末吉塁のジェフ残留について
末吉塁が2022シーズンもジェフユナイテッド千葉で戦うことを決めた。これは個人的に非常に大きなニュースだと思うので取り上げたい。
末吉は25歳のスピード系ドリブラー。右利きだが左右どちらのサイドでもプレーできる選手だが、ジェフでは左ウイングバックとして第25節からレギュラーに定着した。負けん気の強さや足の速さを生かした高速プレスの評価も高い。
大卒3年目でまだまだ伸びしろをたっぷり残しており、昨季まで所属した山形で主にジョーカーの役割(31試合10先発1094分)だったが、ジェフでは加入1年目からスタメンの座を掴んだ(25試合18先発1432分)ことは成長の証だろう。実際に数値でも彼の良さがはっきりと出ている。
元々ドリブルでアグレッシブに仕掛けて相手を搔き乱す存在だっただけにドリブルの数値については想定内だったが、チャンスビルディングポイントでは90分平均でJ2で最もクロスによるチャンスメイクをしたのは末吉であったことは驚きだった。
好都合なことにジェフには和製ルカクと呼べる櫻川ソロモンがおり、おそらくオフの補強でも外国籍の大型ストライカーを獲得するだろう。末吉のクロス力は間違いなくジェフのストロングポイントになる。
ちなみにクロスチャンスランキングの2位は山形時代に左サイドのレギュラー争いをした加藤大樹で、末吉は偉大な先輩である彼の数値を上回った(加藤は昨季も3位とクロスチャンスのスペシャリスト)。これは胸を張って良い結果であり、来季もクロスキングの座は譲らないで欲しい。
※ちなみにJ1では2020年は水沼宏太、2021年は仙台のジョーカーである蜂須賀孝治がクロスチャンス1位。J2でも2019年と2020年田中パウロ淳一が1位に輝くなど、途中から出てきてクロスを連発するタイプの選手がトップに立つ傾向があるので、スタメンの立ち位置で末吉が1位になったのはやはり意外だった。想像以上の成果である。
スピードがあって、攻守に貢献できて、J2で最もクロスでチャンスメイクをする男。そんな末吉に来季期待したいのはキック精度を向上させてアシスト数を増やすこと。J1に個人昇格した毎熊晟矢やジェフへ加入した風間宏矢のように10近いアシスト数をクリアして欲しい。
来年はジェフが真剣に昇格を意識する年であり、末吉にとっては飛躍の年になるはず。どうか怪我なく、最高のシーズンを過ごして欲しい。
蛇足だが、モンテディオ山形からジェフにやってきた左サイドの選手は、中村太亮、高木利弥、そして末吉塁とヒット率が非常に高い。その中でも末吉には最大のヒット作として、ジェフの左サイドに長く君臨してくれることを願いたい。中村太亮がジェフで10アシストしているので、やっぱり10アシストはノルマで。勝手に頼みます。ルイルイ、よろ。
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