参加した5回のSR・HR争奪戦全てで賞品を獲得した私のミュウツーHR争奪戦必勝法
初note投稿になります。
というわけで、はじめまして。まっぷると申します。
タイトル通り昨年度のゼクロムSR争奪戦に参加した3回中3枚のゼクロムSRを獲得し(HR争奪戦は全て抽選落ち)、今年度のミュウツーHR争奪戦に参加した2回中ミュウツーHR1枚、SR2枚を獲得しました。ミュウツーSRを獲得できれば一応負けではないと思うので、少し誇張表現ではありますが5大会連続で“無敗”となっております。
このような好成績を収めている方は他にもいくらでもいらっしゃるでしょうが、私について特筆すべき点があるとすれば
①練習や考察をあまり行っていない(カードリストを把握していた、某シミュレーターで前夜に何回かデッキを作った程度)
②ミュウツーHR争奪戦の考察記事等も目を通していない
の2点と考えています。ほぼぶっつけ本番です。
しかしながら、ミュウツーHR争奪戦については「よほどピックが偏って悪くなければ最低でもSRは獲得できるだろう」という自信を持って参加しており、実際SRは必ず獲得することができました。
この自信は当然ながらこの環境で勝率が高くなるデッキの組み方・回し方に気付いた(気付いたのはデッキ作成時間中の一人回しで)からであり、この必勝法(必ず勝てるとは言ってない)にはある程度確信を持っています。
この記事は、来年度にもまたおそらく開催されるであろうシールド戦に参加する際に、今年学んだことが活かせるように自分用として必勝法をまとめるのが主な目的です。
ついでになりますが、残り僅かとなった8月の争奪戦に参加予定の方に少しでも貢献できればいいなという願いも込めています。(私にはもう参加予定がないので)
全文無料とはいきませんが、
「とりあえず参加してSR獲れたらラッキー」
「結局パックの引き次第で決まるし考えるだけ無駄」
「ポケカ初心者だしSR獲るのは厳しそう」
「胸ポケットにローラースケーター3枚仕込むところから始まる」
と考えている方に是非読んでいただきたいです。そんなことはありません!
ただし、ミュウツーSR及びHRの獲得を保証することはできませんので悪しからず。私自身は最低でもSRは獲れるだろうというつもりで参加していましたが。
また、当たり前の内容も多いと思います。もう既にSR以上を獲得している方や大型大会で上位常連の方が読んでも得るものはあまりないと思うのでオススメしません。それでも興味のある方はお金をドブに捨てる覚悟でお願いします。
丁寧に文章を書いたつもりが冗長で駄文になってしまい、全て読むのも面倒に感じるかもしれないので、大まかに内容を把握したい方は太字の部分の前後だけをかいつまんで読んでいただいたら時間の節約になるかと思います。
1.ミュウツーHR争奪戦の前提
本大会は、リミックスバウト15パックを開封してピックしたカード+基本エネルギー各種15枚から40枚デッキを作って対戦する大会であるということは説明不要かと思います。そもそもリミックスバウトとはシールド戦を強く想定して構成されたパックであり、基本主軸となるTAG TEAMを草・炎・水の三竦みとして収録していることで、昨年までと違いピックのカードパワーの差を緩和していることがわかります。さらにアローラペルシアンGXというTAG TEAM全てに強いジョーカー的カードや三竦みを無効にするウィークガードエネルギーの存在がさらにバランスを保ちつつ奥深さを生み出しています。
また、昨年度と違って未開封BOXを2人で真ん中で左右に15パックずつ分けることが徹底されており(イカサマ防止等の理由から)、これによってピックの偏りが比較的抑えられて参加者全員のカードパワーが平坦化しています。これは即ち強いカードを引けたら露骨に勝率が上がる昨年度までとは異なり、デッキ構築やプレイングが勝敗に大きく関わってくることを意味します。
