資格試験複数を隔週で受けた話(基本情報技術者試験・色彩検定1級・VR技術者認定試験)
ここ2ヶ月ほど、資格試験に追われていた忙しい日々の記録になります。この3つの試験を同時に受けるような人はそうそういないと思いますが、意外と2つ同時はいる気配を感じたので、そういう人向けに勉強方法の参考にもなれば……?という感じです。
* 勉強時間が圧倒的に足りていないので、全て真似するのは非推奨です。
* 本来であれば複数の記事に分けるべき内容を1つにまとめているため、文量が大変多くなっています。適宜読み飛ばしていただいて構いません。
0. 自己紹介
慶應義塾大学環境情報学部の3年生で、サークル・研究室ともにVRについて取り組んでいます。今回の資格試験はどれも私自身の興味があり、あと副産物的に研究や創作などに活かせればと思い、受験することにしました。
Twitterとホームページは以下になります。
Twitter:@MapleChan_s3
1. 各資格試験について紹介
この記事で扱う3つの資格試験について、全て知っている人はほとんどいないと思うので、最初に紹介します。
a. 基本情報技術者試験
経済産業省による国家試験で、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が試験事務を行う、情報処理技術者試験の1つです。(略称:基本情報、FE)
基本情報技術者試験はITエンジニアの登竜門に位置づけられ、情報系の学生もしくは新卒エンジニア職の方が最初にとるべき資格の1つとされます。この資格を持っていれば、エンジニア職として生きていく上で必要最低限の知識を有している証明になるという感じです。
(それよりも上位の資格が、下図中央、基本情報技術者試験の上に書かれているものたちにになります。)
上図で、ITパスポート試験は聞いたことがある方も多いかもしれません。こちらは、エンジニア職に限らず…というよりもITを利用する側の全ての社会人が身につけておくべきとされる、情報技術に関する試験になります。基本情報技術者試験と重複する内容も多いですが、プログラミング言語で実際にカタカタするみたいな専門的な分野は省かれており、逆にエンジニアにお仕事を依頼する際にどういうことに気をつけるべきかみたいな内容があったりします。
ちなみにこのITパスポート試験については、私は今年の3月に受験し、4月に合格しています。
b. 色彩検定1級
公益社団法人色彩検定協会(AFT)が、文部科学省後援で実施する民間資格試験です。色についての知識や配色技法、専門分野における色の利用方法について問う試験になります。
1級、2級、3級とUC級の4つがあり、公式サイトの紹介では下図のようになっています。
私は3級を2020年度夏期に、2級を2021年度冬期に、UC級を2022年度夏期に受験し、全て合格しました。
全級受けた私のイメージとしては、
1級1次:色の測定方法など、色に関する周辺分野の内容が多い印象
1級2次:1-3級の全ての内容を理解した前提での実技試験
2級・3級:メインで扱う表色系(色を表記する方法:PCCSかマンセル表色系)の違いはあるが、色や配色に関する幅広い基本的知識を扱う
UC級:生まれつきや高齢化等により特定の色の判別が難しい人が一定数いる中で、その医学的理由と、どのような配色がより良いかを扱う
上述の通りで、とにかく色に興味がある人は2級と3級だけ、色のユニバーサルデザインについての知識も身につけたい人はUC級も、色について周辺分野をどうしても詳しく知りたい人やテキスト暗記しただけではなくてちゃんと配色技術に関して実技ができるほど身についているよという証明をどうしてもしたい人は1級まで受けた方がいいかなと思いました。
後述しますが、1級(とくに2次試験)はとにかく難しい……というか、覚える量が多いのに、試験に関する情報が少なく、演習がしづらい、勉強法が分からないなどで大変です。(分野が異なるので安易に比較するのは良くないのですが)求められている知識量やスキル的には基本情報技術者試験の方が難しいはずなのに、色彩検定1級の2次試験の方がとてつもなく難しく感じてしまうほどです。(下ツイート参照)
