「虎に翼」84話感想

雑務が溜まっている筆者ですが、今回は感想を執筆せずにはいられませんでした。

まずは優未ちゃん。すごいよ君は。
「友達になってあげたのに」と言われて、

やっぱりそうなんだ。このまま仲良くしても誰のためにもならないから良いよ。声をかけてくれてありがとうね

まだ小学校低学年でこの肝の据わりよう。あっぱれとしか言いようがありません。
そういえば優三さんも、人徳はあるもののあまり群れるイメージはなかったので、お父さん似かな。
わたくしも中学校・高校時代にこのメンタルを持っていれば良かったわ。

そしてなんと言っても、玉ちゃん・涼子さまの深い友情に胸を打たれました。
玉ちゃんからは言えないだろうと読んで、あえて涼子さまもいるところで施設の話を切り出した寅子、賭けましたね(うまくいって良かった)。
「一体何の話?」と混乱する涼子さま。寅子はその場を去ろうとしますが、玉ちゃんが引き留めます。

「耐えられないのです。お嬢様がせっかく自由になれたのに、私が中途半端に生き残ったせいで…」と嘆く玉。
即座に「おぞましいことを仰らないで!」と声を荒らげる涼子さま。
感情が高ぶっても品性を保つ涼子さま…良い…
「私は貴方にしてもらったことを返しているだけよ」と言います。

涼子さまはむしろ、自分のエゴで今まで玉をそばに居させたことを謝ります。
「お母様が仰ったの。『お世継ぎだけ早く生んでしまいなさい。それがあなたのため。寂しゅうございますわよ、一人でお屋敷の中で時間を潰すのは』それを聞いて、お母様の人生とわたくしの人生を見て怖くなったの。
胤頼さま(元夫)はお気立ての良い方でしたが、最後まで本当の夫婦にはなれなかった。あの方を桜川の家から解放して差し上げたかった…あなたのことは解放しなかったくせに」

このあたりで筆者の涙腺は怪しくなってきました。涼子さまは続けます。
「わたくしが縛っていたの。あなたをもっと早くにお国に返していれば、良い方と一緒になれたかもしれない。英語を生かした仕事に就けていたかもしれない。それを、わたくしが奪ったの」
謝る涼子さまに、玉は
「奪われてなどいない!私は…できることならば…」と声を詰まらせます。
ここで寅子が口を挟みます。
「玉ちゃん、私は二人が対等であってほしいの」
そうですね。憲法14条は日本国民皆の平等を規定していました。

でも、玉ちゃんがずっと涼子さまを「お嬢様」と読んでガチガチの敬語を使っていた(涼子さまも玉ちゃんに丁寧な言葉遣いをしていたけど)のは、令嬢だからというだけではなく、人としての敬意がこもっていたんじゃないかなとオタク筆者は思います。

玉は涙ながらに切り出します。
貴方なしの人生は考えられない。私の親友になってくれますか?
これが英語で言われるというのが感慨深い(英語で書きたかったのですが、筆者のリスニング能力の限界でした)。
英語は日本語のようなゴリゴリの敬語はないですし、呼び方も「お嬢様」ではなく「you」になる。「対等」になれるから英語で切り出したのでしょう。

これに対して涼子さまは「もう親友よ」と英語で返したのでした。
涙腺の、限界!!
なんですか、この美しいシスターフッドは!!

これを踏まえて今週のサブタイ。
女の情に蛇が住む」。
このことわざの意味は、「女性の情愛は執念深い。深入りすると恐ろしいもの」ということだそう。
どこがじゃい。情愛の質(質?)は、個人に依拠するものでしょう。性別でくくるなどナンセンス!!

第一週の「女賢しゅうして牛売り損なう」から思っていましたが、よくもまあここまで女性を差別するような言葉が湧いてくるものですわ。
わたくし、ちっとも納得できませんことよ。





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