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夜明けの遅い国

見出しの写真は、朝7時半の街並みです。
これでも、だんだん日が長くなってきて、明るくなるのが早くなったほう。
私たち家族がスペインに着いた当初は、朝8時半でもまだ薄暗いくらいでした。

スペインは、夜明けの遅い国です。
日本だったら、真冬でも7時ごろには明るくなってきますが、スペインは夏場でもまだ薄暗い時間です。

その代わり、夜暗くなるのも遅いので、最近は夜7時ごろまで日が出ています。
日本だと、冬場は夕方5時には真っ暗ですね。

実はこれには理由があります。
スペインはもともと地理的にいえば、ポルトガルやイギリスと同じ、西ヨーロッパ標準時を使う地域です。
ところが、1940年に当時の政府が、他のヨーロッパ諸国と足並みを揃えるために、実際の時間帯より1時間早い中央ヨーロッパ標準時を使用することに決めました。
この時から80年以上、スペインは実際の太陽の動きに合わせた時間より1時間早い時間を使い続けているのです。

そう考えると、冬の朝8時が薄暗いのも、日本でいう朝7時ごろになるわけですから納得がいきます。

そういえば小学生の時、ウチは冬場の門限が、暗くなり始める午後4時半だったのですが、ある日無断で7分ほど(←あやふやだけど10分以内だったと思います)遅れてしまいました。
恐る恐る帰宅すると、幼馴染の家族が来ていて、おばちゃんに

「ごめんなさいってお辞儀してからクルッと回るのを、7分遅刻だから7回やりなさい」

と言われて、玄関でクルクル回りながら謝ったことがありました。
眉が釣り上がっていた母も笑いを堪えきれず、場が和んで「助かった!!」と思ったのを今でも覚えています。

スペインでは午後4時半といえば、昼食&休憩を終えてこれから遊び始める時間。
小さな子どもだけで遊びに行かせることもほとんどないので、娘が玄関で謝りながらクルクルしている光景は見られそうにありません。

Maqui

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