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「真・三國無双ORIGINS」こそ万夫不当の名作よ!

遅くなりましたが、「真・三國無双ORIGINS」(以下、オリジンズ)を魏軍ルートでクリアした感想です。


■真・三国無双歴とプレイ前の心境

本題に入る前に、自分のシリーズプレイ経験を紹介。三國以外の無双もたくさん遊びましたが、三國に限定すると…

2、2猛将伝、3、3猛将伝、4、7

初めて「真・三國無双2」を遊ばせてもらったときは独特の衝撃を受けました。後にPS2本体を買い、ソフトも早いうちに購入しました。
3猛将伝まではきょうだいと一緒にかなり遊んでたんですが、4は一人でやるようになったり、さすがにマンネリを感じて、5以降は買わなくなりました。
それから何年も経って、久しぶりに三國シリーズがやりたくて7を買って遊びました。「晋」シナリオクリアまでプレイしたと思うんですが、あまり印象に残っておらず、もうほとんど覚えてないです。遊んだのは確か2013年前後、せいぜい十数年前だと思いますが、それでもおぼろげ…。(いや、10年も前のことなんて覚えてないのが普通か…)

そして今回、シリーズを一新した作品になるということで、期待半分、8が不評だったらしいので不安も半分の状態で関心を持っていました。
いや、個人的には面白かったけど世間一般の評価が低かった「戦国無双5」のこともあるし、不安の方が大きかったかも…?

■衝撃の体験版

発売に先駆けて体験版が配信されました。
遊んでみると、ザコ兵もモブ武将も積極的に攻撃してくるし、ダメージの量が尋常じゃない。「あれ、なんか…敵強い?」と思いながら進めていたら、一気に体力ゲージが残りわずかに。早々に回復アイテム探しに走る状態となり、これは やばいなぁと思いつつ続けていると、案の定敗北。これはキツい!

そしてどうやら攻撃を弾き返すことがかなり重要ということが分かり、ちょっと嫌な気持ちになりました。
これまでの無双シリーズは三國以外も含め、それなりに考えはしつつも基本はボタン連打で遊べるゲームだったので、割と軽い気持ちで遊べていました。それが本作では集中力を要する反射神経重視の見切りゲームに寄せてきていたので、そのタイプのゲームがあまり好きではない自分としては残念だったわけです。

近年流行りのゲームはほとんどがこのタイプですし、今どきのゲーマーはとっくの昔に慣れっこかと思いますが、自分は見切りゲーだらけの現状は好ましく思っていないので、「無双もついに見切りゲー、死にゲーになってしまったかー…」と、けっこうショックを受けましたね。

そんなこんなで数回やり直して操作に少し慣れ、戦況変化の流れも把握して、なんとかボスの華雄まで辿り着くも、一騎打ちで負けてしまいました。
その後なんとか華雄は倒せましたが、呂布はあまりにも強すぎて早々に諦めました。まあこの体験版の呂布はファンサービスで特別に実装されていたそうなので、倒せなくても全く問題無いわけですが…。

それで体験版をやり終えた感想としては、「これ、やれるんか…?」ということでした。これぐらい突破出来ないとオリジンズはまともに遊べないのかと思うと、自信が全くなくなりました。
でも序盤はここまでキツくないと思いたいし、製品版はまた違うだろうと思い、「とにかく買うことは買う」と決めました。

■印象が変わった製品版

そして発売日がやってきました。
いざ触ってみると、やはり序盤だけあって簡単でした。見切りゲーなのは変わってませんでしたが、弾き返しに失敗しててもまだなんとかなる強さです。そうやって進めていくと、しっかりタイミングを合わせられるようになり、ゲームにも慣れていきました。

そうして黄巾の乱を終えた辺りで気づきます。

「神ゲーやんけ!」と。

体験版で不安だったものはほぼ全て払拭され、すっかりオリジンズに魅了されハマってしまいました。体験版でつまずきはしたけど、めげずに製品版を買って良かったと思えました。

