Dim buff As String
Dim filename As String
Dim racename As String
Dim racenames As String
sid = "UNKNOWN"
'JVLinkを初期化
JVLink1.JVInit (sid)
'速報系データの0B12を呼び出し
'日付は直近の土日を指定して下さい
retval = JVLink1.JVRTOpen("0B15", "20230430")
'JVRTOpenエラー処理
If (retval < 0) Then
MsgBox ("JVRTOpenエラー。RC=" & retval)
GoTo CommandButton1_END
End If
retval = 1
While retval <> 0
'JVRTOpenで指定したデータを1レコードずつ取り込み
retval = JVLink1.JVRead(buff, 1300, filename)
'JVReadエラー処理
If (retval < -1) Then
MsgBox ("JVReadエラー。RC=" & retval)
GoTo CommandButton1_END
End If
If Left(buff, 2) = "RA" Then
'レース名を抽出し末尾のスペースを除去
racename = RTrim(Right(Left(buff, 62), 30))
'レース名が空文字でなければレース名一覧に結合
If racename <> "" Then
racenames = racenames & racename & vbCrLf
End If
End If
Wend
'レース名一覧を表示
MsgBox (racenames)
CommandButton1_END:
'一通り読み込みが終わった後はJVCloseを行う
JVLink1.JVClose
End Sub
※ プロシージャのスコープは Private ではなく Friend にしてあります。ボタンが使えないので標準モジュールから呼び出せるようにするためです。
※ While ステートメント最後の DoEvents 関数は除去してあります。残したままだとバグのためか処理が固まってしまいました。
16 行目の
retval = JVLink1.JVRTOpen("0B15", "20230430")
の日付部分は直近の土日(中央競馬のレースが開催された日)を yyyymmdd 形式で指定して下さい。
※ このコードで取得している速報系データはレース後 1 週間程で配信されなくなるので、古い開催日を指定してもデータは取得できません。
[挿入] > [標準モジュール] をクリックします。
標準モジュールが追加されます。
コードエディタに下記コードを入力します。
Private Sub macro1()
Call UserForm1.GetRaceInfo
End Sub
3. 動作確認
Publisher の画面に戻り、[開発] タブの [マクロ] をクリックします。
マクロ画面が表示されたら、macro1 が選択されていることを確認し [実行] ボタンをクリックします。
メッセージボックスにレース名が表示されれば OK です。
レース開催が無い日や、古い開催日をコード内で指定している場合は下図のようなエラーが発生します。