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【感想】新宿二丁目の深夜食堂 ~人生を奏でるビール瓶~特別編 前後編

《みどころ》

新宿二丁目の深夜食堂が53年の営業を終えてから約1年。あの名物ママは、初めて過ごす穏やかな暮らしの一方で、持病である糖尿病が悪化、さらに、がんの手術に臨んでいた…

2023年9月30日。新宿二丁目で数え切れない孤独や絶望を受け止め、人々の背中を押してきた深夜食堂「クイン」が“最後の夜”を迎えていた。

別れを惜しむように店にあふれる客。店内に入りきらない客が、店外の階段で列をなしていた。わざわざ休暇を取って駆けつけた会社員。自分の店を抜け出してやってきた“二丁目の住人”たち。名物ママのりっちゃん(当時78歳)と料理担当の夫・孝道さんを笑顔と感謝で送り出そうと店に詰めかけていた。
そして、最後の夜が明けた朝、店にやってきたのは、二人の娘と孫たち。
多くの常連客に惜しまれつつ、人々に愛された深夜食堂「クイン」は53年の歴史に幕を下ろした。

真夜中の0時に開店し朝の9時まで営業という生活を半世紀以上も続けてきた夫婦は、約15年ぶりに列車に乗って温泉旅行に出掛けるなど、初めて夫婦水入らずの“普通の生活”を手に入れていた。

2024年夏、「クイン」の常連客たちが、久しぶりにりっちゃんを囲む会を開催。そこに現れたりっちゃんは、持病である糖尿病が悪化し週に3日の人工透析に通う体になってしまっていた。さらに、4日後にがんの手術を行うと語り始める…

※フジテレビHP
8月4日・8月11日放送分 『ザ・ノンフィクション』新宿二丁目の深夜食堂 ~人生を奏でるビール瓶~特別編 前後編参照
気になる方はTVer・FODでの見逃し無料配信をご覧ください

《感想》
わたしにはこの回を見て思い出した人がいます。
わたしが学生時代にお世話になっていたカラオケスナック「エテルナ」のママです。
昨年、79歳で亡くなりました。

田舎から上京してきて何もわからなかった大学生の私がカラオケしたいという理由で飛び込んだのが「エテルナ」でした。
わたしは本当に怖いものがなくて。
カラオケスナックの看板が目に留まり、急な階段をのぼって赤くて分厚いドアを開けたのが始まりでした。
ボロボロのジーパンとT-シャツで面接だからタダで歌ってもいいですか?と舐めた態度でママに聞きました。
ママは、うちの店だからよかったけどこんなことしたら危ないよ。他では絶対にやめなよ。と真剣に怒ってから歌わせてくれました。

あの頃のわたしは講義の合間にアルバイトを掛け持ちしたり、サークル活動も張り切って取り組んでたけど、どこにも自分の居場所がない気がしていて。
そんな時にママが真剣に怒ってくれたことがとても嬉しかった。

ママは人間関係や商売・生き方をたくさん教えてくれました。
残念ながら、その頃のわたしは聞く耳をもたず、社会に出ても苦労は尽きませんが笑
そんなわたしにもいつかわかってくれるだろうと諦めずにお説教をたくさんしてくれたのが「エテルナ」のママでした。

わたしが引っ越してからもお付き合いは続きました。
お店にたまに顔を出すたびに、おうちまで車で送ってくれて道中では悩みをたくさん聞いて励ましてくれました。

「エテルナ」は居心地がよくて閉店するまでかれこれ10年以上のお付き合いになっていました。

コロナで会えなくなってからも、高齢でお店を閉店した後もお誕生日には必ず連絡くれるし、ふとした時には連絡くれるし、電話したら必ず話を聞いてくれる。
ずーっと変わらないのがママでした。

見ず知らずの小娘に対しても損得勘定なしで怒ってくれた所、仲良くなってからもずーっと変わらずにいてくれるところが大好きでした。

結構きつめの物言いや飾らないりっちゃんの姿があの頃のママにそっくりで思わず泣いてしまいました。
働いてくれる女の子のために、お店に来るのを楽しみにしている常連さんのためにと病気と闘いながら自分を犠牲にして働き続けていた「エテルナ」のママと重なりました。
ママが根気強く教えてくれたこと、今になってわかったこともたくさんあるよ。
本当にありがとうございました。
まだわかってないこともたくさんあるけど、せっかくママが教えてくれたことなのでいつか気づけるように頑張って生きます。

誰にでもどんな時でも、変わらない姿でいてくれることが安心感に繋がる。信頼になる。
「クイン」に関わる人々やりっちゃんの姿を見ることで、ママの教えてくれたことを思い出しました。

そんな安心できる場所を作っていた「クイン」も「エテルナ」も改めてすごいお店だなぁと思いました。

りっちゃんやママみたいにおせっかいでいつも人の輪の中心にいるような存在にはなれそうもありません。
でも、りっちゃんみたいな存在にわたしも出会えていたのだと思うとなんだか誇らしい気持ちになりました。
だからこそ、りっちゃんには病気に負けずにもっともっと長生きして欲しい。
いなくなると本当に寂しいです。





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