以下、良かったところと悪いところを分けて書いていきます。

■良かったところ

・味方との共闘感

本作は自分一人で突っ込んで文字通り無双するゲームではありません。味方と歩幅を揃えて進軍し、士気を高めて攻め込んでいく必要があります。
確か2では士気の影響がそれなりに大きかった覚えがありますが、3以降は飾りのようになっていたと思います。それが本作ではしっかりと影響し、味方武将がガンガン敵をやっつけてくれることもあるので、かなり頼りになります。
一方で、拠点でワラワラ出てくる大勢の兵士たちや大軍団の大量の兵士などに単騎で突っ込んで、バッサバッサとやっつけて無双する気持ち良さもしっかり残っていて、その塩梅が上手いなと思いました。

・迫力のある戦場

無双シリーズはゲーム機の性能向上などによってどんどん敵の表示数が増えていきました。それで「おお、敵多いなぁ」「すごいなぁ」と思っていたんですが、オリジンズを遊んでから考えると、「でも、迫力はなかったなぁ」と思うようになりました。
従来の無双シリーズは表示キャラが多くても、後ろの方は「ただ人が詰まってるだけ」にしか見えなかったからです。いくらキャラが多くても、棒立ちしてたり、順番待ちで並んでるだけでは迫力は出ません。

それが本作では広大な空間に詰め込まれた兵士たちがみんな活き活きと動いて、環境音的に兵士や軍団の声が響き渡っているため、非常に迫力があります。大軍団との対決などは、これこそ大軍勢と言わんばかりのスケールと演出で、特に「虎牢関の戦い」の終盤では圧倒されました。

・バリエーション豊かな武器

過去作でも武器はたくさんありました。しかしどれもあまり代わり映えしないものばかりで、むしろ変わった形状の武器は使いにくいものが多かったように思います。
それが本作ではオーソドックスな剣や槍、攻撃を受け止めて反撃する矛、ボタン連打で特殊な連撃になる双戟、戻ってくるのにタイミングを合わせて再び放てる飛圏など、どれも独特のアクションを備えていてしっかり差別化されています。

また、いろんな武将から与えられる修練(簡単なミッション)のおかげで割と自然にいろんな武器を使うことになるので、「最初から最後まで剣しか使わなかった」ということにならないのも良かったです。
これは修練の報酬が武功(スキルを獲得するためのポイント)だったのと、思い通りに強いランクの武器が手に入らないことが上手く影響していましたね。「使い慣れてる朴刀の強いのが欲しいけど、ランクが高いのは手甲しかない」「攻撃力が低すぎるのは困るので仕方なく使う…」ということが何度もありました。

ちなみによく使っていたのは「朴刀」です。夏侯惇が好きだからというのもありますが、前方を焼き尽くす「炎海」が非常に強くて、最後まで大活躍でした。

・キャラクターがみんな真面目

これも従来の無双から大幅に変わったところです。
例えば董卓はこれまでも暴君、欲深いキャラではありましたが…ぶっちゃけて言えば「小太りの下品なおっさん」のように描かれていました。しかし本作では恰幅のある大男の姿で厳しい表情を見せ、非常に威厳のある巨悪として描かれています。
これを見て「戦国無双5」の今川義元を思い出しました。あちらも過去作では呑気な貴族がおどけているような姿・描写でしたが、5では貫禄のある姿で性格もガラッと変わり、まるで別人のようでした。

他にも、張郃は過去作ではやたらと美しさにこだわっていましたし、武器が爪だったせいもあり「ストリートファイターII」のバルログみたいだと言われていましたが、本作では容姿こそ大きく変わっていないものの、非常に落ち着いた言動で真面目なキャラになっています。最初、槍を持った張郃を見たときは「え、誰…?」「これが張郃!?」と衝撃を受けましたねw

大胆なキャラづけは分かりやすくて面白くもありますが、一方で「武将をバカにしてる」とも取れるので難しいところです。しかし、シリーズが続きキャラづけに慣れていくとその作品の特徴と思えるようになります。
そうしてすっかり定着したキャラづけを、オリジンズではバッサリと変えてきました。これはシリーズを一新するのに合わせたのと、後述する真面目なストーリーのための変更なのかと思います。
個人的には、こういう超真面目な無双にしたことは高く評価しています。シリーズ初期からこれをやってたらどうなってたかな…? と思わなくもないですが。

