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#1 おいおい『わたしをOyOyにつれてって』

京都に「本と野菜 OyOy(おいおい)」、というお店がある。僕はここのファンだ。ファンなので、結論を言ってしまえば、ここの野菜料理がめっちゃうまいから、とりあえずみんな食べた方がいい、早くいってらっしゃい、こんなものを読んでいる場合ではない、ということに尽きる。

ただ一方で、OyOyの料理について書かれたブログのようなものは、見かけない。OyOyというお店に対しての、取材やインタビュー記事はある。でも個人的なものが見当たらないので(僕が見つけられていないだけだったら、ゴメンナサイだけど)、だったら自分が書いてみてもいいのではないか。そう思ったことが、これを書くきっかけだ。

ようは、自分が好きなものを、他の人に伝えようとしている。もしかしたら、これが「推し活」というやつかもしれない。初めての経験なので、いったいどんなテンションが適切なのか分からないが、とりあえず書き進めてみよう。

改めまして。
こんにちは、まーしーと申します。

2020年6月にOyOyがオープンし、初めて行った日は覚えていないけど、2023年1月に食べた「甘酒とココナッツのぜんざい」のおいしさに衝撃を受けた。そこからすっかり、ステータスが[虜]状態だ。

OyOyは、坂ノ途中と、鴎来堂(おうらいどう)が共同運営しているお店。そして僕は、坂ノ途中の関係者の関係者という立場にいる。つまり、部外者である(友だちの友だちは、知らない人と同じ理屈)。

ファンとして少しチョーシに乗りたいときは、「あ、まぁちょっと知り合いが…」と関係者風を装うが、ようは、ただのお客さん。内部のことは知らないし、宣伝として書いているわけでもない。ステマ(実は公告なんかいっ!)が厳しい昨今なので、ここははっきりさせておこう。(むしろ案件お待ちしております。)

自慢じゃないが、これまでの実績としては、自宅で「すべての飲食店がOyOyになればいいのに」と言って、家族を驚かせたことがある。今も撤回するつもりはないが、せめて、家の隣に移転してほしい、とは思っている。

また、通奏低音としては「わたしをOyOyにつれてって」。これに尽きる。もちろん、僕よりも高頻度で通う常連さんは、たくさんいる。でも、頻繁に行けない分、「わたしをOyOyにつれてって」と思っている回数は多いはず。「お昼どこか食べに行く?」と聞かれれば、まずは「おいおい」と答えている。(家から電車と徒歩で40分もかかるなんて)

それともうひとつ。
僕は普段、主に坂ノ途中の野菜を食べている。こちらも、初めて食べたものは覚えていないが、とりあえず「え、うまっ、こんなんもう、焼くだけでいいやん」と言った。

そしてそこから本当に、野菜を切って焼くだけ、塩や味噌をつけるだけ、油で揚げるだけなど、家ではそういう料理が増えた。これまで何かと「食」に関わってきた自分としては衝撃的なできごとで、調理、味付け、塩分など、いろいろな価値観がひっくり返った出合いだった。

「そうか、丁寧に育てられた野菜は、もう完成しているのか。わざわざ手の込んだ料理をしなくても、ピークを迎えているんだ。」

しかし!
そんな新しい価値観を、またもやチャブ台返しする出合いが訪れる。はい、それがOyOyです。

「は?なにこれ、うますぎるやろ。おんなじ野菜やんな?どういうこと?」
味覚の満足度が脳の理解を超えると、なぜか文句みたいに褒めるらしい。

こうして、すっかりファンになった僕は、ことあるごとに「おいおい…おいおい…」と呟くようになっていく。

今は、野菜のおいしい食べ方を知りたい、野菜の可能性と、それを実現させるアイデアに触れたい、少しでも真似して、家でもよりおいしく食べたい、そんなことを思いながら通い、食べ終わった瞬間から、次に行ける日を楽しみにする日々を過ごしている。

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