知らないおばあちゃんの昔々のお話
90代のおばあちゃん(親戚ではない)から私の母が聞いたお話し。
※他人の話ですがわかりずらいので一人称で書きます。
私は小さい時にお母さんが亡くなって、お父さんとお兄ちゃんがいたけど自分だけ養子に出された。
それもきちんと説明されず、
新しい家に連れてこられた時、お父さんとお兄ちゃんが先に帰ろうとするから、お父さんに「待ってー!すぐ戻るから!ランドセル取りに行くから待っててー!」と言って
急いで取りに戻って外に出たら、もうお父さんはいなかった。
まだ小さかったから家までの道もわからず、追いかけることができなかった。
お母さんは病気がちで入院してることが多かったので記憶はほとんどなく、一緒にお風呂に入ったことがある、朧げな記憶だけ。
新しい家の義母はとても怖い人だった。
「勉強する暇あるなら家の手伝いしろ」と宿題もやらせてもらえなかった。
学校から帰って夕飯の時間までおやつももらえず、ずっと家事を手伝いさせられていた。
義父は優しかったけど、漁師だったのでたまにしか帰ってこなかった。久々に会った時は、船に乗せてくれた。
学校に行くと先生には「なんで宿題やって来ないんだ」と怒られた。
でも義母のことは言えなかった。何度も廊下に立たされた。
近所に住んでる同級生の男の子が、普段の私を見ていたから「あいつのお母さん厳しくて、家の手伝いばかりで宿題やる暇がないんだよ。」と先生に言ってくれたみたいで、それから宿題をやってきてなくても何も言われなくなった。
どうしても耐えられず1人で家を飛び出し、お父さんのところに戻ったことがあるけど、
「帰れ」と言われて結局そのまま義理両親の家に戻った。
お父さんも余裕がなかったのだろう。
もしかしたら養子に出すとき、いくらかお金をもらっていたかもしれない。
でもあの時の寂しさ、悲しさ、虚しさは忘れられない。
捨てられたんだという気持ちは変わらない。