給食の価値は価格だけなのか
フリーランスのメニュープランナー Yayoiです。
今の時代、外食で500円で食べられるのは、セルフうどんくらいでしょうか?(めりけんやのぶっかけうどん)
この秋に、給食会社の経営破綻のニュースがありました。
食材費や人件費の高騰に対して値上げができずに会社が立ち行かなくなってしまった。
特定多数の方が食べるのが給食ですから、それは食事のインフラ崩壊を意味します。
給食といっても、学校給食・事業所給食(社員食堂とか)・施設給食(老人福祉施設とか)など、場所によって食べる人が支払う価格は違うでしょうが、たとえば社員食堂の定食で売価500円といったところでしょうか。それで毎日違うメニューで、原材料、人件費、光熱費かけて利益まで出すって、相当なことだと思います。
おいしいものを提供しようと、創意工夫を重ねる給食会社の栄養士から聞いたことがあります。
本当はこの食材を使ったほうがおいしいけど、安いものに置き換えなければ採算が合わない‥とか、
フレッシュな野菜を使いたいけど、仕込みをする人がいないから、加工野菜を使う‥とか。
作り手の苦労や葛藤は大いにあるのでしょう。
私自身は外食、飲食店の仕事をずっとしていますが
やはり食材原価や人件費の高騰により値上げをする場面は多々あります。
客単価1000~1500円くらいのお店の仕事が多かったので、ざっくり給食の倍くらいの価格です。
値上げしたらお客さんが離れてしまうのでは・・という心配はつねにある中、思い切った価格の値上げをするもの・仕立てを少し変えて値上げをするもの・据え置くもの・・・と、お客さんの感じる価値を損なわないように全体のメニューミックスで粗利がとれるように組み立てていきます。
実際に値上げを決定するのは会社で、それを受け止めるのはお客さん。
先のニュースに出てきた給食会社の場合、依頼主から値上げの同意が得られずに赤字が積み重なっていったといいます。提供側が売価を決められない・・というのが一つネック。
給食会社と契約している依頼主としてはもちろん、食べる人のお財布にやさいしいに越したことはないでしょうが、価格以外の「価値」についてもお互いに協議してもらえるといいのかなと思っています。
高単価のメニュー(いつもの定食より高いけどおいしい価値)
冷凍食品の自動販売機(食堂営業時間外でも食べられる価値)
運営がたちゆかずに食事提供の場がなくなることが、もっとも価値がなくなってしまうことなので。