(あと1級1次はあまり色や配色についてメインに学習する感じではないからというのもあるのですが、)以上のことから、色に興味があって色彩検定を受けてみたいっていう人に、2級・3級(場合によってはUC級も)はおすすめするけれど、1級はどうしても受けたいという感じでなければ止めた方がいいかもと思いました。
少し余談で、あまり身近で色彩検定を受けている人が少なくて心細い思いをしていたのですが、私が所属しているのとは別の、知覚・感覚について扱う研究室(VRについても知覚系からたまに扱う)に実験協力のため被験者としてお邪魔した際、色彩検定や後述するVR技術者認定試験について受けた/受けたいについて話題になり、やはりそちらでも色彩検定1級はとても難しいという話になりました。
ちなみに各級の問題(ごく一部)は以下から見ることができます。
c. VR技術者認定試験
日本バーチャルリアリティ学会が主催する、バーチャルリアリティ技術者認定試験のことです。学問分野におけるVRについてまとめた教科書である「バーチャルリアリティ学」をベースに、教科書前半より出題される「セオリーコース」と、教科書後半より出題される「アプリケーションコース」に分かれています。いずれかのコースに合格すると「バーチャルリアリティ技術者」が、両方のコースに合格すると「上級バーチャルリアリティ技術者」が名乗れるようになります。(略称:VR技術者認定試験)
日本語名称は"技術者"ですが、英語名称は"Engineer"(訳: 技術者, 工学者)から"Specialist"(訳: 専門家)に数年前に改められており、試験内容の印象としてもそちらの方が近いかと思います。(「VR技術者」=「VRについて関連する人間の知覚や必要な技術、歴史や今後の利用について知っている」であって、「VR技術者」=「VRでなにか作れる / VRデバイスが作れる」ではない)
「セオリーコース」は、VR(人工現実感)を再現するためにそもそも知っておくべき人間の知覚についてや、人の動きをどう認識して仮想空間に持ち込むか、VR空間でのモデリングやシミュレーションをどのように行うかといった内容がメインで、医学要素が多めの工学といった感じになります。一方、「アプリケーションコース」は、(広義の)VRを用いて何ができるか(ARやテレイグジスタンス、医療分野での利用など)を広く扱っており、工学がメインとなっています。VRについて研究や仕事、趣味で扱っている/興味があるのでVR技術者認定試験を受けてみたいがどちらのコースか悩んでいるみたいな場合には、各人によって該当する分野が異なるので、とにかく一度教科書を読んでみることをおすすめします。
私は「アプリケーションコース」を昨年12月に受験し、今年1月に合格しました。「セオリーコース」は今年7月に受ける予定だったのですが、申込開始から数時間でまさかの枠が全て埋まってしまい、今年の12月に臨時で開催されることになったので、そちらで受けることになりました。(下ツイート参照。おそらく"メタバース"というワードに注目が集まったことで、VRについて興味のある人が増えたことが原因だと思います。CBT移行前の基本情報技術者試験は起床が0次試験とネタで言われていたそうですが、今回のことがあって、VR技術者試験は申し込みの0次試験が1番難しいなどと言われてしまう状態でした。)
2. 資格試験複数を隔週で受けることになった経緯
私は同時並行で物事を進めるのが苦手なので、大学やサークル、バイト等の兼ね合いから、資格試験の間隔はなるべく開けるようにしてきました。
こんな感じで十分余裕を持ったスケジュールを組んでいたはずが、ここでイレギュラーが2つ起きてしまいました。
先述の通り、VR技術者認定試験(セオリーコース)の申し込みが7月にできなかった(→後日、12月開催が決定する)
基本情報技術者試験の実施方式・試験内容が2023年度から大きく変わることになった(→易化もしくは難化する可能性があり、今までの評価軸で受けたいなら今年度がラストチャンスになった+ 来年度だと出題形式の変更から情報が少なく、対策が難しくなる可能性がある)
その結果、以下のような日程になってしまったのです……
3. [10/31] 基本情報技術者試験(午前)