ピックに関して言えば、Cは1~2枚、Uは1枚、Rは0~1枚引けると考えています(偏った場合は±1枚)。GXについてはSR枠も考慮すると合計2枚引けるつもりで話を進めていきます。これは自分の引きについてというよりも、対戦相手のデッキに採用されているであろうカードの枚数を推測する上で重要になります。
2.リミックスバウト環境の特徴及びシールド戦における強ムーブ
リミックスバウトのカードリストを眺めればわかりますが、最大の特徴は逃げエネが全体的に重めに設定されていることです。基本的に逃げエネは2以上かかり、逃げエネのコストを払う以外での入れ替え手段は〈ポケモンいれかえ〉とキテルグマの特性〈キャリーラン〉くらいしかありません。つまり、バトル場からポケモンを非常にどかしにくい環境ということです。耐えて逃げるという戦術が基本的にできません。
しかし、逆にベンチを呼び出す手段も限られています。GXに限れば〈グレートキャッチャー〉がありますが、非GXに対してはフシギバナ&ツタージャGX(以下、ナージャGX)の特性〈かがやくつる〉しか手段がありません。また、フィオネの特性〈ひきよせのうず〉は任意のポケモンを呼び出すことはできませんが、相手のベンチに1体しかいない場合は確定で呼び出すことができたり、バトル場にGXがいてベンチに非GXしかいない場合は必ず非GXを呼び出すことができたり、状況によってはフィオネも有効な呼び出す手段となるでしょう。
したがって、基本戦術は「育ったポケモンが倒れるまで目の前に出てきたポケモンを倒し、倒れても次のアタッカーでさらに倒していく」となります。小細工は効かないゴリラ戦術です。
それではシールド戦における強ムーブとは何か。
これはリミックスバウト環境に限った話ではありませんが、理想は「後攻1ターン目ないし先攻2ターン目から有効な技を使うこと」になります。現実的には「相手よりも先に有効な技を使い盤面を堅実にしていくこと」になるでしょう。有効な技とは相手のポケモンを倒すことだけでなく、山札からカードを引くことやエネルギー加速も含まれます。
シールド戦は序盤の動きが勝敗を最も大きく左右します。通常の対戦であればデッキを円滑に回していくためのドロサポやサーチカードを充分な枚数で採用できますが、シールド戦では枚数が限られていて所謂事故負けも少なくありません。その事故負けを回避するためにも、ドロサポだけでなくワザを駆使して盤面を回していく必要があります。また、通常の対戦には〈リセットスタンプ〉をはじめとした逆転を狙えるカードが存在しますが、リミックスバウトでは盤面を大きく変えるカードはほぼなく、仮にあったとしてもそれを任意のタイミングで使えるほどデッキが回るように構成することはシールド戦では困難です。したがって、序盤で押し切ってしまえばそのまま決着というパターンが非常に多いです。
3.デッキ構築の基本方針
さて、シールド戦の勝利のカギは序盤の動きにあることを述べました。それでは、序盤から有利な流れを作ることができるワザを持つ最も適しているポケモンは何でしょう。特に
・山札からカードを引く
・エネルギー加速する
という2点について注目するともう答えは見えていると思います。
そう、ロトムです。ワザのテキストにそれぞれ理想的なことが書いてありますね。そしてレアリティはCであり、ほぼ必ず1枚以上引けます。ぶっちゃけロトムが万が一1枚も引けなかった場合はもう諦めるレベルです。それくらい強力なポケモンです。(胸ポケットにローラースケーター仕込むくらいならロトムの方がどう考えても強いと思う)
もちろん理想のロトムスタートが毎回できるわけがありません。そのため、ロトム以外にもスタート候補を考える必要があります。それを以下にまとめます。
▼ポニータ(C)
無1で〈ちいさなおつかい〉により山札から基本エネ2枚をサーチできる。単純に2枚圧縮が優秀であり、他にも逃げエネ1、ギャロップに進化して逃げエネ0やベンチ狙撃の選択肢を得られるのも優秀。ギャロップなしでポニータだけの採用も視野。
▼ダダリン(C)
無1で〈モズクでひろう〉により一度使ったトレーナーズを何度も使うことができる。HPも高くワザも強いが、逃げエネ3が重く柔軟性に欠ける。しかし、トレーナーズのピック次第ではポニータよりも優先度は高い。毎ターン溶接工は宇宙。
