【2024年版】GIS(地理情報システム)の背景地図データ515パターン
GIS芸人のいりやまです。
GIS開発においては、どの背景地図データ(ベースマップ)を使うか?は、わりと頭の痛い問題です。そこで「どんな背景地図データがあるのか?」を簡単に分類してまとめてみました。
あなたのお役に立てると嬉しいです。
目次
|背景地図とは
|背景地図データの一覧
国土地理院データ
国土数値情報【国土(水・土地)】水域
国土数値情報【国土(水・土地)】地形
国土数値情報【国土(水・土地)】土地利用
国土数値情報【国土(水・土地)】地価
国土数値情報【政策区域】行政地域
国土数値情報【政策区域】大都市圏・条件不利地域
国土数値情報【政策区域】災害・防災
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|背景地図とは
GIS(地理情報システム)で使う背景地図とは、地図の基盤となる地図データのことです。背景地図は、GISで表示する空間情報と結びつけて、地図を見やすくしたり、空間分析をするために大切なものです。
背景地図は、GISで使う空間情報の正確な位置や広がりを知るためにも大切です。例えば、地図上で街区の形状や位置が実際の場所と違うと、正確な解析や意思決定ができなくなります。背景地図を正確かつ適切に選ぶことで、GISでの空間情報の精度と信頼性が高まり、正確な空間解析ができるようになります。
|背景地図データの一覧
国土地理院データ
まずはスタンダードな「国土地理院データ」からご紹介します。
国土地理院では、国土の様子を「地形図、写真、標高、地形分類、災害情報等」をウェブ地図で公開していたり、電子地図における位置の基準となる情報(基盤地図情報)を提供しています。位置の基準となる地図を背景にすれば、あなたのGISは、精度の高い地図データを使うことができ、さまざまなユーザーニーズに応えられるでしょう。
国土数値情報【国土(水・土地)】水域
国土数値情報は、国土交通省が提供するGISデータです。国土計画の策定や実施の支援のために整備されたもので、行政区域、鉄道、道路、河川、地価公示、土地利用メッシュ、公共施設など、国土に関する様々な情報が整備されています。
行政等での重要な考え方である流域圏、環境問題を考えるうえで等の水に関わる基礎データがまとめられています。
国土数値情報【国土(水・土地)】地形
等高線によるデータです。
1辺の長さ約1kmや250mのメッシュごとに標高や傾斜度等がまとめられています。
国土数値情報【国土(水・土地)】土地利用
1辺の長さ約1kmや250mのメッシュごとに農地/森林/建物用地等の状況をまとめらています。
森林や農業についての行政との関り等を表示する際にご利用ください。
国土数値情報【国土(水・土地)】地価
不動産の鑑定評価や公共事業用地の取得価格算定、土地の相続評価および固定資産税評価の際に重要な地価公示価格が取得できます。
国土数値情報【政策区域】行政地域
地方自治体が定めている基本的なデータとして「行政区域」「DID人口集中地区」「医療圏」等がまとめられています。
国土数値情報【政策区域】大都市圏・条件不利地域
自治体の指定されている状況(三大都市圏、過疎、半島、離島等に指定されている)などがまとまっています。
国土数値情報【政策区域】災害・防災
警戒区域や想定区域がまとめられています。
地域のハザードや事前復興(予め被災可能性を認識して復興に備えておくこと)にご利用ください。
国土数値情報【地域】施設
市区町村役場の位置やさまざまな公的施設等がまとめられています。
なお、原典資料や作成方法(原典表示)をみると【原典資料より取得した施設名称から、所在地情報のアドレスマッチングにより緯度経度座標を付与して点データを作成し、「数値地図25000(地図画像)」及び「基盤地図25000、2500」、自治体作成資料等より、位置の確認と各施設の中心付近位置の取得、属性情報の付与を行い整備した。】といった具合にデータづくりの苦労が垣間見れて興味深いです。
国土数値情報【地域】地域資源・観光
観光資源に関するデータがまとまっています。
原典資料に「(財)日本交通公社 観光資源評価委員会「観光資源台帳」」や「(株)旅行出版社「宿泊施設データ」」等が利用されています。
国土数値情報【地域】自然保全
公園や保護、鳥獣保護といった自然についてまとまっています。
国土数値情報【交通】交通
道路、バスや鉄道等の交通に関するデータがまとめられています。
時系列では過去の交通網が見られたり、乗降客数や流通量等はリアルにモノがあるという情報だけではなく、どのように利用されているかが分かります。
国土数値情報【交通】パーソントリップ・交通変動量
国勢調査や経済センサスではわからないヒトやモノやモノの動きのデータです。
国土数値情報【各種統計】
総務省統計局 境界データ
総務省統計局からは国勢調査の結果のデータが取得できます。
過去のデータからコーホート要因法にて将来予測にも使えます。
なお、統計調査/国勢調査、事業所に関する統計調査/経済センサス・事業所企業統計調査、農林業に関する統計調査/農林業センサスについては、境界データと統計データが別々に提供されてます。
総務省統計局 統計データ
境界データに対応する統計データが表形式でまとめられています。キー情報で前述の境界データと紐づけるとGISで可視化ができます。
デジタル庁
2023年1月に「登記所備付地図」の電子データが法務省から無償公開されました(地理空間情報のデータ流通支援プラットフォーム「G空間情報センター」からダウンロード可能)。
不動産登記の際に付与される“地番”情報を持つ地図データです。
※公開される地図データは、令和4年1月〜2月までの情報。
ゼンリン ベースマップ
いわゆる住宅地図です。
