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【採用担当者のひとりごと】オンリーワンのESで溢れかえったあの頃
某国民的アイドルグループのヒット曲に「ナンバーワンにならなくても大丈夫。あなたは特別なオンリーワンなのだから」的なフレーズがありました。
(著作権とかよくわからないので濁してますが、誰の何の曲かは察しがつくと思います…)
当時、某大手企業で新卒とキャリア(中途)採用の担当者として勤務していた私は、毎日のようにES(エントリーシート)に目を通して、一次面接の面接官として応募者の方と向き合っていました。
当時も今も、応募者は数多のライバルたちから頭ひとつリードを奪うために、第一関門であるESでの差別化を試みます。
海外留学やボランティア活動、キャリアの場合には即戦力も可能な実務経歴など、一人ひとりの「個性」を存分にアピールしてあります。
そんな中、当時のESや面接時の最後の一言として、かなりの確率で繰り出されるアピールがありました。
そう、「オンリーワン」です。
「御社の中でも誰も真似のできないオンリーワンになります。」
「オンリーワンの逸材として御社に貢献したいです。」
なかには、「ナンバーワンにならなくても、特別なオンリーワンです。」みたいなアピールも。(まんまですよ…)
「もともと特別なオンリーワン(苦笑)」を目指して練り上げたES。なぜ、こんなにもありふれた言葉になってしまったのでしょうか。
答えはもちろん、みんなが使うから。
では、何故みんなが使うようになったのでしょう。
それは、当時の就職面接指南本が「面接官の印象に残るアピール」としてこぞって紹介したからではないでしょうか。
さて、ここでお伝えしたかったことは「流行りのフレーズは逆効果」であるとか「面接指南本(今ではWebサイト)の受け売りはやめましょう」と言った話ではありません。
「どのようにアピールすれば、面接官の印象に残るのか」まで掘り下げて考えたいと思います。
いくら感動的で心に残る言葉でも、何回も何回も(それも毎日)聞いていると心に残らなくなるばかりか、逆に「個性がない」といった印象をもたれてしまいます。
面接官として、たくさんの方のESを読ませていただいた経験から、印象に残るアピールのポイントは次の一点だと思います。
「自分の実体験に基づくアピール」
なにを当たり前なことを…と思われるかもしれませんが、あなたが何を経験してきたかが非常に大事。
仮に「オンリーワン」を主張するのであれば、その理由と根拠(体験談)をセットでアピールするという事です。
例えば以下のような構成です。
主張「オンリーワン」
理由「英語が得意で専門用語を交えたビジネスシーンでの英会話ができる」
根拠「TOEIC800点、外資系の○○社で通訳のアルバイトを2年経験」
少し出来過ぎな経歴ですが、伝えたい事は「主張・理由・根拠」はセットにすると説得力が増すという事。
ESに苦戦しているようでしたら、意識してみてください。
決して流行りに流されるのではなく、上手く自分のアピールポイントに繋げる事ができれば面接官の心を動かす事ができるかもしれません。
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