▼リザードン&テールナーGX(RR)(以下、リザテナGX)
メインアタッカーにしてエネ加速ができるワザを持つ。2ターン目からシャイニーフレアで攻撃することも充分可能であり、それが成功すればロトムが唯一できない「相手のポケモンを倒すこと」をエネ加速とドローと共に全て担える。逃げエネ3と重いが、アタッカーとしては逃げる必要がないので問題なし。RR枠であり、先述の3枚と違って引けるかどうかは運次第なのがネック。
▼カイオーガ(R)
水エネ限定ではあるが、エネ加速が非常に優秀。水タイプ主体なら採用候補になるが、逃げエネ3は重い。カメックス&ポッチャマGX(以下、カッチャマGX)が2ターン目から攻撃できるエネルギーは付くが、肝心のカイオーガが逃げられない。ロトムが0~1枚のときに採用推奨。
闘タイプで似たようなワザを持つグラードンがいるが、闘エネを加速しても強くないので(そもそも闘タイプ主体は厳しい)、カイオーガと違って論外。
以上がスタート候補です。ロトム、ポニータ、ダダリンはピック難度やエネルギーの色拘束の面でも融通が利いてどのデッキにも採用しやすい汎用性があります。リザテナGXは炎主体の場合、カイオーガは水主体かつロトムが少ない場合に採用しやすいです。
2枚ドローができるナゲツケサルは候補ではないのかと思う方もいるでしょうが、闘エネの採用枚数の問題があります。ナゲツケサルスタートができたとして、さらに闘エネがないとワザが使えませんが、では闘エネを何枚採用するのでしょうか。詳しくは後述しますが、ロトムに超エネをつけるためだけに私は最低でも超エネは5枚必要であると考えています。同じように考えると闘エネも5枚以上になるのですが、闘タイプ主体でもない限りこの枚数は無駄ではないでしょうか。ナゲツケサルの採用が全くあり得ないわけではありませんが、エネルギーの色拘束の問題で少なくとも炎主体には入りませんし、水主体でもケケンカニを採用しない限りは候補にならないでしょう。草or悪主体なら色拘束が比較的弱いですが、それでもロトム・ポニータ・ダダリンの採用が薄くなる場合にしか入らないでしょう。また、そもそも草or悪主体デッキと闘タイプの採用は相性が悪いと考えています(これも後述)。
ついでに触れておくと、草エネ加速が山札からできるトロピウスですが、加速といっても1枚だけであること、トロピウスが逃げエネ2で重く攻撃性能も低いこと、草エネ加速したいであろうナージャGXは直接草エネを付けて特性で相手を妨害しながら時間を稼いだ方が強いこと、以上から採用の可能性はありません。
それでは、スタートしてほしいポケモンが整理できたところで次のステップに移ります。スタートすべきポケモンが素直にバトル場に出てくれれば何も問題ありませんが、実際は好ましくないポケモンがスタートすることも避けられないでしょう。後攻1ターン目ないし先攻2ターン目にワザを使えないのであれば、次善策は当然ながら次のターンにワザを使うことになります。シールド戦ではお互いに思うようにデッキが回らないこともしばしば起こるので、相手も1手2手遅れても不思議ではありません。そうすれば次善策でも充分強ムーブになります。
次のターンにワザを使うことを目指そうとすると、〈ポケモンいれかえ〉の採用は当然として、必然的に逃げエネ1のポケモンのみで構成する必要があります。逃げエネ1のたねポケモンはロトム、ポニータを除くと12種類です。
まず、この中で必ず採用しなければならないポケモンがいます。
まずフィオネです。特性〈ひきよせのうず〉が便利で、残りサイド1枚の時にバトル場のGXをどかしてベンチの非GXを倒し勝利するという使い方が最も多いでしょう。また、TAG TEAMで攻めていると困るアローラペルシアンGXをどかしてサイドを取り進めたり、ベンチに1体しかいない時に強制的にバトル場に呼び出したり(ホエルコ等の逃げエネが重いポケモンを呼び出せると数ターン稼げる)と使い方は多岐にわたります。1枚もピックで引けなかった場合を除き、全プレイヤーが採用するでしょう。
