福岡で正月の「三社詣」が庶民に広がった理由考察
2023年、明けましておめでとうございます。
写真は、自宅マンション上階からの元日朝の御来光…ここ数年は毎年、初日の出を拝んでからおせち料理を食べてます。ここからは、宝満山と四王寺山の間に太陽が昇ります。
初詣は、自宅そばにある山王日吉神社(山王公園内)にまずお詣りしました。神社の入口には、旧博多駅の柱を移設保存した記念碑が建ちます。今年、2023年は地下鉄祇園駅付近(商工会議所入口交差点)にあった旧博多駅が、現在地へ1963(昭和38)年12月に移転して60年を迎えます。
この日吉神社は、福岡県など九州北部で広く行われている正月「三社詣」発祥の社のひとつ。解説板には、江戸時代には福岡藩主が日吉神社・住吉神社・筥崎宮と併せて参拝したことが記されています。経緯としては藩主に倣って、庶民の間にも三社詣が広まったと推察(諸説ありますが、庶民にどうやって広まったかのきっかけとして記載)。
現在のような交通機関を使った三社詣りは、西日本鉄道の前身のひとつ博多湾鉄道汽船が、昭和初期にはパンフレットや絵葉書などで湾鉄沿線「三社詣り」を提案していました。沿線には香椎宮・筥崎宮・宮地嶽神社・宇美八幡宮・志賀海神社など古社がたくさんあり、利用促進策のひとつとして有効だったことがわかります。
旧筑前国における現在の王道的な三社詣りは、1953(昭和28)年に西日本鉄道が始めた「三社詣会員バス」がブームの発端と思われます(パンフ画像上)。西日本鉄道が仕掛けた「三社詣」太宰府天満宮・筥崎宮・宮地嶽神社は、現在も共同で「三社詣(三社参り)」ホームページを運用しています。
http://www8332u.sakura.ne.jp/yurai/index.html
正月の三社詣を含む、西日本鉄道が年末年始などに運行した帰省バス・会員バスの歴史は、にしてつWEBミュージアムの特集「帰省バス・会員バスの歴史」をご覧ください。1960年代、若大将&スキーブームに乗って始まった「スキーバス」や、日本一周バス旅行などの写真・資料も紹介しています。
https://www.nnr.co.jp/museum/bustrip/index.html