舞台『YES I AM…』を終えて その3
その2はこちら
そして今回得られた
最も大きなことは、
尊敬できる大好きな人が
いっぱい増えたこと。
皆さんが
優しくしてくださればくださるほど
自分へのうんざり度は増しましたが、
芝居以外の事まで
きちんと叱ってくださる
有り難さが身にしみました。
ずっとお芝居をしてきた先輩の前で
「お芝居の楽しさが分からない」
なんて言っても、
「それでいいねん」
と返してくださるような方達でした。
◇
そうなんです。
私は演技することを楽しい
と思えたことはありません。
どちらかといえば苦手な部類です。
私は演技なんてものを経験するずっと前、
役者なんて職業を知るずっと前から、
漠然と将来はそういうものになるんだ
と思っていました。
たったそれだけの理由で
それだけを信じてここまで来てしまいました。
きっかけは一生謎のまま。
ただ、実際に飛び込んでみたら
「続ける理由」は見つかりました。
舞台に立っているその瞬間だけは、
自分の事をちょっぴり認めてあげられる。
これこそが私が芝居を続けている
理由だと思います。
普段の私は自分を認めることができず、
過剰なほど嫌って
軽蔑してしまっている
という自覚があります。
かといって
演じているときの自分が
好きなわけではないんです。
だって、稽古場では
芝居すればするほど
自分を嫌いになるから。
本番の日も
袖に待機しているとき
まではそうです。
[毎朝の恒例になりつつあったラジオ体操]
それなのに何故でしょうか。
一歩舞台に足を踏み入れ、
照明に入った途端に
「そこまで嫌う必要ないかもな」
って思えるのは。
残念ながら
好きとまではいきません。
自分を認めてあげる
という選択肢が生まれる程度です。
でもそれが私にとっては重要で、
演じることは苦手でも
「やっぱりまた舞台に立ちたい」
と思わせるのです。
その4はこちら
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