お菓子業界のポテチ 二大企業の対決 マーケティングトレース
どうも!Marcyです。
今回はみんな大好きポテトチップスのマーケティングトレースです。お菓子業界のマーケティングトレースをやろうとテーマを探していまして、「自分の一番好きなお菓子ってなんや、、、」と考えており、度重なる脳内の審議の結果、、、
はっ!!!!
やっぱ〇〇の〇〇味のポテチだっ!!!!
と確信したので、このテーマにしました。
ポテチ、いま食べたい。興奮してきたな。
ということで、ポテチを貪りながらポテチのマーケティングトレース始めていきます〜。
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ポテトチップスの歴史
みんな大好きポテトチップス、その起源をあなたは知ってますか?
さすがだ、、ポテチ界の絶対王者、カルビーさんのHPに載ってました。
そしてさりげなく本社の歴史ページに誘導しているという、、、。そんなの引っかかるか!!っという思考が働く前に、つい押してた笑
他の資料も確認してみたところ、考案したアメリカのコックさんとしては、嫌がらせでお客さんに提供したらしいですが、意外にも評判が良くて、定着したようです。その後、日本でも販売されるようになったポテチ。日本で最初に販売したんはどうせカルビーなんでしょ、、ふふん、と思って調べていると、まさかの情報が!!
え、最初に販売したのって湖池屋だったの、、、。意外でした。歴史を振り返るだけでも、キーワードとなる企業として挙がる「カルビー」と「湖池屋」の両者。やはりポテチをトレースする上で、この二つの企業を比較するのが面白そうなので、以降は両者の特徴を整理しつつ、比較して進めていきたいと思います。
お菓子(スナック)業界の現状
両社を比較するにあたって、お菓子(スナック)業界の現状を把握していきたいと思います。2019年の記事ですが、湖池屋によると、少子化に加え、ここ数年で若者のスナック離れが進んでいるといいます。原因は下記記事にもあるが、コンビニの対等、そしてスマホを使うことから「手を汚したくない」という若者の意見もあります。また、お菓子業界全体的な市場としても、チョコレートは上昇傾向にあるものの、やはり若者がメインターゲットとなるとして、少子化による縮小は避けられません。
【参考】http://nomad-salaryman.com/snacks-report2019
次に、カルビーと湖池屋のポテトチップスにおけるシェア率についてです。やはりカルビーが圧倒的にシェア率を確立しています。最新のIR情報も確認しましたが、やはりシェア率はほとんど変わりませんでした。
また、スナック菓子の売上ランキングにおいても、上位3位はカルビーの商品が占めています。
シェア率、会社の規模、売上においても、カルビーの方が圧倒的に優位な位置にいることは間違い無いです。以上が、市場における両社の比較でした。
続いては、両社それぞれを詳しく見ていきたいと思います。
カルビーについて
まずは、ポテチ界の王者、カルビーの会社概要です。
カルビーの企業理念は、「私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」と設定されていて、コーポレートメッセージも、「掘り出そう、自然の力」としており、「健康に役立ち、安全で安価な商品作りと、未利用な食料資源を生かした商品作り」を目指しています。
先ほど自分がついリンクを押してしまった、カルビーの歴史ページがこちら。当初はキャラメルや「かっぱえびせん」等の商品が主力でしたが、現在では「ポテトチップス」や「じゃがりこ」など、ジャガイモを主原料とした商品が主力として挙げられることがわかります。
カルビーのポテトチップス
カルビーのポテチの個人的に思っている特徴は大きく三つ。
カルビーのポテトチップスの特徴
1.商品や季節によってジャガイモの種類を変えている
2.塩分削減
3.味・形のバリエーションが豊富
まず、ジャガイモへのこだわりがすごい。時代によってジャガイモの種類を変えているだけでなく、季節や商品によってもベストな状態の物を選択しており、自社でもジャガイモを作っているようです。
二つめは、健康への配慮。実際に今カルビーのポテトシップスで人気No.1の味である「うすしお味」を食べながら記事書いているんですが、パッケージにこんなものが載ってました。(BIGサイズを食べていることは、気にしちゃダメです)
2枚目の左に塩分クイズってのがあるんですが、100gあたりの塩分量が塩ひとつまみ程度であることが書かれています。最近カルビーはうすしお味をリニュールし、塩分量を5%削減したそうです。食べすぎは良くないですが、塩分が多いことを気にせずちょっとだけ気軽に食べれるようになりました。
カルビーでは他にも減塩商品を販売しており、改良を重ねています。
そして最後は、味・形のバリエーションの種類がとにかく豊富なこと。皆さんもご存知の通り、カルビーのポテトチップスには季節限定や地域限定ものなど、豊富な味のバリエーションに加えて、「堅あげポテト」など食感・形が異なる商品があり、とにかくバラエティ豊かです。何を隠そう私が最も大好きなポテチであるカルビーの「九州しょうゆ」も、中国・四国・九州エリアの地域限定商品です、、、!
