【入門】デジタル地図アプリを徹底解説!種類・選び方・活用法・導入の流れ
この記事では、デジタル地図アプリを使ってみたいが、何から調べていいか分からない、という方に向けて、デジタル地図アプリについて網羅的に解説しています。
調べる入口にしてみてください。
1.デジタル地図アプリとは?
デジタル地図アプリとは、PCやタブレット、スマートフォン上で地図を表示するアプリです。
デジタル地図と紙の地図の違い3点
(1)更新性
デジタル地図: リアルタイムでの更新が可能で、新しい道路や施設、交通情報、天気情報などが随時反映されます。例えば、Google Mapsでは道路の渋滞情報や事故情報がリアルタイムで確認できます。
紙の地図: 一度印刷されると内容を変更できないため、最新の情報を反映するには新しい地図を作成する必要があります。そのため、最新の状況には対応できないことが多いです。
(2)インタラクティビティと機能性
デジタル地図: 拡大縮小が自由にでき、地点の検索やルート案内、施設の情報など、様々なインタラクティブな機能が使えます。また、衛星画像や3Dビューなども表示でき、視覚的に詳細な情報を提供します。
紙の地図: 拡大縮小や検索機能はなく、持っている地図の範囲内でしか情報を得られません。情報は静的で、インタラクティブな操作はできません。
(3)携帯性と利便性
デジタル地図: スマートフォンやタブレットなどの端末にインストールされており、いつでもどこでも利用できます。また、持ち運びが簡単で、GPS機能を使った位置情報の追跡も可能です。
紙の地図: 持ち運びに不便で、広い範囲を表示するためには大きな地図が必要になります。位置情報の自動追跡もできないため、自分の位置を地図上で確認するには手動での判断が必要です。
このように、デジタル地図はリアルタイム更新や多機能性、携帯性が特徴で、紙の地図と比べて利便性が高いです。
Google Mapのような無料の一般的な地図アプリから、特定の業務に応じたカスタマイズ地図アプリまで、さまざまな用途で利用されています。
デジタル地図アプリでよく使われる機能
ズームイン・アウト
地図の表示範囲を拡大・縮小し、詳細な情報や広域な情報を自由に確認できる機能です。地図の回転と進行方向の表示
地図を自分の進行方向に合わせたり、回転させて見やすい向きに調整することで、方向感覚を保ちやすくする機能です。GPSによる位置情報取得
GPSを利用して、現在地をリアルタイムで表示し、正確な位置情報を取得する機能です。位置情報を他者に共有
現在地や目的地などの位置情報を、家族や友人と簡単に共有する機能です。1日の移動データ取得
1日の移動ルートや滞在場所を記録し、後から確認できるようにする機能です。ルート検索
目的地までの最適なルートを検索し、交通手段に応じた案内を提供する機能です(車、徒歩、公共交通など)。訪問計画の作成
複数の訪問先を設定し、効率的な順番やルートを計画する機能です。ピンを指す
地図上の特定の場所にピンを立てて、記録やメモとして保存する機能です。色分け
地域やルートなどを色分けし、視覚的に分かりやすく情報を整理する機能です。地図アプリ上に情報を表示
交通情報、天気情報、周辺施設の情報などを地図上に重ねて表示する機能です。
2.デジタル地図アプリの選び方
デジタル地図アプリを選ぶ着眼点
適切なデジタル地図アプリを選ぶには、利用レベル、用途、利用環境、予算などを考慮する必要があります。
ⅰ 個人利用におすすめなデジタル地図アプリ
個人でデジタル地図アプリを利用する場合、スマートフォンでの操作を前提としたもの、また、無料のものから選ぶと良いでしょう。
アプリの例
Google Map(公式サイト)
Mapionマピオン(公式サイト)
ⅱ 法人のライトユーザー向けデジタル地図アプリ
法人での利用でも、あまり込み入った機能が必要ないかもしれません。その場合は、あらかじめ用途が想定されていて、機能は限定的な分、安価でおさまるパッケージソフトウェアのご利用が最適です。
パッケージソフトウェアの例
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ⅲ 法人でビジネスアプリケーションとの連携地図アプリを探している方
