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ヴィンテージオーディオとの出会い②
皆さんこんにちは。
今日はヴィンテージオーディオとの出会いの続編です。
写真と並び音楽、オーディオはぼくの人生にとって欠かすことのできないとても大切なものです。
では前回の続きです。
・思い出の名機たち
聴いてしまったからには少しでもこれに近いモノが欲しくなるのが人情というもの。例のMoniter SILVER入りのコーナーカンタベリーは唯一の”非売品”であった。そもそも売っていても買えなかったが…。
「札幌音蔵」にはその他にも歴史的名器と言われるものがたくさん置いてあり、ことあるごとに遊びに行っては聴かせてもらった。
中でも印象に残っているのはLowther(U.K./ローサー)という小さな白いフルレンジをバックロードホーンのエンクロージャーに収めたもの。出てくる音は非常に独特で”正しいか”と言ったら全く正しくない。ところが騙されてもいいや、という麻薬的な音がした。どうしてこんな小さなフルレンジユニット一発でこんな音がするんだろう?いくらバックロードをかけているにしたって不思議で仕方がなかった。
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GOODMAN(U.K.)のAXIOM80というこれまたフルレンジの名器もあった。
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勿論、アメリカのALTEC(何故かJensen、JBLはなかった)などのモニタースピーカーもあったがどうも自分にはモニター用やトーキー用は能率ばかりが高く肌に合う音ではなかった。唯一、WesternElectricを別として。
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ヨーロッパでもアメリカでも当時の名器に共通して言えるのはどれも強力なマグネットを備え非常に能率が高く100dbなんて当たり前だということ。現代のスピーカーはせいぜい90dbそこそこである。
当時の給料で何とか入手できたのがGOODMANのAXIOM301というAXIOM80よりも口径の大きい30cmフルレンジだった。そのユニットを横浜にある”ユートピア”というヴィンテージユニット用に国産箱を制作している会社の”コーナーカンタベリーモデル”に収めた。
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アンプはQUAD(U.K.)の22+Ⅱという真空管の名器が欲しかったのだがどうしても手が届かず、次世代トランジスタモデルの初代機33+303を購入した。”QUAD(クオード)”という社名はQuarity Unit Amplifier Domestic( 家庭のためのアンプリファイアー)の頭文字をとったものだ。
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真空管アンプの名器
イギリスらしい美意識の高い工業デザイン
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クオード初のトランジスタアンプ
・イギリスとアメリカの美意識の相違
イギリスのオーディオ機器は物量投入のアメリカ製品とは対照的で、限られた材料で可能な限り良いものを家庭用として使い易い大きさにまとめられたものが多い。QUADは正にその代表格である。こじんまりとした佇まい、秀悦な工業デザインは今でも充分通じる。裏蓋を開けて内部を見ると配線がキッチリと施されており、その職人技はまるで芸術品のようである。プリント基板の登場以降、その技は見られなくなったがそういう美意識の強いメーカーである。プレイヤーまでは資金が足りず、東京に戻って資金を貯めるまではPIONEERを使っていた。音は…まぁ、TANNOYには遠く及ばないものだったが、同じ形のエンクロージャーを眺めながら多少は求めるものに近づけた気がしていた。
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プリ・パワーアンプ。