先発の軸としてローテ守る!新たな〝ピダ像〟も模索!
VOL21 投手 ピダ―ソン和紀(―かずき)背番号16 2年目(2024シーズン副キャプテン)
入団1年目の昨年、栄えある開幕投手を担った。そして、1年後の3月30日、彼は2年続けて開幕投手を務め、香川OG相手に5イニングを無失点に抑え、見事勝利投手になった。その後も先発ローテーションの柱を献身的に担っており、今後のチーム浮上のカギを握る軸として期待されている。
オフはストイックに体苛め抜く
彼は1年目、14試合に登板し4勝3敗・防御率2.55・奪三振59(奪三振率8.55)・与四球44の成績を残した。「無我夢中でした」と振り返る1年目、防御率はリーグ上位に位置し、延べ258人の打者と対戦して打たれた本塁打はゼロで、右のエースとして活躍した。その1年目終了後、彼は宇和島近郊の山間部でユズ収穫のアルバイトに励みながら同市内のジムでトレーニングに汗をかいた。その後は故郷の熊本に戻り、ストレングスや体の機能性向上のためのトレーニングの他、「体の中の脂肪と筋肉量を入れ替えるようなかなりハードなトレーニング」も行った。このオフはストイックに身体を鍛え、万全を期して2年目を迎えたのだった。
今季は5月26日現在、8試合に登板し1勝4敗で防御率6.86、奪三振18(奪三振率3.98)・与四球16。「今の段階で自分の成績は気にしていません」としながらも「調子は昨年の状態に戻っていない」のも事実で、5月26日のソフトバンク3軍戦(坊っちゃんスタジアム)では4回に集中安打を浴び6点を献上した。
新しいピッチングスタイルも
彼は今季、「昨年のような勢い重視のピッチングじゃなくて、いわば力感を取り除くフォームを心掛けている」という。それには全体的なフォームのバランスや腕の位置の微妙な高低、投げる際の力の入れるタイミングなど様々な要素があり、いたって繊細なもの。その結果、コントロールは良化し与四球は落ちついているが、ボールの強さやスピードは彼本来のそれとは言い難く、球速は昨年記録した最速152㌔に届いてはいない。ただ、「改善点や課題は分かっており、直していけば球速も上がります。いずれも感覚的な部分なので自分で掴むのが一番です」とピダ選手。勝ちには結びつかなかったが、5月18日の香川OG戦(坊っちゃん)は6イニングを投げて被安打4、26日のソフトバンク戦も3回までは零封するなど、改善の兆しが見て取れた。また、「2年目になると相手チームも研究してくるので、ツーシームやスプリット系のボールを昨年より増やしています」としていて、新たなピダーソン像も模索している。
前期終了から後期開始までの6月10日~同28日、公式戦は中断され、パイレーツはミニキャンプ的な練習に励む。彼はその間のトレーニングをことさら重視しており、「自分自身としてどう取り組むかというプランは既に作っています。前期ダメだった点や体の動きなどを確認し、課題は1つ1つつぶしていきます」と力説。後期のチーム浮上は彼の復調なくしては考えられず、「今秋のドラフト指名実現」も必達の目標に据えている。