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験に分かれます(2022年度まで)。午前試験と午後試験の違いは下表のとおりで、CBT形式以前の名残で "午前"・"午後"とついていますが、別日に受験が可能です。
すでにITパスポート試験を受けたことがあったので、午前試験の出題形式には(出題範囲・問題にも少なからず被りがあって)慣れており、多少勉強すればどうにかなるだろうという感じでしたが、午後試験は難しいという声が多く、また午前・午後を同日に受けると勉強時間が十分に確保できない可能性があると考えたので、別日で受けることにしました。
午後試験については、受験可能な期間(10/1~11/27)のなるべく最後の方にし、午前試験については、9月から10月中旬にかけて忙しく、しかし 11/13 には色彩検定1級1次があってそちらの勉強時間も確保したいことから、前後程よく期間が空いている 10/31 にしました。
ITパスポート試験を受験した際に参考書については、以下のサイトを参考に、「いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集」を購入して勉強していました。
(私が購入したのは令和3年度版・記事執筆時の最新は令和5年度版)
基本情報技術者試験(午前)の参考書については、上の参考書の執筆者がちょうど同シリーズの基本情報技術者試験版である「いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集」を刊行したとのことで、ITパスポート試験のときにとても勉強しやすかったこと、また同作者なので両方の試験でダブっている範囲は、読んだことがあるなと流し見ができて効率よく学習できそうということで、こちらを購入しました。
(私が購入したのは令和4年度版・記事執筆時の最新は令和5年度版)
実質、勉強時間は1週間ほどしかない感じでしたが参考書を読みつつ、2進数・16進数の計算(特に小数や負の数について)や論理演算(半加算器や全加算器についても)など自分が慣れていない分野についてはノートに軽くまとめることもやりました。
あとはITパスポート試験同様に過去問からの出題も多く、結局は問題に対して慣れることが重要なので、試験前の数日で過去問道場を使って数年分取りかかり、間違えたり不安だった場合には、その都度参考書を開いて確認するということをしていました。
CBT形式なので試験当日は、試験会場のパソコンのモニター画面に向き合って、マウスをポチポチしながら答えていく感じになります。A4のメモ用紙1枚とシャーペン1本が渡されますが、メモ用紙はスペースが足りないので机横のボタンを押してその都度呼び出すことになると思います(午後試験は特に)。私が受けたところでは、ボタンを押してから紙が欲しいですと言って実際にもらえるまでに十数秒かかることが多く、実際に余白が無い状態で待つのは時間がもったいないので、そろそろ紙が足りなくなりそうっていう段階で呼び出していました。あと、シャーペンは消しゴム付きのシャーペンでしたが、消しゴム部分の管理はしていないようでして、当日渡される消しゴム付きシャーペンにちゃんと消しゴムが入っているかは運次第なので、消しゴムは使えない想定で考えておいた方がいいと思います。(私は午前試験の時は消しゴムが入っておらず、午後試験の時は消しゴムが入ってた)
結果は受験終了から数十分後にメールが送られてきます(あくまで得点だけなので、一応合否ではない)。全体で6割以上が合格点ですので、まあどうにかなったかという感じでした。
4. [11/13] 色彩検定1級1次
先述の通り、色そのものというよりは色に関する周辺分野の内容が多く、(勉強前の知識量が少ないので)2級や3級よりは難しいですが、公式テキストを通読して、不安なところは自分でまとめて(今まで手書きでやってきたのですが、内容・単語が多く、色を使い分けてまとめる必要性が低かったので今回はWordを使って文書ファイルで数ページにまとめてました)、後は過去問をやるというやり方は今までと同じです。
私が1級1次対策で購入したのは以下の3冊になります。
過去問の得点は、2020年度が118/200点(合格点:140/200)で、さすがにこれはヤバいと間違えた問題を徹底的に確認し、2021年度が160/200点(合格点:140/200)だったので、あとはもう少し調整すれば大丈夫そうかなという状態に仕上げました。