最高にうまいのでぜひ。
湖池屋について
続いて、湖池屋の会社概要です。
前述した通り、湖池屋は日本で初めてポテトチップスを量産化し、販売した企業です。最初に販売した商品は、「のり塩味」で、当時ポテトチップスにはアメリカで作られた塩味しかありませんでしたが、日本人の舌に合う味を検討したところ、のり塩味が開発され、現在でも湖池屋のポテトチップスの人気No.1商品となっています。
また、湖池屋は企業理念として、5つの指針を掲げており、その中でも「2.独創的で心の満足度の高い商品、サービスを提供する。」に関しては、後述していく湖池屋の商品の特徴と非常にマッチしています。
湖池屋のポテトチップス
湖池屋のポテトチップスの特徴は、主に三つ。
実は自分、ポテトチップスは断然カルビー派だったんですが、今回のトレースで湖池屋のポテトチップスがめちゃくちゃ面白いことに気づきました、、、。食べてみたい。
湖池屋のポテトチップスの特徴
1.国産ジャガイモ100%使用
2.高級感のある商品・パッケージ
3.工場直送便ポテトチップス
まず、カルビーのポテトチップスが国内産と米国産のブレンドであることに対し、湖池屋は100%国産のジャガイモ(馬鈴薯)を使っています。
さらに、最近リリースされた商品「じゃがいも心地」は、「じゃがいものブランドでポテトチップスを選ぶ時代」として、各北海道産のブランドじゃがいもを原料にしたポテトチップスを消費者が選択できる商品です。ターゲットは40代〜50代のお菓子を敬遠しだす世代ですが、芋本来の美味しさを再現したポテトチップスはSNSでも話題になり、売れ行きは当初予算の2.3倍になりました。
次に、「ポテチは子供・若者が食べるもの」という固定観念を覆した、高級感のある商品・パッケージです。前述した「じゃがいも心地」も同様ですが、その先駆けが2017年に発売された「KOIKEYA PRIDE POTATO」でした。従来のポテトチップスがフレーバーの違いで勝負しがちだったのに対し、じゃがいもの品質にこだわったポテトチップスを販売しました。商品の質だけでなく、パッケージにも非常に力を入れ、高級感を演出しました。
この商品を境に湖池屋はフォロワー的なポジションを脱却し、企業理念にあるような「独自性」のある商品を販売するようになりました。
そして三つめが、「工場直送便ポテトチップス」です。完全受注生産の商品で、生産三日以内に発送するという、これまでのポテトチップスの常識を覆すような取り組みです。特設サイトも立ち上がっており、「湖池屋」で検索すると、自社サイトよりも先にこの特設サイトの広告が検索結果として挙げられていて、非常に宣伝に力を入れていることがわかります。
以上、両社の商品比較でした。ここまでみても、湖池屋の独創性のある商品が非常に面白いですよね。
フレームワークによる分析
以上のことを踏まえ、フレームワークで整理していきます。
まずは、STP分析です。ターゲティングについては、カルビーが10代〜20代の若い世代をターゲットにしているのに対し、湖池屋は従来の若い層はもちろん、40代〜50代をターゲットとして加え、前述した商品によって「湖池屋のポテトチップス=高級感」という見事なリブランディングに成功しています。また、ポジショニングとしては、下記に整理しました。
カルビーがトップ企業として親しみやすさ、変わらない美味しさを追求しているのに対し、湖池屋は独自に素材やパッケージに変化を持たせ、ニッチ商品を販売し始めています。今後少子化が進んでいくことを考えると、若い世代向けで若干チープ要素のあるカルビーの商品は売上が低迷することが予想されます。その対策として、カルビーも「グランカルビー」という高級路線の商品を販売しています。ただ、一部の店舗またはオンラインでしか扱っていないので、正直知名度は低いと思います。
