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みんなが幸せになるコンテンツのつくりかた 〜ウェルビーイング合宿レポート〜

Marble Well-beingの長谷川です。

会社がスタートして2ヶ月あまりが経ちました。早い!

さて、その記念すべき初の仕事として、4月末にゴールデンウィークに高知県の中土佐町にて2泊3日の「ウェルビーイング合宿」を開催いたしました。わたしたちMarble Well-beingは、合宿のコンテンツ企画と運営を担当させていただきました。

私自身は、前職ではワークショップの企画と運営の仕事をしており、それ以前にも仕事・プライベート共に多くのワークショップやイベントを実施してきました。おそらく数百回は実施しているのではないかと思います。中には大失敗に終わったイベントや大赤字になったイベントもありますが、そうした苦い経験も含め、多くの知見を得てきていると思います。

今回はその知見をフルに活かして企画・運営を行い、そこから新しい知見を得ることができましたので、せっかくなのでみなさまに共有させていただきたいと思います。

「どのようにしたらウェルビーイングなコンテンツは作れるのか」ということは勿論ですが、どのようなポイントを抑えると満足度が高いイベントが作れるかを体系的にまとめておりますので、「これからイベントやワークショップを作っていきたい!」と考えている方向けのTipsとしても活用いただけるかと思います。

※なお、このウェルビーイング合宿ですが、文部科学省の留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」の同窓会組織である「とまりぎ」の四国支部との共同主催として開催しました。僕自身はトビタテ生ではないにも関わらず、これまでトビタテとは仕事もプライベートも含めて多くの絡みがあり、つくづく縁が深いなぁと感じます。トビタテ関係者のみなさま、今後ともどうぞよろしくお願いいたしますぅ・・・(手をスリスリしながら)


1.人は何をウェルビーイングだと感じるのか

今回の合宿のコンセプトは、分かりやすく「参加者がウェルビーイングになる合宿」としました。ウェルビーイング合宿というだけあって、参加したのにウェルビーイングにならなかったら意味がないですよね。

ただ、この「ウェルビーイングになる」という部分が、簡単なようでとても難しいです。というのも「何をすることでウェルビーイングを実感するか」は十人十色。参加者全員が共通してウェルビーイングを実感するコンテンツを提供することは難しく、実施できたとしてもありきたりなコンテンツになってしまうのではないか、という危惧がありました。

そこで、まずはウェルビーイングにつながりそうな要素を
・参加者全員がウェルビーイングだと感じるもの
・参加者全員がウェルビーイングだと感じるが、人によって差があるもの
・人によってウェルビーイングだと感じるかどうか分からないもの

の3つに分類し、どのようなコンテンツを提供するのが良いのかを考えました。

①全員がウェルビーイングだと感じるもの

・自然の中で過ごすこと
今回の合宿場所は高知県中土佐町というド田舎自然豊かな場所です。ゴールデンウィークという貴重な休みを使ってこんなところに来てくれる人は、おそらく自然の中で過ごすことが好きだったり、都会の喧騒から離れてのんびり過ごしたいと思っているだろうな、という仮説を立てました。

幸い、今回の宿泊場所である「四万十源流の里」は、たくさんの木々に囲まれており、ログハウスのすぐ横を川が流れているという、自然の中で過ごすには最高のロケーションです。移動せずとも自然を体感できるのであれば、これ以上ない場所でしたので、ここで過ごす時間は入れた方がいいと考えました。

逆に、せっかく高知県で合宿をするのに、都会で過ごすようなコンテンツを入れてもミスマッチです。ただ、そもそも高知県には都会が存在しないので、どう工夫しようとも「田舎で過ごす」か「ド田舎で過ごす」かの2択になってしまいます。ですので、そもそも物理的にそんなコンテンツは難しい

※ただ実際には参加者の半数が高知県からの参加で、「田舎が好きな人は休日も田舎で過ごすのが好きなんだなぁ・・・」という思いがけない知見が得られました。

バンガローの目の前の景色はこんな感じでした!

