SF創作講座ではじめて梗概が選ばれたよ

第五回課題提出の一週間前の話です。SF創作講座の実作提出はふだんは2万字目安ですが、最終実作は4万8千字上限(になるはず)だと聞きました。わたしはそんなスケールの話を書いたことがなかったので、最終実作でいきなり書けるわけがないと思いました。心苦しいですが目安と関係なくふだんから4万8千字上限で書こうとわたしは思いたったのです。次の実作では平易で読みやすい文章で人間ドラマを書くという課題を己に課し、SF的オリジナリティは考えずに人間が成長していく大河ドラマ的な話を書くことにしました。梗概が選ばれることよりも己の創作力の向上を狙っていました。
しかし蓋を開けてみると、なんと梗概が選出されたのです。選出を狙うことをあきらめた途端に選ばれるとはこれいかに。しかし梗概が評価されること自体は励みになります。選んでいただいた藤井大洋先生ありがとうございます。梗概が選出されたことについてのわたしなりの分析では、ある種の王道的な話がもとめられた課題にストレートな成長譚を提出したことが理由だったのだと思います。王道の話は書くのが難しいので、そのチャレンジを後押ししていただいたのかもしれません。
4万8千字で書こうと思っていた手前、講師陣や他の受講生にわざわざ長い作品を読んでもらうのも心苦しく、2万字で提出しようかとも思いました。しかし元々考えていたストーリーでは2万字ではおさまらず、過去には実作提出者に選ばれて4万字を超える作品を提出している人もいるので、予定通り4万8千字で提出しようかと考えています。
文章を書いて読んでもらうために小説を書いているのに、長いからといって読んでもらうのが心苦しくなるのはおかしいのではないかとわたしは考えました。長くておもしろい小説はたくさんあります。問題なのは長さなのではなく小説のおもしろさのほうだとわたしは気づきました。
わたしがSF創作講座に通いはじめた理由は小説を完成させられないことに悩んでいたためです。3回にわたって2万字弱の実作を提出することができ、評価される機会もいくつかあったので、わたしは小説を書き上げること自体については乗り越えられた気がしています。
しかし梗概がはじめて選ばれた今、おもしろい小説が書けるのかどうかという次なるプレッシャーにわたしは悩まされはじめたのです。はじめてこういう気持ちになってとまどっています。その一方で、そんなに期待されているわけでもないので気にしすぎなのではないかという思いもあります。自分が書いてて楽しいであるとか、当初の目標である創作力の向上を第一目標にして、高望みせずに書いていければと思っております。

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