子供達のいない生活

共同親権の国であるベルギーで住んでいる私たち。

学校の長期休みの半分を、子供達はパパの家で過ごす。

なので8月は、子供達は基本パパの家で過ごす。つまり約1ヶ月、子供達のいない生活を送らなければいけない。

長期休みをどう半分に分けるかは、人によって違う。

私達は、私が夏に子供達と1ヶ月日本に一時帰国したいので、2ヶ月ある夏休みを1ヶ月ごとに分けている(コロナの流行で、もう2年は日本に帰れていないが・・・)。

去年の夏は息子がまだ1歳だったので、息子はほとんど私と一緒にいた。

なので、こんなに長期間1人の時間を持つのは、子供が生まれてから初めてなのだ。

子供達がパパの家に行く前の数日間は、ものすごく寂しくて寂しくて、1ヶ月どうやって1人で過ごそう・・・と不安に思っていた。

だけど、あっという間に2週間が経った。子供達のいない寂しさは慣れるものだ。

離婚したベルギー人達も口を揃えて言う。

離れるのは寂しいが、その寂しさに慣れていくと。

私も毎回離れるのは寂しいが(それがたった2日であっても)、私にはこのお一人様時間が本当に必要なのだ。

この定期的にやってくる1人の時間のおかげで、今までなんとか1人で子育てをして来れたんだと思う。

正直子供が一緒にいる時は、1人時間なんてほとんどない。いつも時間に追われて、育児・家事・仕事で手一杯で、自分の事をケアする時間もない。

だからやっぱり疲労が蓄積されていって、身体にも不調が出るし、心の余裕も無くなってくる。

私は、数年前から首の痛みに悩まされている。レントゲンを取っても異常は無かったし、整体にも何度も行ったけど良くならなかった。

だけどもう耐えきれないくらいの痛みになってきていたので、子供のいないこの8月にどうにかしようと、最近理学療法士の所に行ってきた。

理学療法士からは、生活習慣を改善するのが一番、私に特に必要なのは充分な睡眠と好きな事をしてリラックス出来る時間だと言われた。

それを聞いてすぐ「それが一番難しい」と思ってしまった。

子供2人いる今の生活で、どこにそんな時間があるのだ??

だからこそ、私はこの定期的な1人時間が無いと、本当にパンクしてしまうと思う。

母親も1人の人間。自由に使う時間が必要なのだ。

ベルギー人女性は、この考えが特に強いと思う。

私が、「学校がある時は子供達は基本私といて、隔週末でパパの家に行ってるんだよね」と言うと、「絶対に1週間ごとにした方がいいよ!」とほとんどのベルギー人友達が言う。

彼女たちは「自分は、母親である前に1人の人間」という思いが強いのだ。だから、自分の時間を大切にする。

反対に、日本人女性は子供を産んだら「母親」のアイデンティティがすごく強くなると思う。それは、日本では「母親」でいる事を求められるからだと思う。

面白いエピソードがある。

日本に一時帰国した時、久しぶりに友達に会いたくて、夜に子供を母親に預けて外出しようとしたら「母親なのに、夜に遊びに行くの?子供が可哀想」と母親から言われた事がある。

たまーの夜の外出。しかも子供は寂しそうどころか、むしろ久しぶりにおばあちゃんといれて嬉しそうである。

だけど日本は、たまに母親が子供を預けて何かをしようするだけでも、あまりいい顔はされないような気がする。

反対に元旦那の両親は、「私にも息抜きする時間が必要だから、外出したい時はいつでも言ってね。子供達の面倒見るよ。」と言ってくれる。

私があまりに頼まないものだから、逆に息抜きしなくて大丈夫なのかを心配されるくらいだ。

だからベルギー人女性は、子供を預けて1人時間を持っても罪悪感に感じないんだと思う。

私は母親から「子供が可哀想」と言われ続けたので、どうしても子供を預けて外出する事に罪悪感を感じてしまう。

だから、こうしてルールとして「子供達は元旦那の家に行かないといけない」と決められているのは、私にとって良い事なんだと思う。

子供達が元旦那の家に行くのは権利なので、そこに私は罪悪感を感じる必要がないからである。

私が最近疑問に思うのは、日本で親権を持って子育てしているシングルマザー&ファザーは、どうやって息抜きをしているんだろう?と言う事だ。

私のシングルマザーの友達みたいに、父親との面会が月1回とかもっと少ない人は、ずっと子供と一緒にいて息抜きしていないって事なんだろうか?

そうだとすると、本当にすごいなと思う。

でも、それがシングルで子育てしてる人を追い詰めなければいいなとも思う。









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