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遠い渚
カラー暗室は新宿御苑にあるplace Mを利用している。友人と一緒に暗室を作ったが、それはもうやめてしまった。レンタル暗室にまた通い始めた。
以前、小松透さんの「遠い渚」という小さな冊子をplace Mで買った。丸い枠に綺麗なモノクロプリントがなぜかとても気に入って、購入した。キャプションはあまり読んでいない。
先日、暗室作業を終えて出てくると、展示の入れ替え作業が終わった人たちが酒を飲んでいた。そこに小松さんもいらっしゃった。その場にいた、何人かの人たちで、写真の話をしつつ、私のプリントも見てもらった。そしてあの時の小さな冊子は、立派な写真集となっており、私はまた購入した。サインも書いてもらった。今度、ドイツでの販売も決まったそうだ。それはとても素晴らしいことだと思った。
「遠い渚」なんだか、心地よい響き。写真の何が良いとか悪いとか、こんなに毎日いろいろ書いているのに、未だによくわからない。
でも、自分にとって良いものは、すっと心に入ってくる。何もつっかえないで、水を飲むように私の心に入ってくる。だから、それが良い写真だな、と思う癖がついている。
これは2011年に私が撮ったもの。もう随分と前のものになった。
暗室の帰り、終電がなくなったので相乗りタクシーで帰った。
たくさんの人と出会って、話して、別れて、また出会って、一緒に生きたりしていると、最初に出会った人たちのことを、少しずつ忘れていく。たまに思い出す時、それはこんな写真のような、おぼろげな雰囲気を持つ。
少しづつ遠くなっていく、あの時の渚。小松さんの写真を見ると、優しい気持ちになる。
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