試験後は私の誕生日祝いで、家族とジンギスカンに行きました。羊さんのお肉はおいしいです🐑
余談はさておき、1次試験の結果発表は 11/30 と受験日からしばらく時間が空きます。ただ色彩検定についてはどの級も、解答速報を試験終了から1時間ほどで発表してくださるサイトが2つあるので(1級2次は"カラボ色大学"さんのみ)、大まかな得点を把握することができます(配点が分からない+どうしても色を扱う問題なので、解答速報がサイトごとに数問ほど食い違うことがある)。
という感じで、1級1次は合格していました。
5. [11/24] 基本情報技術者試験(午後)
資格試験隔週チャレンジの山場その1です。大学が他キャンパスの学祭で1週間ほど休み(11/18~24)なので勉強時間がたくさん取れそうであり、午後試験に合格できるか不安ではあったものの、まあどうにかなるかな?なってほしいなという感じでした。受験日自体は、受験可能な期間の最終日(11/27)に持っていきたかったのですが、11/24夜・25・26にそれぞれ予定が入ってしまい、まあそれなら 11/24 で良いか……となった感じです。
基本情報技術者試験(全体)の参考書として売られている書籍(私が購入したものに限らず)は、メインの範囲としては午後試験もカバーしているが、選択問題はカバーできていないこと(カバーすると到底1冊で収まらなくなってしまうのでそこはまぁ……)、またそもそも午後試験の対策要素が少ないことから、午後試験は午後試験で別の参考書を買う必要性を感じていました。
参考までに、以下が午後試験の出題範囲と選択問題、配点等になります。
上の内容について詳しく説明すると、文量が多くなってしまうのでここでは省きます。(詳しくは、以下のサイトを見てみるといいかもです)
私の場合、問2~4の選択問題は、テクノロジ系から選ぶ予定だが、問題の難易度次第でストラテジ・マネジメント系からも選べるように、また問7~11については表計算を選択することにしました。
(Pythonはそこそこ扱ったことがあり、またできればC言語の学習を本試験の勉強経由でやってみたかったのですが、勉強時間が足りない中で中途半端にしか理解していない、高難易度の問題に化ける可能性があるものに手を出すことを危険に感じたこと、また表計算自体はExcelでいくつか関数を扱った表を作ったことがあったのでどうにかなりそうという経緯でこうなりました。)
結果として午後試験対策で購入した参考書は、以下の記事を参考にして、
下のテキスト4冊を購入しました。(結果としては、買いすぎた)
(補足:↑のテキストは新試験制度に対応した第3版が出ています)
(補足:↑のテキストも、来年度に向けて改訂が入ると思います)
勉強方法としては、知識事項で確認したいことがあれば適宜、午前試験対策で購入した「いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集」を用いつつ、疑似言語(アルゴリズム)の分野を除いて「情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[午後]」を一通りやり、疑似言語(アルゴリズム)については「情報処理教科書 基本情報技術者試験のアルゴリズム問題がちゃんと解ける本」をCHAPTER 1-4 まで、表計算については「基本情報技術者 表計算 とっておきの解法」を第1章から第5章までを取り組みました。残りはいつものごとく過去問道場を数年分です。
試験当日に、見落としている事項がないかの確認用に「基本情報技術者 試験によくでる問題集【午後】」を飛ばし読みはしましたが、こちらは過去問道場を取り組んだ上で、もうやることがないみたいにならない限りは買う必要がないかなと思いました。(ある程度経験がある人は、アルゴリズムの本も買わなくても良い気がします。表計算はExcelと異なり関数が独自の日本語表記名となっているので、参考書等で演習が必要かなと思いました。)
そんなこんなで不安だった基本情報技術者試験(午後)も前日夕方には、
