発車メロディ・ノスタルジア
ホームシックになったときに、首都圏の発車メロディ集を聴いてしまう。
コロナ禍で両親にも恋人にも会えないまま、実家から遠く離れた場所で、どこにも出掛けずにひとりで数ヶ月過ごして滅入っていた頃。
なんの気無しにYouTubeで再生したこの動画が、刺さった。
ひとり暮らしは楽しんでいる方だと思っていた。昔からひとりでカフェに行ったり映画を観たりは日常茶飯事、ちょっとした小旅行もひとりでよく楽しんでいた。
それでもやっぱり、こんな私でも寂しかったのだなと気付かせてくれたのがまさかの発車メロディ。
思えば、左右を両親に挟まれ手を繋いでバンザイしながら歩いていた幼い頃も、初めて電車で通学した中学校時代も、高校時代の予備校の帰り道も、大学の飲み会帰りの終電も、全部全部、発車メロディと共にあったわけで。
例えるならば、なんてことない日常を収めた昔のホームビデオを見せられてる感じ。
発車メロディに紐付いたドラマチックな思い出なんて一つもないけれど、帰省したかのような、懐かしく胸が締め付けられるような気持ちになる。
今日もなんだか寂しいので、スマートスピーカーに発車メロディを再生させようと思います。