・おいしい食事
僕の経験上、99パーセント以上の方は「おいしい食事が好き」です。

実際にはどれぐらいの割合なのかは分かりませんが、逆に「おいしい食事が嫌い」という方に出会ったことがありません。普段どんなに適当な食生活をしている人でも、おいしい食事は好きだと思っています。

脳科学的にも、おいしい食事をとると脳からドーパミン(いわゆる幸せホルモン)が放出されると言われていますので、おいしい食事についてはほぼ全員がウェルビーイングだと感じる要素と言ってもいいのではないでしょうか。

また、とりわけ「屋外での食事」「気の合う仲間と囲む食事」は特別感があります。その最たるものがBBQです。個人的には日本のBBQは味だけでいえば全然美味しくないと思っていますが、それでも屋外で食べることや気の合う仲間と一緒に食べることで、すごく美味しいものへと変貌します。それが美味しいものであれば、こんなにウェルビーイングなコンテンツはありません。

※私個人としても、BBQの資格を持っていたりスパイスカレーのお店をやっていたりするので、食事のクオリティを上げるのは得意です。そのため、特にここは特にこだわりたい部分の一つでした。

おいしい食事を囲むと、つい話が弾みます。

・気持ち良いお風呂(&サウナ)
今年は春先から例年になく蒸し暑い日々が続いています。ただでさえ雨が多い高知県の夜は、汗や湿気で布団が湿り、寝苦しさを感じやすいかもしれません。お風呂で汗をしっかり流すだけで、かなり快適になることは間違いないでしょう。

また、お風呂に入ることは温熱作用も得られます。入浴により体内の血液が温まり、血流によって栄養分や酸素が全身に運ばれ、代謝の改善や疲労回復、腰痛や肩凝りなどの痛みの改善といった効果があります。これはシャワーだけでは得られない効果であり、季節に関わらずお風呂はウェルビーイングを高められます

ですので、行けるのであれば快適な温泉施設などに行きたいと考えていました。ところが、今回の宿泊場所である「四万十源流の里」には大浴場があり、移動しなくても気持ち良いお風呂にありつけました。時間も無駄にならず、これは非常にありがたいです。

さらに、サウナと水風呂まで付いていました。サウナについては好き嫌いは分かれると思いますが、好きな人にとってはあるだけでウェルビーイングになれるコンテンツではないでしょうか。私も週1〜2で行くぐらいのサウナーですので、個人的にもかなり嬉しかったです。

※サウナに関するイベントも実施したいと思っています。以前はサウナの聖地「北欧」を貸し切ってのイベントを実施したこともあります。サウナ好きな方は、是非ご参加いただけたら嬉しいです。

・気持ち良い睡眠
「ショートスリーパーだから今日も2時間しか寝てない!」「寝る時間がもったいないから朝まで遊ぶ!」みたいな人もいますが、気持ち良い睡眠が嫌いな人はいないと思います。

とはいえ、睡眠環境は宿泊場所の設備に大きく依存します。また、快適な睡眠環境は人によって差があり、どんなに良い寝具でも合わない人には合いません。また、個室でない限りはイビキや歯ぎしりの騒音は避けられません。ですので、質の良い睡眠を追求するようなイベントでない限りは、あまりこだわる必要はないと判断しました。今回はログハウスで、かつ清潔感のある布団が用意されており、少なくとも不満が出る睡眠環境ではなかったと思います。

また、睡眠だけでなくスッキリとした目覚めも重要です。1日の始まりに何をするかによって、その日全体のコンディションが変わってきます。起床後に目覚めをスッキリさせたり、テンションが高められるコンテンツがあると良いのではないかと考えました。

※ちなみに、テント泊は慣れている人以外は結構しんどいです。また、男女同部屋も安心感が阻害されるため避けたほうがいいです。最低限の睡眠環境の確保は重要です。

②全員がウェルビーイングだと感じるが、人によって差があるもの

・参加者同士の交流(特に初対面の人との交流)
今回の合宿の参加者募集は幹事の知人が中心だったため、最初からある程度知人がいる方がほとんどでしたが、大半の参加者は初対面同士です。つまり、一人で過ごしたい方や、パートナーや気心知れた友人同士のみで過ごしたい方はこの合宿にまず見向きもしないはずなので、基本的に参加される方は参加者同士の交流を求めているはずです。

しかし気を付けなければならないのが、コミュニケーションにはエネルギーが必要だということ。特に、人見知りの方や他人に気を遣いがちな方は、ここにかなりのエネルギーを費やさなければなりません。交流を求めているからといって、ただ交流コンテンツを用意すれば良い訳ではありません。コミュニケーションに必要なエネルギーをできるだけ少なくする工夫をしたり、あえて人と交流しない時間を作ることも必要です。

