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距離をとる

こないだ、2週間くらいイヤフォンをなくしていた。音楽が聞けなくて寂しかったけど、2週間そこまで不自由にも思わなかった。それもまた、すこし寂しい気持ちになる。

先日、撮影中にヘアメイクさんがサカナクションをかけてくれて、「Aoi」という曲が私は気に入った。初めて聞いたけど良いなと思った。撮影のセットを組みながら、日本語って不思議な形をしているんだなぁ、と思った。

あと、Mondo grossoのbirdが歌ってるやつ、それもかけてくれて良いなと思った。mondo grossoは、夏に遊びに行った逗子の友人宅で、やくしまるえつこの「応答せよ」で知って、それだけやたら聞いていたけど、他のやつも良かった。シャッターを切りながら、カッコいいなぁコレ、って思ってた。

誰かと何となしに聞いているのが、最近とても私にとって良い影響を与える。一人で一生懸命聞くのも好きだけど、誰かと同じ空間で聞いてると、それごと思い出して、更に言えば、遠くで微かに聞こえて、あとから気になって、ああ、あの曲なんだったんだろうって、思い出す瞬間がすきだ。

2週間後、イヤフォンは見つかった。イヤフォンで音楽を聞くと、音が私に近付いて、ちょっと気持ちが高ぶって、よく分からない気分になって、今までの私と音楽について思い出す。かなり感情的になってしまうよね。それって良いことなのか、悪いことなのか、正直よく分からない。

今の私と音楽には、物理的な距離が必要なんだと思った。何にでも致死量があるように、関係性ひとつひとつには、取るべき距離がある。

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