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上海ロックダウンにおける”格差”のなぜ?

上海在住の週末撮影師太郎です

今日は4月30日。
3月28日から上海浦東、4月1日から上海浦西と、上海市全域がロックダウンとなってから1ヶ月以上が過ぎたことになるが、実際には3月初旬から陽性者が増加しており、陽性者がでた小区単位でミニ封鎖などありもあり、その頃から現在まで封鎖生活を強いられている人達も多い。

上海ロックダウンで起きている様子は、日本のテレビ、ニュース、インターネットでも報じられているし、SNSでは上海に住んでいる人達がそれぞれの状況を掲載しているし、かなり過激な出来事も含まれている。

その中で目立つのは”格差”
どんな格差があるかな、かなり報道されていると思うが、
なぜ格差が生まれるのか? 

約2500万人が暮らす上海市の行政区分によるところが多いようにみえる。

上海市行政区分は、区ー街道(及び镇/乡)ー居委会(及び村委会)ー小区と大別

区:日本のxxx区と類似。2020年12月31日のデータでは、
  上海市には16区あり、例えば黄埔区,徐汇区,长宁区など
  住所に記入することから誰にも馴染みがある区分だと思います。
街道(及び镇/乡):区に属する。日本のxxx町やxxx村と類似。 
  上海市には107の街道,106の镇,2の乡がある
居委会:日本の自治会(町内会)と類似
  上海市には4563の居委会,1562の村委会がある
小区:日本のxxxマンション、団地、戸建など最小ユニットに類似
  上海市には約13000の小区がある
  ちなみに小区と言っても、戸数は数十戸〜数千戸と規模が異なる。

日常生活を送っている場合、自分の住んでいるところが”xxx区”かは住所に記載しているのでわかるし、”小区”という最小ユニットも認識はしている。
しかし街道や居委会は住所にも記載しないことが多く、あまり意識していなかった。

これがコロナ禍になって様々な施策が始まってから一変。
全てはこの行政区分を理解していないと、なぜ自分の小区は?こんな状況なの?他と違うの?と認識させられる毎日。
要するに上海市が公布する管理施策・ガイドラインよりも、末端の管理施策・ガイドラインが自分の生活に直結・影響を及ぼすことになる。

例えば、
4月11日に上海市政府が”3区分措置”という段階的封鎖解除ガイドラインとリストを公布した。

3区分措置とは?
封控区:陽性者が発見された小区で封鎖エリア。引き続き14日間PCR検査以外、家から出てはいけない。
管控区:過去7日間陽性者が発見されていない小区で、7日間封鎖→7日間小区内の散歩などが可能。その後陽性者がいなければ防范区に。
防范区:過去14日間陽性者が発見されていない小区で、所属する街道内の移動が可能。
と、この公布をみて、自分が属する小区がどの区分か分かれば、おおよその封鎖解除日時を予測することができた。特に管封区/防范区の小区の住民はあと何日で封鎖が解除され、街道内という制限はあるものの外出できると期待した。
が、実際そう簡単ではなかった。
なぜなら最終的な管理運営は末端の居委会および”小区”毎に異なっており、防范区になっても外出禁止・家から出ない封鎖管理を継続しているところが多い。理由の一人として、継続されるPCR検査で陽性者が一人でも発見されると防范区・管控区であっても一律封控区に戻るルール。小区内の戸数もそれぞれ異なる中、封控区,管控区,防范区における陽性者の発生率は変わるが、”一人でも陽性者が出たら・・・”とどうしても末端管理は厳しくなる。

4月29日ロイター通信が”上海市、1200万人超が外出可能に コロナ感染リスク低下”を報じているがこれは”防范区“に該当する住民の数であり、実際に外出可能か?可能じゃないか?は、これは上述のとおり末端の居委会および”小区”の管理方針次第。実際に外出可能な人数は限られているのが実態。

誰もが、日に日に防范区が増え、点と点、線と線、面と面と徐々に封鎖解除が広がり、外出する人達が増え、復興を進んでいくことを期待していたが、1ヶ月たって今でも、防范区という”点”がいつ封控区に振り出しに戻るかわからない状況が続いている。この状況を多くの人が双六に例えている。

このような末端の管理・運営は封鎖生活にも影響し、格差を生んでいる。
ニュースやSNSなどではこのような格差の情報の方が多いと思う。
1)食料・日用品などの配給物資の格差
  (頻繁且つ内容も充実している〜ほとんどない・内容も酷い)
2)団体購入・個人購入の格差
  (様々な団体・個人購入が認められている〜一律禁止)
3)PCR検査や抗原検査の格差
  (ほぼ毎日実施〜少ない頻度)
なども小区単位で異なっている。

ちなみに小区と言っても、戸数は数十戸〜数千戸と規模が異なる。

団体購入が認められていても、戸数が少ない小区は最小発注数に満たせず購入できないとか、戸数が多い小区は先着順や抽選でしか購入できないとかの格差も。

先の封控区,管控区,防范区における陽性者の発生率も小区の戸数で変わるだろうし、規模が異なっても一人でも陽性者が出れば一律”封控区”になる格差も。

このような管理運営の格差、封鎖生活の格差が上述の13000小区毎に発生しているとすれば、簡単には是正できない。

果たして双六のゴールの明確な条件は?

上海市全域のロックダウン解除がいつなのか?

がみんな一番知りたいこと。


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