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スピーカーセッティング【対向法】…お金を掛けずにクオリティを上げる

皆さんこんにちは。
今日は先日の記事の最後に約束したその後のサブシステムのスピーカーセッティングについて書いていきたいと思います。

↓ 前回の記事はこちら



先日の記事では【平行法】の実験、その方法と効果について記載しました。
しかしリビングオーディオである我が家では常時あの状態で過ごす訳にもいかないため、邪魔にならない形でのセッティングを試みてきました。

・対向法とは

そして前回の実験同様、アイデアの元ネタは師匠と崇めるGRFさんです。
今回は前回の【平行法】に対して【対向法】になります。
因みに昔のコーナー型エンクロージャーのTANNOYのセッティングは45度の【交差法】(写真①)になります。

写真① 
2014年撮影
昔のTANNOY Corner Canterbury
五角形のエンクロージャーは45度交差法を前提で設計されている
音場は前へせり出す
写真② 
2024年撮影
現在の状態
メインスピーカーはRectangular GRFに
TVラック上のサブスピーカー Monitor Audio の角度に注目
写真③
Moniter Audio BRONZE BX1
写真④
Moniter Audio BRONZE BX1
小型ブックシェルフながらバランスよくなかなかの鳴りっぷり
角度を付けるため下にMUJIの木製コースターを挟んでいる
これがなかなかいい
写真⑤
DENON PMA-390RE
コスパの高い優等生
BRONZE BX1と同様2013年購入

要領は簡単で左右のスピーカー同士を向かい合わせに設置するだけです。
※床に直置きの場合は平行法同様、下に何かを挟んで少し角度を調節します。
これが面白いように平行法とはまた違った音場を生みます。平行法同様に部屋の広さを無視した音場です。特に狭い部屋では効果が出やすいようです。
住宅事情の厳しい日本に最適ですね。

我が家の場合、先ずは完全に向かい合わせにしてみましたが、間にTVもありますし、後方の壁にも近いため、どうもうまくいきませんでした。そこから徐々に角度を調整したところ、この状態がベストでした(写真②)。完全な対向ではなくTVを避け角度が付いています。前回実験の【平行法】程の音場ではありませんが充分なクオリティです。

・TVラックの重要性

我が家の場合、実はスタンダードトレードで特注したTVラック…これがかなり大きな効果になっています。言うなれば簡易型外付けロードホーンです。オーダー時に効果を狙い背板を付けないようにお願いしました。社長からは強度を確保するため上方のみ板を付けさせて欲しいとのことで承諾しました。
このラックのお陰もあってサブスピーカーで鳴らしていても皆、外側のGRFが鳴っているものと思います。
オーディオラックの考え方は大抵がガチガチに固める方向ですが、ぼくは敢えて昔のタンノイのように適度に鳴らす方向に振りました。

・内振りの難しさ

前回の【平行法】のコツとして絶対内振りにしない…ということをお話しました。
雑誌でもYouTubeでもオーディオ好きの方のスピーカーセッティングを見るとかなりの比率で”内振り”にしている方を見ます。意図は簡単で各スピーカーユニットがリスニングポジションの真正面、若しくは少し外向きになるようにしています。
一見、良さそうに見えるこの”内振り”…実は音場を生み出しにくいセッティングだと思っています。

・平行法、対向法のキモ
平行法も対向法も肝になるのはスピーカーユニットの直接音を聴くのではなく、現れたホログラムのような音場を聴くイメージです。そうすると真正面の一点でしか聴けなかったリスニングポジションから解放されます。ホールで音が鳴っているイメージなので場所がずれてもちゃんと音場は維持されます。これは小型のブックシェルフでも充分に体感できます。…不思議ですね。

因みに写真①のCorner Canterburyは45度の【交差法】ですが音の交差点はリスニングポジションよりかなり内側(奥)で交差します。少し広げて耳に向けたとたん非常に不快な音になります。これも原理的には似ていて、奥の交差点で作られたホログラムを少し離れた位置で聴くイメージです。

・部屋はオーディオ機器のひとつ

前回も書いた通り本当は部屋の制約さえなければGRFの場所もサブスピーカーの場所も全く違ったものになります。言うまでもなく部屋はオーディオ機器のひとつです。スピーカーと同等若しくはそれ以上に大事な要素。我が家も専用室なら少なくとも1.5mは前へせり出してセッティングすることになると思います。

・天井知らずのオーディオ

オーディオに掛けるお金は天井がありません。しかし今は配信サービスやサブスクでも手軽にいい音を買える時代。費用を掛けずともひと工夫でかなりのクオリティまで持ってこれます。
生活を圧迫するような無理をせずに音楽を楽しみましょう。

・ヘッドホンの音場

今回の方法は特にヘッドホン中心のリスニングユーザーの方にオススメしたいです。
ヘッドホンは性質上、前方に音場を作ることができません。頭の後方にある音像を聴く形になります。顕微鏡で物を見るように音を聴きますので音質重視の音楽になります。聴くジャンルにもよりますが部屋の中に自由に放たれたホールの音を聴くことで、また違った世界が見えると思います。


さて、参考になりましたでしょうか?
前回と2回に渡ってお金を掛けずに効率よく音場を作り出す方法を書いてきました。
今日のお話はあくまでもぼくが実践してうまくいった一つの例ですので絶対的なものではありません。
本質さえ見誤らなければどんな方法でも最後はゴールに行き着く筈です。
オーディオはあくまでも音楽を楽しむためのものです。
より多くの人が生活に無理のない範囲、手持ちの機器でもっとクオリティの高い音楽を楽しむことができればオーディオ業界ももう少し開かれた分野になると思います。次のステップに進みたいと考える人が増えることで、結果として衰退してしまったメーカーも盛り返すことになれば結果オーライです。

それではまたお会いしましょう。

#オーディオ #スピーカーセッティング #スピーカー #音場 #サブスク #MONITERAUDIO #DENON




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