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障がい者も私たちと一緒の世界に生きることの必要性
ライフステージに応じた教育的支援を行う中で、サポートを通じて多くのことを学んでいる。
主に子どもの支援を中心としているが、子どもたちは成長し、発達を経て大人へと変わっていく。
成長した若者たちに対しても、彼らのライフステージや学びに合わせた支援が必要不可欠だ。
その中で、いわゆるEQ(心の知能指数)を高めることが支援の主軸となるのは間違いない。
それを踏まえ、人生をより楽しくするための多様な経験を提供する機会を作っている。
私たちと同じような経験を共有するために一緒に時間を過ごすという形が分かりやすいかもしれない。
現在もサポートを続けている若者がいる。
彼は既にソーシャルファームで働いており、毎朝早くから公共交通機関を乗り継いで出勤し、業務に取り組んでいる。
彼は自閉症スペクトラムを持っているが、私よりも多趣味で、記憶力にも優れている。
彼と共に様々な活動を行う中で、彼の持つ魅力や能力に触れることが多い。
活動の際には、いつも健常者との交流の場が設けられる。
彼と時間を共有してくれる人々や団体によって、彼への認識は異なることがあるだろうと感じつつ、周囲に過度な迷惑がかからないように気を配る。
しかし、ほとんどの場合それは杞憂に終わる。
多くの人が「どう接すれば良いのか」を知りたがり、関わり方を学ぼうと前向きに考えてくれる。
時には彼が自分の世界に没頭してしまい、こちらの言葉が届かないこともある。
そのため誤解を受けることもあるが、彼自身はほとんど気分を害することがなく、温和で愉快な性格だ。だから特別な気遣いは必要なく、自然体で接すれば良い。
さらに、彼は礼儀正しく、いつも楽しそうにしている。
ある日、彼を奈良の限界集落で行われた食事会に参加させた。
野外で調理し、みんなで楽しみながら食事をするイベントだった。
初めての機会だったため、少し緊張していたが、それは全くの杞憂だった。参加者たちは彼ができそうなことを適切に指示し、声をかけ、注意深く見守ってくれた。
そして、彼を快く受け入れるために「どうすれば良いか」を尋ねる場面もあった。
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彼との関わりを通じて、私自身も多くのことを学んでいる。
そして感じるのは、「世の中は捨てたものではない」ということだ。
大きな社会全体を見ると厳しい側面も多いが、小さなコミュニティの中では、彼らに冷たく接するのではなく、むしろ受け入れたいという温かい気持ちがある。
だからこそ、障害を持つ子どもを育てているご家族には、勇気を持って社会と関わり、彼らを育ててほしいと思う。
優しい人は必ず存在する。時には嫌な思いをすることもあるかもしれないが、そうした経験を糧にして、優しい人を引き寄せる力を身につけてほしい。
直感を磨き、「助けてくれそう」と感じる人を見つける力を育ててほしい。
最近、そんなことを強く感じたこの頃だった。
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