自分が可愛いと思ってた頃はある意味幸せだった
私は小さい頃、家族から、主に母親や祖母から可愛い可愛いと言われて育ってきた
周りの人もお世辞で可愛いと言ってくれていたんだと今はわかる
私には本音と建前を聞き分ける能力が恐ろしく欠如していたのでその言葉を真に受けていつか自分はスカウトされて芸能人になるんだーと思っていた
自分の容姿にはとてつもない自信があった
今子供の頃の写真を見返してみるとせいぜい中の下がいいとこだと思う
この可愛いという魔法、あるいは呪いが解けたのはつい最近のことだ
2年ほど前、いい歳して実家暮らしも如何なものかと思い一人暮らしを始めると何故か自分のことが客観的に見えるようになってきた
自分のレベルがいかに低かったか…!
もともとの容姿はもちろん、メイクの技術や服のセンス、その他諸々
その事実を受け止めることができず、自分は本気出せばいつでもイケると思いながら、過食して現実逃避した
食べたいものを食べ、別に食べたくなくても目についたものは手当り次第口に放り込み、食い散らかす
苦しくなったら自己嫌悪しつつ眠りについて、浮腫んだ顔で起き上がり、自分の姿に絶望し、現実逃避するために食べる……無限ループ
死の受容には5段階あるというが、私の自分自身の容姿を受け入れる心理もこの5段階に当てはまるように思う
この2年、1〜4段階を行ったり来たりしていて、ありのままの自分自身を受け入れるという受容の最終段階にはまだ至っていない