みたいなことをつぶやくほどになっており、気の緩みからふらっと購入してしまったポケモン バイオレットをそれから数時間やってました……どうして……
十年ぶりくらい(BWが最後だった)にやったポケモンは楽しかったです()
試験当日を迎え、長文の問題をCBT方式で解くのは、メモできない問題文をマウスでカチカチページ移動をしながら頑張って読んで理解しないといけないので、とても面倒で疲れるとなりつつ、意外と時間が30分ほど余りました。せっかくなので選択しなかった選択問題も解けばよかったですね。
結果、予想外の高得点を叩き出して無事に終了しました(6割が合格点)
6. [12/10] VR技術者認定試験
「バーチャルリアリティ学」を通読し、後は過去問演習するだけ(満点を目指すとかでなければ、2年分とかで十分かも)です。過去問はすべて公開されているので、直近から順に取りかかればよいと思います。私の場合、第20回の得点が約65%で、ちゃんと復習をして第18回で約82%になったので、もうこれで大丈夫かなと思い本番に臨みました。(合格点はだいたい6割)
また、(原則)試験の1ヶ月前に講習会があるのですが、日時が空いている前提で、人から話を聞いた方が覚えやすいという人や、直接質問したいみたいなことがあれば参加してもよいかもです。(受けなくても試験勉強はできます。私は前回の試験前の講習会は受けていて試験の申し込みだけできなかったので、今回は講習会無しで試験だけ申し込むという形になっています。)
他にも試験名でググると、以下のような感じで試験範囲の重要事項を簡単にまとめている方がいるので、そういうのを利用してもいいかもしれません。
この時期、先述のポケモンに時間が溶けており、また後述の色彩検定1級2次の対策にも時間が取られていたので、本試験の勉強についてはそこまで時間をかけていません(そもそもVRについて研究で扱っていたり、関連分野を大学の講義で受けていたりするので、既習事項が多かったのもある)。
試験当日は8~9割取れたと思います。(本試験については結果発表までに1ヶ月ほどかかるCBT方式なので、自己採点が不可能でして結果発表が出るまで詳細の点数が分かりません)
試験後は、私が所属している別サークルで出すコミケ(C101)の新刊の原稿締切日でしたので、慌てて数時間で小説を執筆していました。せっかく宣伝しようと思ったのに告知ツイートがまだ無かったので、とりあえずサークルのTwitterアカウントを載せておきますね:@UNREAL_SFC
7. [12/18] 色彩検定1級2次
資格試験隔週チャレンジの山場その2です。ちなみに山場であることを認識したのは、基本情報技術者試験(午後)が終わってすっかり伸びきっていた頃(試験2週間前)でした。ふと色彩検定1級を受けている話を研究室の先輩にしたところ、3級を受けたことがある方だったので、1級が難しいという話になり、配色カード大変だよねと言われ、ここで配色カードの問題(ざっくり説明すると、試験当日に配布される約150色のカードの中から、条件にあてはまるものを解答用紙に切り貼りしなさいという問題が数題出される)があることに気づきました()。いや...…過去問演習は直前まで取っておきたかったから、さらっとしか過去問を見てなくて、視感測色の問題(解答用紙の端に印刷された色が、解答用紙の等色相面のどの色に近いか切り貼りしなさいという問題)があることは知っていたのですが、まさか配色カードを使うと思わないじゃないですか……というかあの一回り大きい単語帳みたいな配色カードが試験本番で配られるの!?みたいな感じで……
そうです、うかうかしてられません。
最初の方にお話ししましたが、1級2次は1-3級の全ての内容を理解した前提での実技試験です。それもあって公式テキストには演習ページがなく、しかし過去問で演習をするにしても、1冊の値段が高い&1冊に1年分(1回分)しか掲載されていない&数年前になってくると入手がしづらい&公式テキストの改訂や出題傾向の変化からあまり遡るのはおすすめできない等の問題で2、3年分が限度であるという問題点があります。
1級1次、2級、3級、UC級は公式テキストと過去問のみでどうにかなりましたが、さすがに2次試験は参考書を頼るしかないか……と情報を集めることになりました。
