文楽東京公演、「競伊勢物語(はでくらべいせものがたり)」を観てきました。
久々に国立劇場で文楽の第二部『競伊勢物語(はでくらべいせものがたり)』を観てきました。
なんか一部が満員だったらしいけど、義経千本桜だったからか?日曜だから、ちょうど鎌倉殿の13人が壇ノ浦だったからねえ。
競伊勢物語は初見。30分のあと休憩で2時間というなかなかのボリューム。2時間で場面展開はないしねえ。
この話でも三種の神器が出てきて、鏡が池に落ちたということで、探しに行ってしまったことが娘の信夫(しのぶ)の不幸の始まり。
旦那も一般人なんだけど、天皇の息子な親王を匿ってたりしたんだよね。跡目争いで劣勢の方の。
で、一発逆転の鏡を手に入れたのはいいんだけど、立ち入り禁止の池に入ってしまったことで役人に追われる身に。
この件とは別件で実家に来ていた紀有常というお偉いさんは、信夫の母親とは古い知り合いで、実は信夫は紀有常の実の娘で、預けていたんだけど、急に返せと言い出す。
お母さんとしては急に何言い出すんだこいつ?みたいな感じなのだが、娘は役人に追われてることが分かり渋々娘を返すことに。
信夫は紀有常の娘となったことにより、上級国民(笑)だから、罪を問われなくなった。
が、これは有常の策で、追い詰められている親王夫婦の身代わりに、ちょうど年齢も近く背格好も似ている信夫とその婿のクビを切って死んだことにするというものだった。
最後、天皇の跡目争いで、匿っていた親王の身替わりに若夫婦の首を父親有常がはねるというシーンがあるんだけど、母親には出世して身分違いになったから直接お目見えはできないとか言って、ついたてを立てた向こうで首切っちゃうんだよねえ。
その過程で、母親は一目会えないにしても声が聞きたいと言って、信夫に得意な琴を弾かせながら歌わせるの。
もちろん母親はそのことを知らず、会えなくても出世したからと喜ぶんだよ、ひどくない?
物音で気がついてついたてどけると、娘と婿の首の無い死体って、半狂乱になるわ、そりゃ。
なんでそんな近くで首切るんだよー。ともかくお母さんが報われなさすぎて後味が悪すぎるよ、この話……
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