次にヨマワルです。これも実は最重要カードになります。特性〈ひとだましんか〉により手札を3枚トラッシュすることができます。もっと言えば手札のエネルギーを3枚トラッシュすることができます。これがどれだけ強力かというと、ロトムスタート時に最初から2エネ加速ができます。リザテナGXの場合は3エネ加速ができて次のターンからシャイニーフレアが使えるようになります。
また、ヨマワルスタート自体も悪くはありません。ワザは貴重なベンチ狙撃で比較的優秀。そもそも特性さえ発動すれば役割は果たしており、さらにサマヨールに進化して相手のロトムのワザをロックする選択肢もあります。ヨノワールまで進化できればそのまま何枚かサイドを取ってくれるでしょう。これで逃げエネ1はずるい。
必ず採用しなければならないポケモンはフィオネとヨマワルだけですが、アローラペルシアンGXとセットになるアローラニャースはワザも有用でありピックできた枚数だけ採用して問題ありません。他にもドロサポが貧弱な場合にカバーできるメブキジカの進化前のシキジカ、サブアタッカーの可能性があるザングース、リザテナGX単体唯一の回復手段のビクティニは候補になります。
ここまでで主にロトムでワザを使用することを目指して逃げエネ1のポケモンを整理してきました。では、逃げエネ2以上のポケモンは採用しないのでしょうか。そう、主軸となるGXを除き基本的には採用しません。採用すればするほどロトム起動率が下がると同時に勝率が下がります。採用することがあるとすれば、それを採用しないと特定のデッキに絶対勝てない(特にアローラペルシアンGXに有効打がない)場合やロトム起動率は下がっても勝率が上がる場合です。
前者については、ヤンチャム-ゴロンダ、マケンカニ-ケケンカニ、エンテイには採用の可能性があります。ウィークガードエネルギーが1枚も引けず弱点だけで一方的に負けるデッキしか作れない場合は非GXで弱点を突けるようにエンテイ以外にモンジャラ-モジャンボ、ホエルコ-ホエルオーもごく僅かながら採用の可能性がありますが、それでも採用は基本的に避けるべきです。
後者については、ズガドーンになります。ロトムで盤面を作り上げた後に倒されることでズガドーンの120ダメージばらまきは脅威です。厄介なアローラペルシアンGXに進化する前にアローラニャースを処理できればスムーズに勝てることも多いです。ズガドーンスタートの場合は少し辛いですが、先攻であれば2ターン目から40ダメージばらまきが可能であり、3ターン目にアローラニャースを処理できることを考えるとあながち最悪でもないと考えています。
例外として、ポカブ-チャオブー-エンブオーはポケモン通信が2枚引けたり、進化ラインが2-2-2以上で引けたりした場合は採用の可能性があると思います。しかし、立てば強いかもしれませんが、安定性に著しく欠けるために「エンブオー立ってたら勝ってた」「エンブオーの特性でエネがあまり付かず負け」という展開が容易に想像できます。
もう一つ、超例外としてナゲキの採用の可能性がゼロではありません。これはピックの組み合わせによるのですが、詳しくは後述の実際の使用デッキやコンボ集で触れたいと思います。
ちなみに、GXスタートした場合ですが、リザテナGX以外でもそこまで痛手とは考えていません。
ナージャGXの場合、草エネで特性を発動させることで相手の妨害ができるメリットがあります。
カッチャマGXの場合、他のTAG TEAMと異なりワザの要求エネルギーが1つ少ないため、手貼りだけでも充分対抗できる場合があります。また、ダメージを多少負ってもワザで何度も回復することができるので、攻撃される分には特に問題はありません。
長くなってしまったので、以上をまとめるとデッキ構築の基本方針は
となります。最初からワザを使うことを重視したポケモンを多く採用するため、後攻でも有利に立ち回れる場合が多いです。
4.採用すべきカード・採用してはいけないカード