https://www.keikoitami.com/color/aft/mokuji/(注:ここ数日エラーが出てページが見れないのですが、直近まで閲覧できたので一応掲載しておきます)
↑のサイトを参考に、
こちらの問題集を購入して取り組むことにしました。直近の1級2次試験に出題されていないような問題があったり、そもそも配色カードを使う問題なのでいろいろ確認しながらだと1ページ進めるのにそこそこ時間がかかるため、結局2章の途中までしかやりませんでしたが、楽しく問題集に取り組めたのと、配色カードやPCCSと仲良くすることができたので、結果的には良かったと思います。特に配色カードの裏面の色記号を見ずに表面の色だけを見て目的の色をパッと見つけ出す力は、この問題集のお陰で身につきましたし、実際試験本番でもスムーズに問題を解くことができたため、見直しに十分時間を使うことができました。(試験本番で配布される配色カードにも、裏面にPCCSの色記号は記載されています。表面で色を探して見つけ、裏面を見て目的の色で合っているかを確認する流れが効率的かと思います。)
1級2次試験対策には、配色カードもとても重要です。2級・3級の公式テキスト演習に配色カードが必要だという説明があるため、その段階で購入してしまう人が多いでしょうが(私もその一人でした)、ぶっちゃけ2級・3級の試験対策に配色カードは必要ではないので、使わずじまいだったと思います。一方、配色カードの切り貼り問題がある1級2次試験では、試験勉強をするために必然的に使うことになるので早めに手元に揃えておくことをおすすめします。
配色カードは、色数とカードのサイズで複数種類あります。1級2次試験では試験本番で配られるのは「新配色カード199a」であること(厳密には「新配色カード199a」から、PCCSや配色カードについての説明やマンセル値との対応表が記載されたカードが省かれている)、直近の過去問より、vトーンが24色、b, dp, lt+, sf, d, dk, p+, ltg, g, dkgトーンが各12色、無彩色が明度に応じて数枚程度必要でこれを満たすのが「新配色カード199」しかないことから、必然的に「新配色カード199」を購入することになります。(「新配色カード158」がそのうち発売されるそうなので、色の組み合わせ次第等では、今後はこちらがおすすめみたいなことは起こるかも?)「新配色カード199a」と「新配色カード199b」と「新配色カード199c」の違いは、カードのサイズでして、「新配色カード199a」の方が本番と同様の感覚で練習ができるものの、サイズが小さいので演習を繰り返してるとすぐに無くなってしまうため、「新配色カード199a」と「新配色カード199b」をそれぞれ1つずつ購入しておくのが最適解な気がします。
他にも私の興味で、PCCS関連のものをいくつか購入してしまいました(「PCCS ハーモニックカラーチャート201-L」、「PCCS カラートーンサークル」)が、1級2次試験対策に役立ちそうなものはありませんでした。
先述の問題集に取り組んだ後は、https://www.keikoitami.com/color/aft/mokuji/(注:ここ数日エラーが出てページが見れないのですが、直近まで閲覧できたので一応掲載しておきます)
あたりの記事を参考に、PCCSの色相番号と[色名・心理四原色・減法混色・加法混色・暖色/中性色/寒色・同一色/隣接色/類似色/中差色/対照色/補色]の対応、PCCS各トーンの彩度と大まかな明度・イメージ・同一/類似/対象トーン、明清色/中間色/暗清色、マンセル値の表記方法、配色技法と各配色の特徴、イメージ別配色法、慣用色の大雑把なPCCS値と説明を覚えるようにしました(といっても、慣用色やトーンのイメージは当日でもいくつかあやふやなものはありました)。残りは1~3級のテキストの内、色に絡めて出題されそうな分野(ファッションやインテリア、景観色彩など)を流し見です。取り組んだことは、だいたい以上になります。
余談なのですが、これは2級とUC級の試験勉強をしている期間のときに、VRChatに入ってこんな感じで関連事項を描いて遊んでました。VRChatterでもし色彩検定を受ける人がいれば、こういうのもいいかもしれません(?)