続いて、4P分析です。
Promotionに関しては、両社とも印象的なCMを打ち出し、商品の知名度に繋げています。(コンソメパンチ、プライドポテト)
また、湖池屋に関しては、早い段階からSNSを活用し、商品リリースのタイミングで印象的な投稿を行って話題を作ってきました。実際に湖池屋とカルビーのTwitterの確認したところ、一日の投稿数は両社共に3〜4投稿を意識的に行っているようですが、フォロワー数はカルビーが36.2万なのに対し、湖池屋は39万。若干ですが湖池屋の方が多いという結果に。投稿内容に関しては、両社共に真面目なもの、ちょっとふざけたものが同程度投稿されていましたが、湖池屋は一般ユーザーとの絡みを大切にしているように推察できました。やはりSNSに力を入れている印象です。
次にPlaceに関してですが、カルビーの強みとして、やはりアンテナショップであるカルビープラスが挙げられます。限定商品だけでなく、揚げたての商品をその場で販売しているのは非常に魅力的です。国内外に16店舗設置しており、オフラインの専門店としての販売拠点があることは大きいです。
以上が4P分析の解説になりますが、プラスアルファで、各社のHPのコンテンツを比較したいと思います。
ズバリ、両社の違いは「文章or動画」。意識的に差を作っている感じさえしました。
まず、カルビーのHPを見ていると「じゃがいもDiary」というコンテンツがありました。カルビーが扱っているじゃがいもに関するコラムや、じゃがいものおすすめレシピ等が載っていて、ブログ感覚で楽しむことができます。
対して、湖池屋は「コイケヤチャンネル」という動画のみのコンテンツページを持っており、コイケヤのCMやキャラクターの動画を楽しむことができます。
また、湖池屋は、売り出し中の商品の特設ステージが大々的で、かつオシャレに作られている印象でした。HP全体として、ファミリー層向けの雰囲気が感じられるカルビーに対し、ちょっとハイセンスな人向けのHPだなと感じました。
自分がCMOなら
それぞれの施策として、まずカルビーは、やはり30代〜50代向けの商品を検討すべきだと考えています。個人的には、海外に売り出している商品を、逆輸入してカルディとかでオシャレなおつまみとして売れば、日本人・外国人共に売れるのでは?と考えています。既存の物を売るのであれば、製作費は抑えられるし、ファミリー層向けのイメージも変えられる気がします。それこそ、せっかくアンテナショップというオフラインの場所があるんだから、そこでお酒と一緒にでも売ればいい。カルビー=大人のイメージを定着させるには、お酒が一番だと思います。
湖池屋については、せっかく工場直送・出来立てポテトチップスを売りにしようとしているのに、なぜ店舗を持たないのかと思います。アンテナショップは土地代とか固定費がかかるけど、移動式販売で販売すればいいし、もっとオフラインの宣伝の場を増やすべきです。また、じゃがいもにめちゃくちゃこだわっているのであれば、じゃがいも専門のレストランを開くのもありかと。スナックではなく、出来立ての料理を作ることで、健康に配慮して警戒していた消費者を取り込めるし、健康志向のポテトチップスの研究材料になるのではないでしょうか。
両社共に言えるのは、おつまみとしてのポテトチップスを定着させることですね。それはtoCだけでなく、卸業者として、ポテトシップスを飲食店に提供できたら面白いかもしれません。
スナック菓子の新たな価値を創出することが、今後の鍵になると思います。
以上が、自分のマーケティングトレースです。
早速湖池屋のポテチ買いに行こうっと!!
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