・採用すべきカード
ポケモンは前章で述べたことが基本となります。あとは複数種類のGXをピックした場合にどう採用するかになりますが、アローラペルシアンGX(+アローラニャース)が引けた場合は必ず採用しましょう。また、ナージャGXも引ければ基本的に採用します。これらはエネルギーの色拘束が弱いため、ロトムのために採用した超エネを無駄にしにくく、リザテナGXやカッチャマGXとも組み合わせやすいです。しかし、リザテナGXとカッチャマGXの組み合わせ(炎・水)は止めた方が無難です。というより構築が非常に難しいです(特に炎・水・超・特殊エネルギーの枚数)。当記事の方針で考えるならば、ピックを見てどちらかのタイプに絞った方が強いと思います。
トレーナーズは基本的にピックしたカード全てを採用すると言われますが、そんなことはありません。
サポートはエリカを含めて思考停止で採用して問題ありません。ローラースケーターを多く引けた場合はエリカが抜ける場合もあります。溶接工TRもカッチャマGX主軸以外のデッキなら有効に使えるでしょう。水主体デッキに炎エネを無理に入れてまで溶接工を採用するのは弱いので潔く切りましょう。
グッズはエネルギー回収とエネルギーつけかえ以外は思考停止で採用して問題ありません。エネルギー回収はカッチャマGXを採用する場合に有効です。また、グレートキャッチャーの2枚目はあれば便利ですが必ずしも採用する必要はありませんので、枠が厳しい場合は削ることができます。
特殊エネルギーは2種類しかありませんが、ウィークガードエネルギーは入れ得なので必ず1枚は採用します。ドローエネルギーはサポートが少ないor弱い場合は採用しますが、優先度は高くありません。TR枠やSR枠でサポートが多く引けた場合等は特に必要性は低いでしょう。
・採用してはいけないカード
ポケモンは多いので列挙します。
この中で一見有用に見えるポケモンについて触れておきます。
▼アブソル
ウィークガードエネルギーを割り、こちらのTAG TEAMで相手のTAG TEAMの弱点を突いて一撃で倒せるようにするのが目的。しかし、弱点を突いても突かなくても倒せるのは同じ2ターンであり、そもそもデッキ相性が有利な相手にさらにメタを用意するのは過剰であると考えます。そもそもウィークガードエネルギーを引かれる前に展開を完了させて倒せば問題ありません。
▼キテルグマ
本記事の方針では逃げエネ2以上のポケモンをあまり採用しないので特性の恩恵がほぼありません。また、キテルグマの特性はベンチにいるときのみ発動するので、このポケモンがバトル場に出てしまうと厳しいです。進化前のヌイコグマも逃げエネが2と重く、進化前も後も攻撃性能が低いので汎用性に著しく欠けます。
トレーナーズは先程も少し触れましたが、〈エネルギーつけかえ〉が実は罠になっています。有用な場面が全くないわけではありませんが、有効に働く場面が非常に限られており、基本的には腐りがちです。序盤に引いたところで完全な無駄カードであり、これを入れるなら超エネルギーを増やす方が勝率は上がるでしょう。採用する可能性があるとすれば、〈ポケモンいれかえ〉を2枚以上引けた場合や〈エスケープボード〉を引けた場合、構築方針に反しますがキテルグマを採用した場合になります。
5.エネルギーの枚数
まず合計枚数ですが、15~18枚程度(特殊エネルギー含む)になります。
特殊エネルギーはウィークガードエネルギー1枚が確定。ドローエネルギーはサポートの枚数にもよりますが0~1枚、ナージャGXが引けている場合は2枚採用もアリです。
最も重要で調整が難しい基本エネルギーの枚数ですが、最低枚数から考えていきましょう。まず、ロトムに付けたい超エネルギーは5枚必要です。他の基本エネルギーはピック次第になるので以下にまとめます。
これを元に考えると例えば悪+炎デッキにするとしましょう。超5枚、悪3枚、炎8枚で基本エネルギーは合計16枚になります。さらにウィークガードエネルギーを入れると17枚になります。もし〈溶接工〉を引けているのであれば+2枚程度入れたいので、悪1枚を抜いて炎2枚追加の合計18枚が目安になるかと思います。