※TownⅡは表札付きの市区町村単位で購入する地図、AreaⅡはもっと広範囲で地図を使いたいときに、表札なしですが地方ブロック単位で購入できる地図です。
ゼンリン GISコンテンツ
ゼンリンベースマップをさらに強化するための目的別のデータです。住宅地図を作ってきた同社独自の収集データや地方自治体の公開データ等を使って整理されたGISコンテンツが提供されています。
ゼンリン ゼンリンGISコンテンツ
こちらもゼンリンベースマップをさらに強力な地図コンテンツとするために有用なリッチな目的別のデータです。
ゼンリン エリア統計データ
こちらもゼンリンベースマップをさらに強力な地図コンテンツとするために有用なリッチな目的別のデータです。
国際航業 地図データベース
特に河川・海岸線、鉄道、市区町村界、国土交通省の交通量調査データなど、利用者の多様なニーズに応える独自の視点で厳選された道路地形データベースです。
※同社のGIS製品だけではなく、汎用的なGISでも使える地図データベースです。
国際航業 ポイントデータベース
避難所や学校といった公的施設のほかに、介護サービス事業者、歯科医院や介護施設等を利用者の多様なニーズに応える独自の視点で整理されています。
※同社のGIS製品だけではなく、汎用的なGISでも使える地図データベースです。
国際航業 統計データベース
Wi-Fiプローブデータによる人流計測とWi-Fi人口統計データを組み合わせ、人口の属性(性別・年代)、推定居住地等を推定された統計データです。調査期間のラグ(例えば国勢調査は5年ごと等)を補完する人口データもあります。
NTTインフラネット
高品質な基盤地図情報、目標物や住所など地理空間情報が充実しています。更新頻度が高いのが特徴です。
※同社のGIS製品だけではなく、汎用的なGISでも使える地図データベースです。
マップル
道路地図帳「スーパーマップル」に使われる地図の基盤データです。
独自の注記など細部までこだわった見やすさと使いやすさに寄与する豊富な情報量が特長です。
※汎用的なGISで使える地図データベースです。
ESRIジャパン
背景地図や統計地図や推計地図等の必要なデータをまとめて、すぐに入手することができます。
※同社のGISに限定して利用できます(独自形式)。
ジオテクノロジーズ
カーナビやWebサービスで高い信頼と実績を持つデジタル地図MapFanの基盤地図データです。カーナビデータにも使われるため交通系コンテンツが豊富なこと、年に12回更新されることが特徴です。
GoogleのサービスやソリューションをMapと連携させて使います。
OpenStreetMap
地図づくりをマッパーと呼ばれる人たちの活動によって支えられている誰でも自由に使える地図です。利用費不要で、目的の制限もないため、さまざまなGISの背景地図に活用できます。
ESRIジャパン
ESRIジャパンは、地理情報システム(GIS)の分野で世界的なリーダー企業である米国ESRI社の日本法人です。主力製品である「ArcGIS」は、空間データの収集、管理、分析、可視化を行うための高度なツールであり、政府機関、地方自治体、企業など幅広いユーザーに利用されています。ESRIジャパンは、住居レベルの住所データ、都市地図パック、土地利用データなど、さまざまな空間データを提供しており、これらのデータはウェブ経由でアクセスでき、オフラインでの利用も可能です。加えて、ArcGISの強力な機能により、ユーザーは3D地図作成や複雑なデータ分析を容易に行うことができ、都市計画や災害対策、マーケティング分野で非常に有効です。
株式会社パスコ
株式会社パスコは、空間情報サービスを提供するリーディングカンパニーで、航空測量や衛星画像、リモートセンシング技術を活用して日本国内外で幅広いサービスを展開しています。パスコは、精度の高い1/25000および1/2500スケールの地図データや行政界ポリゴンデータなど、詳細な地理情報を提供しており、これらはインフラ整備や建設プロジェクト、公共政策の策定に活用されています。さらに、災害時の迅速な状況把握や、地域計画の策定などにも役立ちます。
地図センター
地図センターは、日本国内の地図情報を提供する公的な役割を担う専門機関であり、国土地理院や他の公的機関と連携して地図や地形図を提供しています。国土地理院が作成する1/25000や1/50000のスケールの詳細な地形図は、主に自治体や建設業界、学術機関によって利用されており、都市計画や防災、学術研究に役立っています。災害時には、最新の地形データを基にした詳細な地形情報が災害対応に大きく貢献しています。
株式会社ウェザーニューズ
ウェザーニューズは、日本国内で最大級の気象情報提供企業であり、リアルタイムでの詳細な気象データを提供しています。同社のデータは、旅行やイベントの天候確認、農業や漁業などの産業分野、さらには災害予防など、幅広い場面で利用されています。特に、1Kmメッシュのピンポイント予報や体感予報は、利用者が地域ごとの天気情報を精度高く把握できる点で非常に評価されています。
G-Space
G-Spaceは、日本国内の地質データに特化した企業であり、特に土質試験やボーリングデータ、N値深度分布図など、地下構造に関する詳細な情報を提供しています。これらのデータは、建設業や防災対策において非常に重要な役割を果たしており、地震リスク評価や建築プロジェクトの基礎調査に欠かせない情報源となっています。
|まとめ
このように、GIS開発において活用できる背景データは多岐にわたります。どのような用途かを考え、適切なものをお選びください。
こちらのデータについて、無償版か有償版か、DL版かクラウド版か商用利用は可能か?などを、いりやまが所属しているマップクエストにてまとめておりますので、よろしければこちらより入手してみてください。