フットネイルはじめました

「冷やし頭はじめました」

とある漫画の一コマである。理髪店が舞台の漫画ではなく、主人公が旅先で見つけて、恋人(「という呼び名のが適切なのか」と主人公は首をひねっている)に上の看板の写真を見せるのだ。

今日のタイトルはこのシーンから拝借した。これまで手にネイルを施して貰ったことはあったが、足ははじめてだった。何というか、足許を触られることに抵抗があった。おまけにこの夏、正体不明の虫(蚊ではない)に刺された痕が足の甲全体にうっすら残っている。ああ、いやだいやだ。

そんなわけで、ここ半年くらいは自分で好きな色を塗っていた。でもそれにも飽きてきていた。ネイルを使い切るにはかなり時間がかかるし、本数が増えて場所をとるのももどかしい。でも美しくはしたい。手も事情はおなじ。ただ、手の爪は色々物にぶつかるのが気になる。それに伸びるスピードの速いこと速いこと。一週間もすれば下からうっすら自爪が見えてくる。貝のような扇のような形もどうも好きになれない。

10月の今、日中ならサンダルを履ける。何より足にして貰うのは初めてだったので、30代最後の初体験に軍配があがった。

で、帰宅した今。浮かれている。帰りに寄った喫茶店でテラス席に座り、素足をこっそり投げ出すくらいには。鼈甲色の親指に、ピスタチオをもう少し明るくしたようなグリーンが残り4本の指を彩っている。もう少し暗い緑でも趣があって良かったかもと思うが、それはまた次回の愉しみにとっておこう。

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