あ、みんな真面目にはなってますが、諸葛亮はちゃんとビームを撃ってたので、アクション面では従来の無双らしさが残っていますw

・ストーリーがしっかりしてる

基本的にはこれまで通り三國志のお話が進行しますが、そこにオリジナルキャラの主人公「紫鸞」とその一族のお話が混ざっています。ですが、そのせいでメチャクチャな内容になっているというわけではなく、むしろさまざまな武将を引き立てる要素になっていますし、より真面目でシリアスな雰囲気となっていて、上手く噛み合っていました。

例えば張角は「変な宗教のおっさん」のような扱いばかりされてきましたが、本作ではビジュアルと性格の大幅な変更だけでなく、紫鸞と親しくなり、お互いの考えや置かれた状況を話したりするシーンがあります。その中で張角なりに考えを持って黄巾党を結成したことがうかがえ、魅力的なキャラだと感じられるようになっています。

ただ、個人的には紫鸞に関するお話はぼんやりとしか分からなかったし、あまり惹かれなかったので、「雰囲気は良かったけど、なんか、どうでもよかったな…」というのが正直な感想です。
とはいえ、先ほども書いたように張角などいろんなキャラを引き立ててくれる存在になっているので、存在意義は大いにあったと思っています。

・音楽が素晴らしい

これまでの真・三國無双シリーズの曲も良いものはいくつかありましたが、本作では印象に残る曲や気に入る曲が特に多かったです。
また、大迫力の戦場やシリアスな会話が多いことも相まって、これまで以上にシーンに合っていたと思います。

もちろんサントラもすぐに購入しました。
個人的に好きな曲は…(サントラ等参照)

「SIEGE IT; BEAT 'EM ALL」
具体的なシーンは覚えていませんが、戦場で「これから攻め込むぞ!」という状況でよく聴いたように思います。
気に入った理由として、ロックマンやゼノブレイドっぽく感じるフレーズがあったことですね。それらのゲームで使われていたり、ファミコン音源にアレンジしても違和感の無い曲かと思います。(誰かアレンジしてくれないかな…?)

「THE CALM BEFORE THE STORM」
大きめの戦いの出撃前軍議で流れる曲ですね。「大決戦に挑む」という雰囲気が感じられる壮大な曲で、いつまでも聴いていられます。(聴いてたら出撃出来ないんですけどね…w)

「WILL」
悲しい会話シーンなどでよく流れる曲です。個人的には貂蝉のテーマという印象が強いですね。曲の終盤は力強い展開になっていて、決して悲しいだけでない、まさに貂蝉をイメージした曲になっているんじゃないかなと思います。

「VERMILION VEIN」
確か赤壁の戦いから脱出する戦闘で最後に登場する関羽との決戦で流れる曲でしたかね。「これがほんとの最終決戦!」というシーンで流れるので気持ちが非常に昂りました。
まあ、VERMILION VEINを直訳すると「朱色の静脈」、「血がたぎる」ということかと思うので、そういった気持ちになるのは曲名通りですねw

他にも
「ENDLESS FIGHT」(2の「急襲」)
「ARENA」(2の「行軍」)
「MAP OF THE THREE KINGDOMS」(3の「事典」)
など、過去作のアレンジ曲がけっこう入っていたのも嬉しかったですね。まあ3の事典以外はゲーム中でまだ聴いてないんですけども…。

・遊びやすいつくり

本作は敗北しても一からやり直しとはならず、途中のいくつかのポイントから再開することが出来ます。これは非常に革新的でした。

そもそも無双シリーズはいろんなところをサポートするために戦場を走り回ることが多いゲームです。その中で「どの方面に行こうか?」と選択することになるんですが、「Aのいる方面で戦ってたらBがやられて敗北に繋がってしまった、あそこは早めにBを助けに行った方がよかったな」となることもよくあります。
これまでのシリーズでは最初からやり直しなのでまた同じ手順で進めることになる(けっこうめんどくさい)んですが、本作では途中から再開出来るので気軽に選んで進むことが出来ます。これは本当にありがたかったですね。

