天使が空に帰った日
好きだった俳優さんが空に帰って1週間になる。
気付けばいつの間にか惹きこまれていた人だっただけに、予想以上に衝撃を受け、この1週間、ずっと考え込んでいた。
彼の、仕事や人への真摯な姿勢に共感するとともに、共感するからこそ、その限界に挑んだことへの尊敬、いや畏怖感ともいえるものを覚えていた。
共感するその気質がもつ無限の可能性を見せてくれた人だったように思う。
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私はHSP(Highly Sensitive Person、「繊細さん」ともいわれる)の定義に当てはまる気質をもっていると思われる。
これは心理学者エレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念で、次の4つの特質をもつとされる。
D (Depth of processing):場の空気を読み取って行動する能力に優れている
O (being easily Overstimulated):環境や変化に過剰に刺激を受ける
E (being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular):感情移入しやすく、共感力が高い
S (being aware of Subtle Stimuli):些細な刺激を察知する
そんな私は、人の期待に過剰に応えようとして燃え尽き状態になることがよくある。期待に応えられなかったと思うとひどく落ち込む。本当の自分を表現したいけれど、人の反応が怖くて出し切れない。
周囲の気分や環境に圧倒されそうになる。
それと同時に、人は好きで、人や芸術との出逢いを何よりの幸せと感じる。
要するに、人や環境の「厳しさ」にも「美しさ、優しさ」にも敏感なのだ。
この気質の研究を知るまで、自分は単に弱くて臆病なだけだと思っていた。
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彼がHSPであったかどうかは分からないが(とはいえその可能性は高いように感じている。それ自体は決して問題ではないし、ましてアーティストはその性質が原動力となることが多い)、少なくとも、繊細で、人の期待に応えようととことんストイックに努力する人であったことは知られている。
そんな人が、あれほどまでに美しい自己表現を極めるには、どれだけ苦しみを伴う努力が必要だったか。あの美しさは、苦しみながらも走り続け、限界まで突き詰めて実現したものだったのか。なんと勇敢なのだろう。
彼が、苦しかったと同時に幸せだったと信じたい。同時に、空から見てみたら、自分がどんなに多くの人を幸せにしてきたかに気づいたはず。
最期の楽曲のMV、とても美しかった。天使が舞っているようだった。
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あのMVを繰り返し再生しているうちに、まだ悲しいけれど、いつまでも自分の殻に閉じこもっていてはいけない、自分にできることをひとつでもしなければという想いがゆっくりと湧き上がってきつつあるのを感じている。
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