ショートショートnote杯┃コロコロ変わる名探偵
「こうも次々名探偵がやらかすとはな」
刑事はため息を吐く。難事件を解決するために呼んだ名探偵たちが他の名探偵の邪魔をしていたのだから。
名探偵たちがコロコロと入れ替わり、全員が推理などせずに妨害工作をした事を白状していく。占めて56人。
「全国の名探偵に呼び掛けたのに。これが本当の〈そして誰もいなくなった〉ってか。笑えねえ」
「むしろ〈それじゃ誰もいらなかった〉じゃないです?」
お茶を持った女性警官が入って来る。
刑事はお茶を1口飲んでまたため息を吐いた。
「仕方ない真面目に自分で捜査するか」