もう1つ例を挙げてみます。草+水デッキにするとしましょう。超5枚、草4枚、水6枚の15枚でウィークガードエネルギーを入れて合計16枚です。デッキに余裕があれば水エネルギーを増やしましょう。サポートに不安がある場合はドローエネルギーを1~2枚入れてもいいと思います。
6.アローラペルシアンGXへの対抗策
ここまででデッキの骨組みは大体決まったと思いますが、一旦そこで見直してみてください。
「アローラペルシアンGXに勝てますか?」
もし突破する手段がなければ少し手直ししなければなりません。ここではデッキのメインタイプ毎に考えたいと思います。
・アローラペルシアンGX(悪)
アローラペルシアンGXでアローラペルシアンGXを倒せば勝てるので構築を歪ませる必要がなくかなり楽です。他のタイプとの組み合わせでも対策として非常に有効。先に進化してエネルギーも付いてしまえばGXワザでベンチのアローラニャースを処理できるので、相手よりも先にアローラペルシアンGXを立てられるように意識して構築しましょう。進化前が1匹しかピックできていないことも多々あるので、先手必勝は非常に有効です。ドローエネルギーを間違ってもアローラペルシアンGXに付けないようにだけ注意。
・ナージャGX(草)
特性〈かがやくつる〉でアローラペルシアンGXをどかし続けてサイドを4枚取り切るプランが立てられるので、対策札なしでも勝てなくはないです。ただし、相手が上手いとベンチを絞ってくるのでやはり何かしらの対策を用意しておくと安心です。進化する前にナージャGXのGXワザを早めに使って50ダメージを与え、ヨノワールの〈じこあんじ〉もしくは特性〈しのこくいん〉でさらに40ダメージを乗せて90ダメージを与えておけば、ザングースの〈ざんこくなやいば〉でちょうど倒せます。ナージャGXの特性による誤魔化し性能を考えればこの程度の対策で充分でしょう。ザングースは逃げエネが1なので、ロトム起動の邪魔をしにくいのもgoodです。
・リザテナGX(炎)
エンテイがカギとなります。アローラペルシアンGXの攻撃を耐えることができるHP130を持ち、2発で倒せる100ダメージワザを持つ完璧な対策札です。進化ポケモンではないので、ベンチ狙撃による処理に怯える必要もありません。
・カッチャマGX(水)
カイオーガが引けていればそれで頑張るか、なければケケンカニ、ホエルオー等を採用せざるを得ません。正直厳しいです。万が一カッチャマGXと相性が良い〈格闘道場〉が引けていれば、ゴルダックの〈エネループ〉で90ダメージ→ザングース〈ざんこくなやいば〉というルートもなくはないです。
9.先攻と後攻について
ポケモンカードは基本的に先攻が有利とされています。相手のターンに干渉することができないので、勝利するターンが自分の番であることを考えると単純に1ターン分多いことになります。先攻のメリット・デメリットを簡単にまとめると
となりますが、メリットに対してデメリットが少ないことがはっきりわかります。展開のスピードはどうしても先攻が速いため、後攻が展開できる前に攻め立てることも可能であり、後攻はそのディスアドバンテージを如何に挽回できるかが求められます。
しかし、今回のリミックスバウト環境におけるシールド戦においてはこのメリット・デメリットは影響力が果たして大きいでしょうか。例えば「先に進化させることができる」についてはそもそもその進化先を用意できないと進化できません。進化ポケモンをサーチできるカードは〈ポケモン通信〉のみであり、たねポケモンを先に展開できていても相手より先に進化できるかどうかは完全に運でしょう。
