JAL(日本航空)のおもてなしに感じた、お客さまに寄り添う「心の表し方」の話。
ある時、JALを利用し「日帰り・弾丸・北海道旅行」へ出かけたときの話。
その日は羽田から朝一の便で新千歳へ向かい、
日中に小樽へ移動、市内観光をした後、
札幌に戻ってきて夕食をとり、
最終便で羽田へ戻るスケジュールとなっていた。
朝の羽田空港、チェックインカウンターにて。
最終便だと、家に帰りつくのが夜の0時を回ることから、1本前の飛行機への変更をお願いしようと依頼するも、当日の話だからか「システム上、帰りの便の変更は新千歳空港の出発ロビーカウンターでのみ、対応可能」とのこと。
そうか、なら仕方ないと新千歳行の飛行機に乗る。
新千歳空港への到着が定刻よりもやや早まったため、予定よりも1本早い電車で小樽へ向かえるかも、ってことで復路便変更のため急いで出発ロビーカウンターを目指す。
カウンター3つのうち、2つがオープンになっていてそれぞれ対応中のお客さまがいらっしゃる状態。
アタシの前に待っているお客さまはいないから、今カウンターで対応中の2人のうちどちらかの対応が終わるかクローズされているもう一つのカウンターが開けばアタシの番・・・
なんだけど、急いでいるときに限って前の方、
対応にお時間かかるものなのよね。
何をしゃべっているのか分からないのだけど、まあ終わらない。
アタシの後ろにもどんどん人が並びだして、そろそろどちらか終わるか3つ目のカウンターを開けるべきじゃない?って思うんだけど朝早い時間帯だからかスタッフの方も少なくて3つ目のカウンターが開く気配もなし。
そうこうしているうちに1本早い小樽行きの電車の時間を迎えてしまい早く行ける可能性がなくなる。
アタシったらちょっとイライラしてきたんだけどまあ仕方ない、落ち着けアタシ、平常心平常心。
で、やっとこさ前の方のうち一人の対応が終了。
やっといける!
フライング気味に右足が一歩前に出るアタシ。
と思いきやスタッフの方が前のお客さまを再度呼び返して何やら紙にサインを~みたいなやり取りが始まった。
全然終わってないじゃない、もうコント。
深呼吸よ、アタシ深呼吸。落ち着け~。
サインも終わりやっと「お待たせしました~、こちらどうぞ~」の声がかかる。
ふぅ。
で、ここから。
カウンターのお姉さん開口一番なにを言ったか。
「お待たせして、大変申し訳ございません!!」
うん、アタシもそう言うと思った!
ええ、すごく待ちました、と嫌味のひとつでも言おうかな。
けど、実際は違ったの。
カウンターのお姉さんが言ったこと。
「お待ちいただき、ありがとうございます!」
え⁉
やられた!
なんというリフレーミングだろう。
ネガティブな感情を一気にポジティブ方向に持っていかれた感じ。
ここで「ありがとうございます」が出てくるのが本当に意外でアタシなんにも言えなくなってしまったのでした。
「いえいえ」なんつって、いいお客さまのフリをしてみたり(恥)
JALの接客にはマニュアルがないと言われる。
一人ひとりがその時の状況、お客さまに合わせて考え、それを形(=この場合は口にする)にしているんだな。
「言葉ひとつで感情はいかようにも動かせる」
大変勉強になった出来事でした。