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『Manufacturing Japan Summit 2025』訪問レポート:未来をカタチ作る現場から、狭山金型製作所の魅力に迫る!

世界各国のお客様に「メイド・イン・ジャパン」の最高品質の製品をお届けすることで、社会の発展に貢献されている、金型・成型技術のプロフェッショナルが集まる狭山金型製作所。『Manufacturing Japan Summit 2025』エバンジェリストの田岡様とともに、サミットプロデューサーの嶋田が狭山金型製作所様に訪問させて頂きました!


世界を魅了する高水準を生み出す、狭山金型製作所の工場見学

狭山金型製作所は1964年の創業以来、日本のものづくりの伝統と先進性を体現する企業として、世界最高水準の品質と精度を誇る数々の製品を生み出してこられました。ナノレベルの精度を要する医療機器部品から、高度な耐久性が求められる自動車部品まで、あらゆる産業分野において、長年にわたる技術の研鑽と、絶え間ない革新への挑戦により、「てっぺんの技術」を追求されています。

精密製品を扱う同社では、創業以来、常に最先端技術を取り入れ、惜しみない設備投資で最高の環境づくりにもこだわり抜いているそうです。
室温の違いや車が通行する程度の振動さえも製品や機械に影響してしまう、精密かつ繊細な作業環境が求められる製造現場。現在では0.1ミクロン単位まで制御できるNC研削盤や放電加工機、φ0.02を自動結線するワイヤー放電加工機、45000rpmのマシニングセンターなど最高峰かつ最先端の設備を取り入れているそうです。また、職人たちの経験と技術を最先端の機械と組み合わせることで、メーカーが公表する数値を超えた精度を実現することもあるとのこと。

最近は医療機器部品への依頼が多いそうですが、最初はかなり苦労されたそうです。日本では実例やネームバリューがないと参入が難しい市場のため、高い技術力を持つにも関わらず、相手にされなかった時期もあったといいます。そこで同社は、微細金型・成形加工の高度な技術を示す場として、アメリカに活路を見出します。血液検査用マイクロ流路の導入実例をアメリカでつくり、そこから逆輸入する形で日本市場に参入したそうです。可能性を最大限に引き出し、挑戦を続けるプロフェッショナルの皆さんのお話には、大変感銘を受けました。

狭山金型製作所様×エバンジェリスト田岡様へのインタビュー

日本の製造業は、高い技術力と品質で世界的に評価されてきました。しかし近年、グローバル競争の激化や人材不足など、様々な課題に直面しています。
製造業の未来を切り拓くため日々奮闘されている、狭山金型製作所の大場 治会長、エバンジェリストの田岡様に、日本の製造業の現状と課題、そして未来への展望についてインタビューさせて頂きました。

──日本の製造業の開発力について、どのように考えていますか?
大場 治会長: 現状の日本の開発力は残念ながら弱くなってきてしまっていると感じます。大きな理由としてはみんなアウトソーシングをやってしまっているからです。私は、製造の現場は「日本に」こそあるべきだと思います。アメリカやヨーロッパに生産拠点を移さずとも、日本国内で製造しながら外貨を稼ぐことを目指しています。
 
──製造の現場を日本に残すために、どのような取り組みをしたいと考えていますか?
大場 治会長: 大企業・中小企業問わず手を取り合う”共創”が必要だと思っています。それぞれ強みがありますからね。私たちも大手企業と共同開発契約を結んでいるものもあります。弊社は超微細加工が得意で技術力に圧倒的自信があります。それが社会や日本に貢献できるよう様々なネットワークを広げたいと思っています。日本の製造業はまだまだ復興できると信じています。

田岡様: 日本が国をあげてやらなければいけないことは、中小企業の皆さんのポテンシャルの高さをもっと知ることだと思います。同時に、中小企業も狭山金型のように成功事例づくりや発信力強化など、できることはたくさんあると感じます。

地域と共に製造業を盛り上げていく

──入間市の取り組みについて教えてください。
大場 治会長: 今まであまり地域との結びつきが薄かったのですが、杉島市長が旗振り役になったことで、入間市の企業と一緒にイベントを開催したり、実際に行動を起こそうという流れが出来ました。地域が盛り上がっていくためには、行政の旗振りはもちろんですが、民間企業の積極的な協力も不可欠だと考えています。

──製造業と地域の結びつきについてはどのように考えていますか?
大場 治会長: 地域の中小企業が、大企業のようなビジネスの関係者だけでなく、これまで接点が無かったところにも、技術を発信していくことが大切だと思います。例えば、子供の工場見学を受け入れて、親子で見学ツアーを実施するなどの取り組みが考えられます。実際に、見学で渡したサンプルがきっかけで、参加者の父親の勤務先から技術利用の話が来たこともありました。

中小企業の技術力と役割

──御社のような中小企業の役割は何だと思いますか?
大場 治会長: 私たちのような中小企業が、ゼロから1を生み出すイノベーションの担い手だと思います。大企業は短期的な利益を追求せざるを得ませんが、中小企業はオーナー経営者の判断で10年、15年先を見据えた投資ができます。