後攻のメリットはワザが1ターン目から使える点です。本記事の方針ではロトムでワザを使うことを重視していますが、相手よりも多くロトムがワザを使えることで先攻と後攻のアドバンテージは引っくり返ります。後攻1ターン目に〈サイクルドロー〉を使えば「先に山札を1枚多く引ける」というアドバンテージはなくなりますし、〈エネアシスト〉を使えば「先にエネルギーを1枚多く付けられる」というアドバンテージもなくなります。もちろんロトムスタートできればの話にはなりますが、ロトム以外でもポニータの〈ちいさなおつかい〉を使えばドローアドバンテージを返すことができ、2ターン目に逃げてロトムでエネ加速をすれば後攻でも有利になるでしょう。
したがって、今回のシールド戦では必ずしも先攻有利ではなく、むしろ後攻が有利なこともあります。じゃんけんで勝った場合、相手のデッキが強くて分が悪いことがわかっていればあえて後攻をとるのもなくはないと思います。じゃんけんに負けても「むしろアド」という気持ちで強気に対戦に臨みましょう。ただし、後攻で唯一致命的になるのが先攻ジャッジマンです。1ターン目にジャッジマンが手札にあるかは運ですがこれだけはどうしようもないので、これを嫌うなら先攻が安定でしょう。また、自分がジャッジマンを2枚ピックした場合は先攻一択でいいと思います。
8.実際のまっぷる使用デッキと戦績
・1回目
予選
1戦目 vsリザテナGX 後攻4-1
2戦目 vsナージャGXアローラペルシアンGX 後攻4-2
3戦目 vsナージャGX 後攻4-1
決勝トナメ
準々決勝 vsアローラペルシアンGX 後攻3-1(降参)
準決勝 vsカッチャマGX 後攻3-0(たね切れ)
決勝 vsカッチャマGX×2 先攻4-2
【優勝(ミュウツーHR、ミュウツーSR獲得)】
―簡単な振り返り―
TRもSRも持っていかれて精神的にもきつかったが、何よりグレートキャッチャー0枚がきつかった。ドロサポも少し弱めだったので、メブキジカ採用で安定性を上げ、ドローエネルギーも採用した。メインはカッチャマGXとアローラペルシアンGXの2枚だが、デッキの裏コンセプトとしてベンチへの攻撃を組み込めたのが強い(ヨノワールの特性4点、ズガドーン4or12点、ギャロップ3点、アローラペルシアンGXのGXワザ12点)。そのため、炎エネを1枚だけ採用している。スタートしてほしくない逃げエネ2以上のたねポケモンはカッチャマGXとズガドーンの2枚のみ(2/9枚)。
決勝以外じゃんけんに負けて全て後攻ではあったが、試合展開は特に厳しい状況に陥らなかった。決勝ではこちらのカッチャマGXがサマヨールの〈かなしばり〉で20ダメージを受けつつGXワザを使わされ、次に出てきたカッチャマGXに〈スプラッシュメーカー〉を撃ったが、追加効果で20ダメージをあえて回復させなかった。これは相手のカッチャマGXのGXワザを誘うためであり(20+GXワザ100+通常ワザ150でちょうど270ダメージで倒せる)、思惑通りGXワザを使ってきたのでずっと抱えていた〈ポケモンいれかえ〉でマヒを解除して勝利することができた。もしこちらが回復していたら相手も〈スプラッシュメーカー〉で回復させて展開が長引いて捲られていた可能性があったので、良いプレイングができたと自負している。
・2回目
予選
1戦目 vsリザテナ 4-3先攻
2戦目 vsリザテナ 4-1後攻
3戦目 vsリザテナ溶接工 4-0先攻
決勝トナメ
準々決勝 vsリザテナ×2 1-4先攻
【ベスト8(ミュウツーSR獲得)】
―簡単な振り返り―
1回目の参加と違ってピックがめちゃくちゃ強かった。グレートキャッチャーURと溶接工TRで参加費がほぼ回収できていて嬉しい。しかし、アローラペルシアンGXが引けなかったので、アローラペルシアンGX対策をどうするか悩んだが、エンテイの他に本来採用はあり得ないナゲキを採用した。これは〈溶接工〉がピックできたからである。リザテナGXの〈シャイニーフレア〉で相手の非GXを倒しつつ〈ナゲキ〉、〈溶接工〉、〈基本闘エネルギー〉をサーチする。こうすることで、後続から出てきたアローラペルシアンGXからリザテナGXが120ダメージを受けたときにカウンターとしてベンチにナゲキを出して闘エネ手貼りから〈溶接工〉を使うことで、リザテナGXが逃げて一撃で倒すことができる。スタートしてほしくない逃げエネ2以上のたねポケモンはエンテイ、ズガドーン、ナゲキの3枚(3/10枚)と1回目と比べると若干多いが、〈溶接工〉で即攻撃できる可能性があることを考えると悪い数字ではないと考えている。
