3月14日の嘘日記
夜はくしゃみが出る。
寒いからではない。
暗闇になっている空間を見ると鼻がむずむずするのだ。
私なりのイメージでは、暗闇の質量(マス)が私の鼻腔と共鳴して(なぜ共鳴するかというとそれは暗闇というのは波動が伝わりやすいからなのだが)私の身体全体を暗闇にしてしまい、私の身体はそれを拒絶するためにくしゃみとして身体から暗闇を排出するのだ。
身体の中に決して暗闇を飼ってはならない。飼うならば太陽だ。太陽を飼えば、全てが燃えさかり輝くだろう。全てというのは、君が考えているそれやこれ、ありとあらゆる全ての事象 Object、領域 Field、質感 Textureにおいての全てだ。
私は夜にくしゃみをするたび、この一連の思考のわだちを通り抜け、太陽に思いをはせる。
私の身体の中にはいまだ太陽は住んでいない。いつになったら住んでくれるのだろうか。