──中小企業の未来についてどう考えますか?
大場 治会長: 企業の規模ではなく、それぞれの役割でフラットに評価される社会になってほしいですね。大企業、中小企業で優劣があるわけではないですし、全員等しく対等なパートナーであり、それぞれの特徴と強みがもっと活きてくると良いなと思っています。

田岡様: 日本の中小企業は、既に高い技術力がありますからね。あと一歩足りないことは、マネジメントと技術力をしっかり伝えていくことだと思っています。

製造業の現場と従業員

──製造業で働く方々のモチベーションの源泉は何だと思いますか?
大場 治会長: 製造業で働く人たちは、好きで楽しいと思うからここで働いてくれているんだと思います。みんな楽しんで仕事をしています。
例えば、金型の部品を最後、手作業で磨いて調節するのですが、何百という部品が全部カチッとはまった瞬間が「すごい楽しい!」と従業員が言っていました。そのような楽しいという気持ちが、難しい依頼を成功させる原動力になっていると思います。

田岡様: 狭山金型製作所の皆さんは、本当にこだわりを持った職人ばかりですよね。この前、皆さんとお話した時には「クライアントの図面通りに作っただけでは70-80点の仕事」と言っていました。発注側としては100%依頼通りの仕上がりなのに「自分たちが工夫・設計したわけではないから減点」と言っていたのがすごく印象的でしたね。

大場 治会長: 「従業員が楽しいと思えるような仕事を持ってこないと!」といつも思っています。言われた通りの仕事ではなく、職人の創意工夫が必要な難しい課題を含むような、やりがいを感じられる仕事をしてほしいと思っています。

サミットエバンジェリスト田岡様からのメッセージ

『Manufacturing Japan Summit 2025』では、日本の製造業の現状や課題、今後の展望などについて活発な議論が行われました。

──『Manufacturing Japan Summit 2025』での反響はいかがでしたか?
田岡様: 杉島市長や市の職員の方々は、外部からの定性的な評価を受ける機会が少ないこともあり、サミットでの講演を通じて、取り組みが認められたことで自信がついたと思います。早速協業依頼なども入ってきているようです。市長自らサミットで得たフィードバックを市の職員たちにも報告されたそうです。

──議長として2日間サミットにご参加された手応えはいかがでしたか?
田岡様: 今回のサミットも、かなり良かったと思います。嶋田さんと私が準備段階でしっかり擦り合わせが出来て、内容が充実したものになったと思います。ネクストステップとしては、参加の皆様にも自分たちがサミットを盛り上げる役割だと当事者意識を持っていただき、トピックを予習をしてもらうことで、さらに効果が上がると思います。

狭山金型製作所様への訪問を終えて…

工場見学では、部品の組立工程がとても印象的でした。最新鋭の設備による加工に加え、最終段階では熟練職人による手作業での仕上げが行われます。一つ一つの部品を丁寧に磨き上げ、微細な隙間やつっかかりが生まれないよう調整する姿からは、長年の経験に裏打ちされた確かな技術力を感じました。
これらは実際の医療現場で使用される内視鏡や注射の細かいパーツの一部となり、人命を救う重要な役割を担っていくそうです。職人たちの真摯な仕事ぶりから、その責任の重さと誇りが伝わってきました。
大場 治会長のメッセージの通り、大企業、中小企業という区分で考えるのではなく、それぞれが対等なパートナーとして、独自の特徴と強みを生かし、"ALL JAPAN" で日本の製造業を底上げしてほしいと強く思いました。
日本の金型技術を、英訳のMoldではなく「KANAGATA」として世界に発信していきたいという思いも伺い、日本人のもつ技術や誇り、そして自信を強く感じました。「KANAGATA」が世界で重要視される未来も近いかもしれません。
今回の訪問から、日本ものづくりの底力と未来への可能性を、身をもって体感することができ、とても貴重な機会となりました。狭山金型製作所様、田岡様には、この素晴らしい機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
今後も皆様の貴重なご意見を参考に、より充実したサミットを開催し、製造業の発展に貢献して参ります。


株式会社 狭山金型製作所
半導体・自動車・医療機器・コネクターなどの小物精密部品の射出成型用金型に特化し『高品質・高効率・低コスト生産』を強みとする当社では、長時間のオートメーション生産に耐える信頼性の高い金型を生産しています。受注⇒設計・加工⇒成型⇒量産までを一貫して生産できる体制を整えることで、量産に適した高効率な金型を製造。設計・成型の双方において高い品質を誇る金型を、世界各国の電子部品や医療機器メーカーに向けて納品しています。
日本の技術を、世界へ、未来へ。|株式会社 狭山金型製作所


■ Manufacturing Japan Summit 2025
ウェブサイト:https://www.feb25.dm.manufacturingjapansummit.com

■お問い合わせ
広報担当(齋野)
MizukiSnote@marcusevansjp.com