参加者がエネルギーを消耗しすぎてウェルビーイングを損なわないように、コンテンツやスケジュールを作り上げる必要があります。

・ウェルビーイングについての学び
この合宿に参加する方は、少なからずウェルビーイングに関心はあるはずですし、新たな学びを得たいと思っているかと思います。が、高知県まで来て座学の講義を受けたいかというと、そうではないはずです。

最低限のインプットは必要だと思いますが、どちらかというと体験からインプットすることを中心に据えたいと考えていましたし、その方が求められているのではと思いました。

体験からのインプットを最大化するためには、体験前のオリエンテーションと、体験後にアウトプットの機会を設ける必要があります。これがないと、せっかくの体験を学びにつなげることができません。学びをどう設計するかが、今回の合宿の最大の課題でした。

・高知県ならではのものを経験すること
高知県に来る機会はなかなかありません。実は私も初めて高知県に来たのは1年前です。おそらく初めて来る方も多いと思うので、そんな方がせっかく高知県に来たのに高知県ならではの経験ができないのは、残念な気持ちになってしまうでしょう。幹事の立場としても、やっぱり少しでも高知県の魅力を感じてもらいたい。

とはいえ、高知県の魅力は多すぎますので、その全てを2泊3日で体験するのは無理がありますし、高知県に関する要素だらけになってしまうと、ウェルビーイング合宿ではなくて、ただの高知県観光ツアーになってしまいます。こちらも、ほどよいバランスが重要です。

「脱」をコンセプトにした図書館。こんな観光名所があるのも高知の魅力です。

③人によってウェルビーイングだと感じるかどうか分からないもの

・お酒
大人になると何かと「遊び=飲み会」みたいになっている方も多いかと思います。お酒を飲んでいる時間を幸せに感じる人も多いと思います。私も弱いながらもお酒は好きですし、お酒を囲む空間も好きです。

しかし、お酒を飲まない人(飲めない人)にとっては、お酒は全くウェルビーイングではありません。統計によると、男性は38.1パーセント、女性は70.3パーセントがお酒を飲まないそうです。お酒を飲まない人は、実はかなり多いです。中にはお酒は飲めないけど飲み会は好き、という方もいらっしゃいますが、そんな人でも飲み会の会費を割り勘にされたらさすがに嫌な気分になるでしょう。

また、いわゆる酒癖が悪い人やアルハラ、飲み過ぎによるリバース等によって迷惑を蒙った経験がある方も多いでしょう。人は誰しも迷惑をかけるものだとは思いますが、何せこれはウェルビーイング合宿です。防げる迷惑はできるだけ防いでおきたいのです。

ただ、高知県はお酒がおいしいのもまた事実。日本酒はとても美味しく、カツオのタタキや酒盗をはじめとして名物にはお酒のアテも多く、「せっかく高知県に来たならおいしいお酒を飲んで過ごしたい」という気持ちもとてもよく分かります。

また、高知県は日本で最も飲酒費用が多い都道府県です。高知県には昔から、お酒を注いでもらったら一気にグラスを空けて相手に渡し、交互にお酒をすすめあう「返杯」という風習があるぐらいのお酒好きが集う土地。お酒を飲むことが、高知県で過ごす醍醐味といっても過言ではないでしょう。

お酒の扱いをどうするか。意外にもこれは最後まで悩んだポイントの一つでした。

めっちゃ美味しそうでしたね。飲みたかった〜!

・アクティブに動くコンテンツorのんびりするコンテンツ
これは休日の過ごし方にも当てはまりますが、例を挙げるとスポーツ全般。休日にフットサルやテニスをする方も多いですが、逆に「なんで休日に身体を動かさなきゃいけないんだ!」という方も多いかと思います。

運動によって脳神経細胞を調整する物質が分泌されたり、継続的な運動によって、メンタルが安定したり、意欲が回復するという効果があると言われています。運動すること自体は、ウェルビーイングにつながります。

逆にのんびりすることも大事です。普段の仕事から解放されやっと迎えることができたゴールデンウィーク。自然の中で癒されたり、心身の疲れを取りたいと思う人はとても多いでしょう。

どちらも間違っていませんし、どちらもウェルビーイングになるために正しい選択をしていると思います。「その時にどちらを必要としているか」という問題です。合宿自体のコンセプトがもっと偏っていれば、どちらかに寄せてしまってもいいかもしれませんが、ウェルビーイングという広い概念を掲げるコンセプトだと、逆にどちらも選ぶことができないな、と思いました。

ロケーション的にはのんびり過ごしたくなる要素が満載でしたね!

