コロナが押上げた物価
声優の鬼頭明里(きとう あかり)さんが10日、9月からのライブツアーのチケット値上げを発表。
新型コロナウイルスの感染防止へ入場者を絞るため予算との見合いで値上げに踏み切った。
新型コロナは経済全体で見た需要の低迷による物価下落につながるとの見方が多いが需要があるところでは値上げの動きも見られているのは見逃せない。
このライブチケットは当初6800円を計画していたが、
販売直前に8割近く高い12000円に値上げ。
ホームページでは「政府のコロナ禍におけるイベント開催の収容可能人数の制限にのっとり、開催予算の都合のため」と説明している。
政府が示すイベント開催制限の段階的緩和はの目安によると8月以降でも屋内のゲントの収容率を50%以内に抑えるよう示している。
観客を半分に抑えるのに価格を据え置けば、収益減は目に見えている。
三井住友 DS アセットマネジメントのチーフエコノミストは「赤字になるくらいなら需要があれば値上げするのは当然の判断」と指摘する。
第一生命経済研究所の主任エコノミストは「野球などのスポーツイベントでもチケット値上げの動きが出てくる可能性がある」と見る。
感染抑制に成功しているとされる台湾で日本などに先行して開幕したプロ野球では観客数を制限している。19日開幕の日本のプロ野球は当面は無観客だが制限を設けた上で観客動員が始まればチケット価格に跳ね返ってくるかもしれない。コロナ禍ではオンラインでのライブ開催が広がった。それでも同じ場所で楽しみを共有したいのは人間の欲求。消えない需要があれば新型コロナは物価の押し上げ要因にもなる。