ちなみに1級2次試験対策中のときは、慌ただしくてやっていません。
という感じであっという間に試験前日、これから一気に仕上げをするぞ……と思っていたら数ヶ月前に予約注文していたSteam Deckが届いたり、
友人から時間がたくさん溶けるゲーム(Civ6)に誘われたり、
……気づいたら試験当日の朝4時半でした()
さすがに少しは寝ないと頭が回らないと思ったので、3時間ほど寝て朝の7時半、そこから過去問を2年分取り組み、どうにかなるかな?なってほしいなぁ……の心持ちで試験会場に行きました。
配色カードを切り貼りする問題があるため、試験本番ではハサミとのりが必要になります。配色カードを切って、問題用紙に貼り付けることさえできればよいので、自分が一番使い慣れているものを使って下さい。のりについては、当日使い捨てのおしぼりも配布されますので、多少べたついてしまうのりでも(おしぼりで拭けば)大丈夫かと思います。
また、試験当日の持ち物として15cm程度の定規も指定されています。情報が少なすぎて、この定規、いったい何に使うんだ?という感じでしたが、おそらく配色カードを貼り付ける解答欄のサイズを測る用でしょう。解答欄の横幅は配色カードの縦幅と同じ長さなので、解答欄の縦幅に合わせて配色カードの右端から長さを数えて(配色カード裏面のドット間の長さが0.5cm)ハサミで切っていくことになりますが、その際に定規で解答欄の縦幅を測ってしまった方が、いちいち配色カードを解答欄に重ね合わせて必要な長さを測るよりも楽だよっていうことだと思います。(15cm程度の長さを要求しているのは、試験監督が机の上のものを見てすぐに定規と判別できるようにするためとかかな?)
私の場合は、ハサミは普段持ち歩いている携帯ばさみを、
のりは、以前まとめ買いしすぎてなかなか減らない小型のテープのりを、(生産終了品になっていたので、後継品のURLも載せておきます)
定規は、どんなものが良いか分からなかったので、とりあえず作りがしっかりしたものを持っていった方が良いかなと、以下のものを使いました。
(定規は多少しなる方が持ちやすくて好きなので、長さを測ることさえできれば良いことが分かっていれば、普段持ち歩いているこちらの定規を使っていたと思います)
1級2次は、問題用紙と解答用紙がセットになっているため、今までのように持ち帰りができません。(復習用?ということで、試験後に問題・解答用紙を回収後、縮小印刷された問題用紙は配布されます。)では自己採点用の自分の答えの写しはどこに記載すればよいかというと、試験で配布された配色カードの内使わないカードになります。配色カードの後ろの方の約50色は試験本番で使うことはないので、そちらの裏面を使って下さい。
試験本番では、大問1つ目の右ページの視感測色の問題に苦戦し、ここで15分ほど使ってしまったのですが、他のページは順調に進み、見直しの時間も十分に取れたのでどうにかなりました。
”エジプト人が目を守るまじないとして使う緑色がある”ということが印象に残っていたおかげで、1問間違えると他の問題も連動して影響を受ける慣用色の問題を「マラカイトグリーン」と無事に答えることができたこと、映像編集を趣味でやっていたことがあったので勝手に親近感を湧いていた「xy色度図」から出題があったこと、その色度図の問題で「色度座標」という単語を度忘れしたのですが、こいつ色空間で座標を使っているよなみたいなことを考えていたらふっと答えを思い出せたことなど、いくつかの偶然にも救われました。
1級2次試験は"カラボ色大学"さんより解答速報が出るのですが、そちらで答え合わせをしたところ、1~2問ミスで済みそうなので190点代と思いの外上出来でした。(合格点:約7割5分。試験当日朝まで友人と遊んでいて、勉強時間も足りないと内心気が気でなかったというのに……???)
これにて、資格試験隔週チャレンジ終了です。やった~~!!!
8. おわりに
怒涛の数ヶ月でした。短期間で忙しいときは今までにもたくさんありましたが、長期間通して忙しいのは今回が初めてな気がします。まだ就活とか秋学期の研究室用の発表準備とか終わってないので、年末年始も来年の1月も忙しいんですけどね!!!
ここまでの長文に付き合ってくださった方、ありがとうございました。勉強方法の参考用に読んでいる方は、なにかの助けになって合格できれば幸いです。(なにも得るものがなかった場合は、すみません……)
各試験の結果
各試験の合否は、分かり次第こちらの記事にも反映します。
(まだ自己採点上でですが、すべて合格をいただけると思います)
(12/29 追記)
基本情報技術者試験は合格してましたー!!!
合格証書が届いたら、そちらをこちらに掲載します
(1/27 追記)
色彩検定1級・VR技術者認定試験ともに合格してましたー!!!