1戦目は序盤に事故ってしまいサイド2-4から始まって窮地に立たされるが、〈溶接工〉で状況を一変させて逆転から勝利。決勝トナメでは1没になってしまったが、次のターンに〈溶接工〉を使ったら勝ち確という場面でトップで引かれたジャッジマンで流されたのが悔しい。また、ヨノワールの特性による40ダメージを忘れていてダメージ計算が狂った等、最善手を選べなかった場面があったのも敗因。しかしながら、相手の引きやテンポが終始上回られていたため、こういう負け方なら仕方ないと納得している部分もある。対戦終了後も激昂してスマホナゲツケサルになるなんてことは全くなく、対戦相手と少し感想戦で喋ってすっきりした気持ちで帰ることができた。ちなみに結果論ではあるが、初手の手札を考えると後攻を選んでいたらかなり有利だった。
9.役に立つかもしれないコンボ集
ピック次第ではありますが基本的な組み合わせからレアケースのものも紹介しておきます。
・ロトム(リザテナGX、カイオーガ)+ヨマワル
ヨマワルの特性でエネをトラッシュに置いてエネ加速を迅速に決める。単純かつ強力。
・ゴルダック+ドローエネルギー
〈エネループ〉でドローエネルギーを手札に戻し、毎ターンドローエネルギーでさらに1枚引くことができる。場にエネが貯まらないのが欠点。
・キテルグマ(ポケモンいれかえ、エスケープボード)+エネルギーつけかえ
ロトム等役割を果たしたポケモンについたエネルギーを逃げるコストに使わずに済むことで、実質エネ加速ができる。
・ナゲキ+溶接工(+リザテナGX)
ナゲキを1ターンで起動できる。闘エネの手貼りも同時に必要でパーツが多いため、実質リザテナGXの〈シャイニーフレア〉が必須になる。このコンボの強みは本来HP120のナゲキはアローラペルシアンGXのGXワザで簡単に処理されるが、それを回避してなおかつ一撃で倒せる点。
・カッチャマGX+おじょうさま(エネルギー回収)
大量の水エネを確保することで常に回復することができる。特に〈おじょうさま〉を使ったターンは150ダメージを回復できて強力。余分に付いた水エネは一旦逃げてトラッシュし、それを〈エネルギー回収〉で拾う動きも強い。〈ポケモンいれかえ〉があればそのターンに即攻撃と回復ができてまさに堅牢鉄壁。
・カッチャマGX+格闘道場
ワザのダメージが+10されることで〈バブルランチャーGX〉と〈スプラッシュメーカー〉が、110ダメージ確定マヒ+160ダメージで合計270ダメージとなって確実かつノーダメージで相手のTAG TEAMを倒すことができる。闘エネの採用はアローラペルシアンGX対策のケケンカニとも相性が良い。
・ゴルダック+ザングース+格闘道場
カッチャマ軸であればアローラペルシアンGX対策として有効。+10ダメージされたゴルダックの〈エネループ〉で90ダメージからザングースの〈ざんこくなやいば〉で110ダメージで合計200ダメージとなってピッタリ倒せる。ザングースをGXワザで処理されたとしても、そこでサイドが負けていれば+40ダメージされた〈エネループ〉の120ダメージで倒せる。
10.終わりに
本記事をここまで読んでいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか。読んで良かった・参考になったと思っていただけるような内容になっていたでしょうか。今後も機会があればnote記事を書いていきますので、今後に活かせるようご意見・ご質問・ご要望等あればDMや質問箱に是非お願いいたします。また、この記事のおかげでミュウツーSR・HRが獲れたという方がもしいらっしゃったら是非ご報告お願いいたします。そういう人がいたら嬉しいなぁ…。
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