Vol.28 林祐真(はやし ゆうま)
ベスト体重に絞り 後期にこそ真価発揮
内野手 背番号4 /2年目
身体づくりから!
カメラの前に立つ彼の身体は、胸筋が発達した逆三角形をしていた。体重84㎏、シーズン前の90㎏からぎゅっと絞り込まれていた。昨年末、シーズンに入ると体重が落ちることを見越し意識的に増やしたが「冬場に一気に体重を増やしたことに身体が馴染んでいなかった」。そこで、「少し絞って動きにキレを出そうと考えたのです」。迫力を残しつつ、引き締まった体躯はその結果だった。
投手から野手へ
昨年6月、大学を辞め、シーズン途中に投手として入団した。自信を持ちマウンドに立ったはずだったが、「それまでの実績が通用しませんでした」。
公式戦は先発1試合を含む計7試合に登板し、0勝1敗防御率8.31で、思い描いていた投球ができなかった。高校時代と比べ独立リーグは試合数が多く、観客の視線を一身に浴びながら投球することのプレッシャーも拭えなかった。そのため、首脳陣は彼を野手にコンバートし、後期半ばから内野手として出場させた。「もともと野手もしていたので、抵抗はありませんでした」。
8月後半から15試合に出場し打率.298、出塁率はチームで1、2を争う.340を記録した。「野手として無心でプレーしたのがよかったのかもしれませんが、相応の手応えがありました」。
後期シーズンこそは…
2年目の今年、「野手としてさらにレベルを上げたい」と臨んだ。大きな課題に据えたのが身体づくり。「周りの選手と比べても僕は身体が小さいので、パワーを高めるためウェイトトレーニングを増やして大きくしようとしました」。シーズンオフの体重増にはそんな狙いがあった。
その後、走り込みとハードな練習を徹底し、ベストの体重に整えた。しかし、前期は14試合に出場し、計28打席で放ったヒットはわずか2本。その結果については、辛く悔しい思いをしているに違いない。
だが、前期については多くを語らず、原因についても「コンディション不足」と言うのに止める。悔しさを押し殺しながら「後期はスタメンで試合に出て、チームが勝てるようなバッティングをしていけば、良い結果に繋がっていくと思います。後期こそは、僕がいたから勝ったという試合をしたいです」。
甘えることなく、自立した野球選手に
入団当初は実家住まいだったが、昨シーズンが終わり球団寮に入った。しかし、シーズン開幕直前に退寮し、現在はひとり住まいをしている。「(寮を出たのは)コロナ禍という理由もありますが、僕は昔から自立心が強かったのです。そこでいいタイミングだと思い、ひとりで頑張ろうと思いました」。
野球選手としてだけでなく、一社会人としても、自立の真価が問われる2年目の夏を迎えている。