2.実際にはこんなコンテンツを用意しました!

ウェルビーイングにつながりそうな要素を切り分けたところで、いよいよコンテンツ作りです。実際にどのようなコンテンツを作るかを考えました。

今回こだわったのは以下の3点です。

①自ら「選べる」過ごし方。

今回はウェルビーイング合宿ですので「参加者のみなさんにどのようにウェルビーイングを感じてもらうか」を設計することが一番重要だと考えていました。そのためのメインのコンテンツとして、当初はかなり作り込んだ交流コンテンツを企画しようとしていました。

しかし色々考えた結果、ウェルビーイングな過ごし方は人それぞれ違いがあり、こちらから提供するコンテンツでは全ての参加者がウェルビーイングに過ごすことは難しいのではないか、という結論に至りました。

そこで考えたメインコンテンツは「自由時間の中で自分たちで過ごし方を選び、それぞれのウェルビーイングを探す」というものです。まぁ、簡単にいえば「参加者への企画の丸投げ」です。

ただ、一つだけ参加者にはお願いをしました。「自分たちが過ごす中で見つけたウェルビーイングを、写真で撮ってきてください」と。そして、自由時間が終わった後は、撮ってきた写真について一人一人にアウトプットしてもらう時間を設けました。

こうすることで「自分がどのようなことでウェルビーイングを感じるのか」という気付きや、「他人が感じるウェルビーイングと比較する」ことでの気付きを得ることができるのではないか、と考えました。

実際に、「自分らしい過ごし方を見つけることができた」という自由時間への感想や、「他の人の話を聞いて自分が良いと感じるものが自覚できた」「自分も取り入れてみたい過ごし方を知ることができた」といったアウトプットの時間への感想をいただきました。

また、宿泊したバンガローの目の前が四万十川の渓流だったため、この空間で自由に過ごす時間も設けました。川を眺めながらのんびりしたり、本を読んだり、仕事をしたりと、みなさん思い思いの時間を過ごしていました。

改めて思うのが、「選ぶ」ということはウェルビーイングにおいて重要な要素の一つではないかということです。それはすなわち、自分の人生を自分でコントロールすることに他なりません。逆に言えば、生きる上で、あるいは働く上で自らが何も選ぶことができない環境は、おそらくウェルビーイングではないのではないでしょうか。

結果的にはこのコンテンツは「選ぶ自由を体感することができる」ものとなり、とても良い試みとなりました。

思い思いの過ごし方は楽しそうです

②食を中心とした空間作り

やはり「食」はウェルビーイングには欠かせないと思い、全ての食事にはこだわりました。そして、随所にコミュニケーションを生み出す仕掛けを入れました。

まずは「BBQ」。こうしたイベントではド定番ですが、食事としての目的だけでなく、初対面の人たち同士でも一緒に作業をすることでコミュニケーションを深めることができる、という点でこれほどうってつけなコンテンツはありません。

塊肉やチーズフォンデュ、そして今回は高知県ならではということで、カツオやブリのワラ焼きと、かなり豪華なメニューだったのではないかと思います。食事にインパクトがあると周りの人とも話が弾むため、これもコミュニケーションを活性化する仕掛けの一つです。

その他、BBQについては随所に様々な工夫をこらしていますが、長くなるので割愛させていただきます。ですが、「美味しい」と「楽しい」を両立させたコンテンツに仕上がったのではないかと思います。

※BBQについては、BBQ研究家である岩井慶太郎さんの「Share Style BBQ」を大いに参考にさせていただいています。

特にカツオとブリのワラ焼きは最高でした!

朝食をしっかりとってもらうことも、この合宿でこだわったポイントの一つです。朝食は2日目と3日目で趣向を変え、2日目には鍋で炊いたごはんに削りたてのかつおぶしを乗せた「日本の朝ごはん」、3日目には野外メシならではの「焼き立てホットサンド」を作りました。

朝から食欲が湧かないという方も多いですが、こうしたテンションが上がるメニューにすることで食欲がかき立てられます。しっかり朝ごはんを取ることで、1日を元気に過ごすためのエネルギーも作ることができます。みなさんしっかりと食べてくださり、この目論見はとても上手くいったのではないでしょうか。

※ホットサンドは当初ハムとチーズというシンプルな具材で考えていましたが、道の駅で売っていたカツオのペースト、そして参加者の方が持ってきてくださった九州の味付け海苔を挟んだらびっくりするぐらい美味しく、今後ホットサンドの定番にしたいなと思いました。