また、クリア後の「好きな章やシナリオからやり直せる」というシステムも非常に遊びやすくて良かったです。要するに、「強くてニューゲーム」ならぬ「強くて再開」ですね。
自分は魏軍を選ぶ際、あとで別勢力を選ぶときにまた最初からやり直すのが嫌になるだろうなと思って、セーブデータを余分に作っておいたんですが、その必要がなくなったので助かりました。
もちろん、強くて再開ということになるので、他の勢力を進める際は楽勝になってしまうんですけどね…。まあ話を見たいだけなら別に構いませんが。

■悪いところ

ここまで大絶賛してきてますが、個人的に「これは嫌だったな」「ダメだったな」と思うところも書いておきます。

・操作がややこしい

これまでもシリーズを追うごとにやれることが増えていき、使うボタンも多くなっていってましたが、本作ではL、Rのボタンやトリガーを押しながら他のボタンを押すものも多く、これまで以上に複雑な操作を要求されるので、慣れるまで大変でした。また、敵の特殊な行動への対処法も分かるまで時間がかかりましたね。

いずれもゲームを進めていく中で説明はされるんですが、一度の説明では把握出来なかったりするので、自分は分からなくなったらとにかくヘルプを見ていました。昔なら分からなくなることはそう多くなかったんですが、今は簡単に理解出来ないことが増えてきてるので、ヘルプにはほんと助けられました…。

ちなみに、本作では操作キャラを随行武将とチェンジ出来るんですが、やり方がよく分からなかったので結局使わなかったです。ヘルプを見れば一発なんですけど、特に使いたいと思わなかったので、うやむやのまま進めていました。

・下邳の戦いの呂布が強すぎる

そのまんまですが、下邳の戦いの呂布が強すぎて自分は折れました…。

まず赤兎馬から落とすのに手間取ります。近づいてもダッシュで離れていってしまうし、攻撃を当てるだけで一苦労です。
落としたあとは弾き返しや回避を駆使して戦うことになるんですが、タイミングがシビアだったり、フェイントをかけてきたりで非常に難しいです。特に突進してきて掴まれる攻撃は体力の半分ほど持っていかれるんですが、これも避けるのが大変でした。

なんとかダメージを与えられて最終段階まで来たら、今度は一定時間内にゲージを削り切らなければならないようになります。これがまた大変で、まず攻撃を当てるのが難しいです。
自分は何度やっても無理だったので、最終的には諦めて難易度を下げて突破しました。難易度を下げると喰らうダメージがだいぶマシになり、弾き返しや回避のミスも許容出来て楽になりました。
この「難易度を下げて進める」というのは正直なところ屈辱的でやりたくはないんですが、今回ばっかりはアホらしい難易度にこれ以上付き合ってられないと思ったので、泣く泣く下げることにしました。

「呂布がめちゃくちゃ強いのは当たり前だろう」というのはもちろんそうなんですが、これまでの無双シリーズにおける「呂布が強い」というのは虎牢関の戦いなどの呂布を無視してクリア出来るステージにおいてのみで、下邳の戦いのようにクリア条件になっている場合はそこまで強く設定されておらず、大苦戦することはありませんでした。
それを容赦無く強敵として設定した開発スタッフは何を考えているのか、クリアさせる気があるのかと、心底不快な気持ちになりました。

本作で最も難しい箇所は間違いなくここです。ここ以外で苦労したところはほとんど無かったです。覚醒した関羽など呂布のような強敵もいましたが、少しやり直すだけで突破出来たので、難しかったとまでは思わなかったです。

■総括

最初はその難しさに戸惑い絶望しましたが、慣れてしまえば攻撃を弾き返すのが気持ちよくなり、程よい手応えの難易度だと感じるようになりました。

敵を倒す気持ち良さ、戦場の迫力、音楽、シリアス寄りになったストーリー、そのどれもが素晴らしく、久しぶりに面白いと思えた真・三國無双でしたし、間違いなくシリーズ最高傑作だと思います。

このクオリティで赤壁の戦い以降が遊べると思うと、続きが俄然楽しみになりました。今から楽しみです。

あ、それまでに呉と蜀のシナリオもクリアしないといけないですね…w

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