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悪口をいうのは簡単だと再認識しました(「ベイビーわるきゅーれ」感想)

久しぶりに映画を観ました。ド素人映画レビューのお時間です。

前から観たい観たいと喚いていた「ベイビーわるきゅーれ」を池袋で観ました。

このツイートきっかけでこの映画に興味を持ってから、半年間という超ロングラン上映をしてくれて本当に助かった。シネマ・ロサありがとう。そして卒論はかくも罪深い。

以降、ネタバレをこめてダラダラと感想を述べていきます。観たいよ~~!!って人はもう読まないでください。ただ、ネタバレを読んでも楽しめるタイプの映画なんじゃないかな?とも思うので、やっぱり読んでください。

ざっくりとした感想は、「久しぶりに映画館来たけど、なんかいい映画だったなあ」です。こんなボキャブラリーの人間が感想なんて書くな。




以下ネタバレあり

まず、この映画の良くなかったな~と思ったところから。

・なんか粗い

コメディ色の強い話だったのであまり気にならなかったんですけど、シナリオが結構ぶっ飛んでて、もうちょっと丁寧にフってもいいんじゃないかな?とは思いました。これは僕が不条理系についていけないだけかもしれないです。ただこのせいで「この映画ってそんないい映画なのか?」と上映中は思っていました。


あとは全部褒めます。正直粗いとことかどうでもいい。帰ってから「この映画やっぱりすごくよかったなあ」と思い始めました。

・キャラクターが全部魅力的すぎる

キレキレの近接戦闘ができるのに信じられないくらいコミュ障の"まひろ"と、すぐピストルでドタマをぶち抜いてしまう瞬間湯沸かし器の"ちさと"、冷血とかではないただの残忍極道、典型的なヤンキー、アッパー系イカレ女、なんかよくわかんないけどクソ強いやつ、ただただ可哀想な多数の人々。どれをとってもキャラが立っています。その証拠に大体の主要キャラを端的に説明できています。

・アクションかっこよすぎる

もう最後のアクションシーンで大満足です。現役のスタントパフォーマーが主演なので全部顔が見えるし嘘がない映像であることだけでも他とは一線を画していたのかなとも思いますし、単純にかっこよすぎる。それより前に家の人形をまひろがボコボコに殴っているシーンからキレキレで、「おじさんはその程度の運動で心臓バクバクいっちゃうよ……」とか思っていました。ちなみに僕は主演の伊澤彩織さんより4つ年下です。あとアクションシーンが展開されるシチュエーションも日常の一部分なので頭がバグります。絶対こんなのに遭遇したくない。

・笑いのセンスがダウナー寄りで好き

極道の父を殺したのがちさとであると極道の娘にバレたシーンの「ドルチェアンドガッバーナの香水のせい」に、「瑛人かよ」みたいなツッコミを誰も入れなかったの、しびれますね。

・落語

「落語は人間の業の肯定である」という談志師匠の名言があります。つまりベイビーわるきゅーれも落語です。まひろはあまりにも社会性がないし、ちさとはめちゃくちゃ口悪いしデリカシーないし、2人とも家でダラダラしすぎだし、それはもうカルマが渦巻いてるんです。それを認識しながらも、ゆったりと成長しながら、でも根本的に治るもんでもないし、と付き合いながら、死体と日常が積み重ねられていく。こういう先天性の死に至る病みたいな、のったりとした自殺みたいな、これって我々もやっちゃってますよね。殺し屋やってないだけで(読者の中に殺し屋がいたらごめんなさい)。そしてベイビーわるきゅーれは全体通してこのカルマを肯定的に描いているように感じました。須佐野の「いいんじゃないですか、そういう人もいますし」みたいなセリフに端的に現れてると思います。ありがとう。ラバーガール。あなたたちは落語家だ。




とりあえず感想は以上です。多分もう1回見たら感想も変わってくるような気がします。

続編の製作も決定したみたいですし今のうちに見ておけば古参ぶれるかもしれません。あ、でも、血が苦手な人はやめたほうがいいかも。人、不条理なまでにめっちゃ死ぬので。

以上です。ありがとうございました。

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