NPB目指し大学を中退して入団!気持ち前面に「完全燃焼するぞ!」
VOL36 投手 今福孝介(いまふく・こうすけ)背番号56・新入団
パイレーツにこのほど、2人の新入団選手が加わった。その1人がキレのある速球に豊富な変化球を織り交ぜ勝負する左腕の今福選手で、NPB入りを果たそうと大学を中退して入団した。
中学時代は国際大会で活躍
名古屋市出身の今福選手は、小学4年から硬式野球を始め、投手として活躍した。中学時代は台湾・台北市で開かれた野球の国際大会に東海地区選抜約20人のメンバーとして参加し、先発を何度もこなしてチームを準優勝に導いた。そんな華々しい実績を引っ提げ、高校は名門・愛工大名電に進んだ。そこで同級生のチームメイトだったのが、現パイレーツの投手・山田空暉選手だった。「ともにNPBを目指す」間柄で「空暉とはよく遊んだし、仲が良かったですよ」と笑う。だが、今福選手は2年生の時に肩を故障する。手術を要するような深刻なものではなかったが、3ヵ月間投球を控えることになった。そのため彼は投手としての役目を徐々に後退させていき、ベスト8に進んだ高3夏の甲子園も野手としての代打出場だった。高校時代は「不完全燃焼」で終わった。
同校卒後、山田選手はパイレーツに活躍の場を求め、今福選手は日本経大に進学し投手として再起を図った。肩にはもはや違和感などなかったが、NPB入りを熱望する彼にとり、大学での野球は決して満足できるものではなかった。「もっと高いレベルで野球がしたい」、彼は思い切って1学年終了後に大学を中退し、大学関係者等と相談したうえで独立リーグの門を叩いた。因みに昨年12月、名電野球部のOBが集まり食事会を行い山田選手も出席していたが、「その時は自分がパイレーツに入団するとは思ってもいなかった」とし、2人が同じ四国のチームで再会することになろうとは想像だにしていなかったという。
打者が差し込まれるピッチングを
左のスリークォーターに近いオーバースローで、先発を希望している。持ち球はMAX143㌔のストレートとカーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークで、それらを組み立てて躍動感を生み出す。「身長が余りなくて球に角度を出しづらいので、球のキレと強さを生かし、打者が(投手の)体が小さい割に差し込まれると思わせるピッチング」を目指していて、「打者に向かっていく気持ちを大事にする」のがモットー。目前の課題として「MAX150㌔」と「コントロール向上にも力を入れていく」構えだ。
先に入団し活躍する山田選手を指し「相変わらずいいピッチングをしていますね。マウンド上でのふてぶてしさも高校時代と変わりません」と評する。その言葉には同じ投手としてライバル心も強く覗く。NPBの規約から大学中退に伴う入団により今年はドラフト対象外となり、「指名は来年以降となりますが、ぜひとも実現したいです」と今福選手。「先発しているチームの諸先輩のピッチングを見てもアベレージの球速が速いし、試合をきちんと作っています。僕も先発として試合を任せて貰え、0点に抑えてベンチに戻っ
てくる、そんな投手に1日でも早くなりたいです」と、性格そのもののように、実直にして快活に話した。