意外と削るのは大変でした。

最後に「スパイスカレー」。こちらはみんなで作るのではなく、完全に私からのおもてなしとして作らせていただきました。カレーもせっかくの高知県でしたので、カツオ出汁を効かせたポークカレーを提供しました。

ちょうど外を自由に散策するコンテンツの後ということもあり参加者の疲れも考慮し、ここでは「あえてみんなで作らない」という形にしました。2泊3日は意外と長いです。なんでもかんでも一緒に作業をしてもらうことが良いわけではない、と個人的には思います。

※個人的なお知らせですが、間借りやキッチンカーでスパイスカレーのお店をやっております。よければぜひ遊びに来てください。カレー用のInstagramはこちらです。https://www.instagram.com/midzy.curry

スパイスカレーはとても美味しくできました!

③コンテンツと学びの接続

今回の合宿では、ウェルビーイングについて学ぶ時間はあまり設けませんでした。ウェルビーイングに関心がある方が多いのは承知でしたが、先述した通り、座学での学びよりも体験での学びを優先しました。

体験の学びではインプットは各々に委ねがちですが、今回はコンテンツの一つ一つについて「どのような意図で行っているか」「体験からどのような学びを得てもらうことを想定していたか」を、それぞれコンテンツの前後いずれかでは必ず説明しました。

特に今回は、ウェルビーイング研究の第一人者である慶應義塾大学の前野隆司教授が提唱する「ウェルビーイングに影響を与える4因子」を高めることを前提としてコンテンツを作成しました。具体的には「やってみよう因子」「ありがとう因子」「なんとかなる因子」「ありのまま因子」の4つの因子です。

例えば、BBQではワラ焼きという未体験の食べ方を「やってみよう」という要素が入っていたり、焚き火を囲むコンテンツでは、参加者同士が「ありのまま」に語れるトークテーマを用意したり、といった具合です。

こうすることで、体験からより多くの学びを得ることができたのではないかと思います。

※「なんとかなる因子」については、私がこの合宿において保ち続けることを意識して設計しました。おかげさまで、企画側でありながらも、自分自身も終始ウェルビーイングで過ごすことができました。

焚き火の時間はエモかったですね!

3.イベントやワークショップにおいて重要なこと

さて、ここからは私のこれまでの知見や、今回のウェルビーイング合宿の実施を通して、改めてイベントやワークショップにおいて重要だと思うことをまとめさせていただきます。

①事前準備が9割

もうこんなことは散々色々なところで言われ尽くされていますが、それでも常に意識しなければならないことです。9割と書いていますが、実際には事前準備でほぼ全てが決まります

スケジュールや企画内容、買い出し、金銭管理などの確認などは当然行うと思いますが、時間がある限り何度でもいいので見直しをし、少しでも抜け漏れがないか確認し、当日慌てなくて良い状態を作る必要があります。

私は管理全般が苦手です。どれだけ確認しても抜け漏れは必ず発生します。だからこそ見直しを何度もし、少しでも抜け漏れが少なくなるように努めています。

なお、当然抜け漏れは発生しますし想定外の事態もいくらでも起こりますので、その時は臨機応変に対応する力も必要です。実際、今回の合宿でも「単体で炊いてもとても食えたもんじゃない」お米を間違えて買ってしまい、慌てて朝6時に起きて往復1時間かかるコンビニへ買い出しへ行きました。我ながらファインプレーだったと思いますが、当然、抜け漏れが多ければこうしたファインプレーも生み出すことはできません。ファインプレーの根っこには、綿密な事前準備が下支えしているのです。

※日本ハムファイターズの新庄監督も現役時代は敬遠球をサヨナラヒットにしたりしていましたが、あれは敬遠級を打つ練習をするという事前準備があったからこそ生まれたファインプレーでした。どの世界でも一緒なのかもしれません。

②コミュニケーションがしやすい「心理的安全性」作り

参加者同士のコミュニケーションをどのように生み出すか。そのためにはコミュニケーションがしやすい環境を作る必要があります。

そのためには特に「心理的安全性」は重要です。

特に初対面の人同士が多い場合だと「コミュニケーションのハードルをいかに下げるか」は心理的安全性の有無にかかっています。もちろん、締めるところは締めなければいけませんが、参加者全員がリラックスし、「コミュニケーションをしてもいいんだ」と思えるような雰囲気が必要です。

