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お金の役割

貨幣によって価値を保存できるようになったと言われる。

物々交換の時代、保存できるものは生鮮品よりも価値が高かっただろう。
生鮮品は交換の対象にはなりにくく、少量ずつでも自家生産するものだったであろう。そんな状況で生鮮品を保存する加工技術は上がったのかもしれない。

貨幣は、生鮮品を量産して価値を保存することができるようにした。これによって、ほぼ全ての業種が専業化できるようになり、分業化、量産化、品質の向上が劇的に進んだだろう。大規模貿易、産業革命、歴史的な発明品等々、世界全体が変革するような出来事のきっかけは貨幣だったのではないだろうか。

貨幣によって様々な物が生まれた。それをより多くの人にとって使いやすい形にすることが求められ、多くの物がそうなっている。

今、お金が無くなったらどうなるか。
お金がなかったら煩わしい。コンビニで買い物するのにも交渉が要る。初めは自己を明かし、相手を伺う。次回はそれを前提にまた状況を明かし、相手を伺う。そういったことをずっと覚えておかねばならない。生活圏が小さいからこそ成り立つ仕組みで、毎回価値観の擦り合わせが起こり、それ自体が人間関係になっていく。
そもそも、貨幣がなかったら「等価」というものは当人同士、あるいは第三者も関わりながらその都度作るものだっただろう。ある時には人柄を前提にした「恩」を対価に物を渡すこともあったのではないだろうか。物の価値がその時々で変わるものなのは今もそうだが、人柄や前後関係も含められていたのではないだろうか。
プレゼント、お中元、お歳暮、お年玉、お祝い。
こういったものには物々交換の名残のようなものを感じる。

物々交換は、記憶や感情も含めてこれまでの流れの中での人間関係に基づいて成立するものであっただろう。

お金は、記憶も感情も時間も関係なく一回ずつのやりとりできるようにしたのではないだろうか。

現在、貨幣によって価値観の共有ができている。人を前提とした価値観ではないため、誰とでもやりとりができる。言い方を変えると、人と関わらずにやりとりができて、終わったらそのこと自体も残しておく必要がない。

当然、優劣はない。
使い分けることが可能な考え方と捉えてみてもいいのではないだろうか。

関係性を築こうとする場合、お金を媒介にするのは愚策だろう。
貨幣に置き換えることによって関係を築く必要がないというのがメリットなのだから。

富を得ようとする場合、物々交換は愚策だろう。
価値を増やすための一連の行動は「等価」を前提としたやりとりで、消えることはない。多くの価値、富を得たら、いつかそれを手放さなければならない。もしそれができないのであったら、それ以降、人との関係性を築けないを覚悟しなければならず、それによって物々交換はできなくなるものと思っておくべきだろう。


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