いくつかのビジネスアプリケーション、業務支援ツールをすでにお使いであれば、それと相性よく連携するデジタル地図アプリがあるかもしれません。以下に一例を挙げます。
kintoneとの連携地図アプリ:カンタンマップなど
(参考記事:【地図プラグイン7選】キントーン(kintone)で地図を表示したいときに使えるプラグイン)Googleworkspaceとの連携地図アプリ
GooglemapまたはGoogleマイマップというサービスもあります
(参考記事:【動画あり】Googleマイマップ業務利用完全ガイド)
ⅳ 法人で汎用的な地図ツールを開発したい方
法人で地図ツールを開発する上では、オープンソースを利用する、有償のプラットフォームを利用する、またはSDKを利用する方法があります。
例えば以下のような背景地図を複数重ねて使ったりすることもできます。
QGIS
(参考記事:やさしくわかるQGIS|デジタル地図システムオープンソースQGISでは何ができる?)MANDARA
(参考記事:【入門】デジタル地図のMANDARA|無料の地理情報分析支援システム)MQD
いりやまが所属するマップクエストが提供するSDKです
ⅴ 法人で本格的なジオテックを使った開発をしたい方
本格的なジオテック(AIやビッグデータ活用など)を使った開発をする場合、選択肢はある程度限られます。
ArcGIS(公式サイト)
MQD
いりやまが所属するマップクエストが提供するSDKです
(参考記事:GIS×AIで、624時間の業務を削減!)
3.ビジネスでのデジタル地図アプリ活用パターン
ビジネスでのデジタル地図アプリの活用においては、社内利用か、製品に組み込んで顧客に提供、公共ツールをして公開というパターンに分かれます。
ⅰ 自社の業務だけで使うデジタル地図アプリ
営業エリアの可視化や、配送ルートの最適化に利用します。デジタル地図はいろいろな業務で効率性を高めてくれます。
(参考記事:【営業ルート効率化】デジタル地図を活用して、より生産性の高いルート作成をしよう)
ⅱ 自社製品として開発し、顧客に提供するデジタル地図アプリ
自社が顧客に提供するソフトウェアにデジタル地図を組み込むというパターンです。パッケージソフトウェアを開発する場合と、受託開発で使う場合があります。
ⅲ 公共ツールとして開発し、不特定多数の人が使えるデジタル地図アプリ
公共向けのツールを開発します。不特定の多数の人がアクセスでき、口コミなどを投稿して、エリアの暮らしを便利にするものや、ハザードマップの提供、危険区域のアナウンスなど暮らしを守るものまで様々です。
いりやまも、獣害対策ソフトを自治体と開発したりしています。
4.業種別デジタル地図アプリの活用方法
業種によって、どのような使い方をするかは異なってきます。以下に、業界別の業務に対応したデジタル地図アプリの活用方法の一例を紹介します。
建設業界(参考記事:建設業におけるGIS(デジタル地図)活用8選)
インフラ業界(参考記事:GIS×インフラ点検まとめ;活用法9選)
介護業界(参考記事:介護×GISまとめ;活用法7選)
5.デジタル地図アプリ導入の流れ
デジタル地図アプリ導入に当たっては、事前によく計画しておくことが重要です。
デジタル地図アプリ導入ステップ
目的の明確化: 何を達成したいのかを定める。
適切なツールの選定: 個人向け、法人向け、専門的なツールなどを比較。
開発またはカスタマイズ: 必要に応じて独自の機能を追加。
テストと導入: 操作性や精度を確認し、導入後のサポートを準備。
6.デジタル地図を開発するには
‐デジタル地図アプリ開発のステップ
基本設計: ユーザーのニーズに基づき、どのような機能を持たせるかを設計。
データの収集と整理:地図上に表現したいデータを収集・整理します
背景地図データの検討: 無償のものから有償のものまで、背景地図データを検討します(⇒こちらに使える背景地図の一覧があります)
アプリケーション開発: 地図の描画やインタラクション機能を実装。
テスト: 動作の確認や、ユーザーからのフィードバックを受けて改良。
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