そして、その雰囲気は「開始10秒」ぐらいでほぼ決まります。何が決め手かというと、他ならぬ幹事(司会)の空気感です。有名なメラビアンの法則でも、人の印象は最初の7秒間で決まると言われています。場の雰囲気も同様です。

ですので、ここでは幹事の力量が問われます。幸いにも私はどちらかというと人当たりが良いため、自然体でいれば心理的安全性作りはそれほど苦手ではありませんが、緊張感を与えてしまうタイプの方であれば、自然体のままではいけません。逆に私の場合は、緊張感を与える雰囲気を作ることは、自然体のまま行うことはできません。人によって得手不得手はあるかと思います。

その他には、参加者に役割を与えることも、コミュニケーションを生み出すためにプラスの効果があります。話の輪に入れない時や手持ち無沙汰になってしまった時に、役割があればその役割を全うすることで場に加わることができます。いざという時に、役割が保険として機能します。

また、参加者全体の様子を俯瞰しながら、場合によっては幹事が参加者のコミュニケーションのサポートをすることも必要です。リラックスできる雰囲気を作るのは重要ですが、完全にリラックスしきってしまい場の状況が全く見れていない、ということになってはいけません。

※私はお酒を飲むと場の状況が見れなくなってしまうので、幹事の場合は極力お酒は避けています。お酒を飲まなければ楽しめないわけではないので、お酒なしでも十分楽しめています。

③スケジュールには「ものすごく」バッファを持たせる

こういった合宿だと「あれもやりたい」「これもやりたい」となってしまい、スケジュールに企画がびっしり詰まっていることがよく見受けられます。気持ちはとても分かるのですが、全てが上手くいったことを見たことがありません。

理由は簡単で「企画が予定通りに進むことはない」ということです。これは不測の事態が起こった時へのリスクヘッジという意味もありますが、自分が想定している企画の流れはあくまで自分の想像の範囲内でしかなく、自分以外の人の動きについては想像を超えてしまうためです。

また、単純に次から次へと企画ばかりでは体力面でも疲労してしまいますし、バッファがないスケジュールを進行していると、幹事の表情や口調にも焦りが生まれます。そして、その焦りが生む雰囲気の変化は参加者全員へ蔓延し、それにより参加者に心理的な負担を強いてしまいます。

企画の詰めすぎは、あまり良いことはありません。何もない時間が生まれることは不安かもしれませんが、1日であれば2時間程度はバッファを持たせておくと良いと思います。もし時間が余ってしまったとしても「自由時間」にしてしまえば全く問題はないですからね。

4.アンケート結果:満足度100%!

高知県は日本一雨が多い都道府県と言われています。当日の天気も、直前までは土砂降りの雨予報で、本当にどうなることかと思いました。当日も朝から雨が降り続き、一向に止む気配がありませんでしたが、なんと合宿開始と同時に雨は止み、そのまま3日間雨に降られることもなく、最終日の解散の瞬間にようやく雨が降り始めました。まるでウェルビーイング合宿のために雨を引き上げてくれたかのようでした。

そんな天気に恵まれた合宿は、最終日までトラブルらしいトラブルはほぼ起こることなく、無事に終えることができました。

嬉しいことに、満足度は「とても満足」100%でした!

アンケートの結果を見ると、特に私がこだわった「自由に過ごし方を選択できたこと」「BBQやスパイスカレーなどの料理」を挙げてくださった方が多く、本当に嬉しく思いました。

あったらいいな、というコンテンツでは「ウェルビーイングについての学びが深まるコンテンツ」「内省的なコンテンツ」「運動などの身体を動かすこと」を挙げてくださった方が多かったです。どうしても時間的な都合もあり入れられなかった部分ではありますが、また違った形でこういったコンテンツも実施することができたら、と思っています。

参加してくださったみなさま、本当にありがとうございました!

5.まとめ

Marble Well-beingの初仕事として無事に終えることができたウェルビーイング合宿。今後も少なくとも年に1度は、要望によっては何度かは実施したいと考えております。リクエスト等いただけると嬉しいです。

また合宿という形ではなく、みなさんの日常が少しでもウェルビーイングになるような企画も定期的に実施していきたいと思っています。色々と発信していきますので、ぜひお気軽にご参加いただけたらと思います。

みなさんの人生が、ウェルビーイングになりますように!

集合写真!ありがとうございました!