ワークショップのインプット設計について思うこと
最近、ワークショップを設計する時に気になっている「インプット」。
ここでいうインプットとは、ワークショップ(特にアイデアソン)に参加する方にテーマに関する基本情報を提供したり、創造力を高めるようなインスピレーションを与えることです。とくに後者の部分では、最新のサービス事例や未来予測のデータ、研究されている最新技術などを紹介して、アイデアの幅を広げていくことを目的としている場合が多いです。
ただこの後者の目的に沿って、単純に情報をインプットしようとすると、伝えたいことをあれもこれもと100%出したくなり、せっかくの参加者が持っているオリジナルな情報(知識、経験、スキル、バックグラウンドなど)が死んだり、インプットした情報がインプットされてない(右から左に流される)という事故が起こります。
もちろん、とにかく色んな情報を有象無象にたくさん詰め込んだら、多様なアイデアがたくさん出てくるのでは?という、人間のクリエイティビティを殺す元凶のようなことはしたくありません。
どうしたら、渡された情報を参加者自身が噛み砕き味わえるか、そこから新しい仮説や問いを生み出すことができるのか、そんなことを最近考えています。今の時点で1つ大事だなと思っていることは、新しく飛び込んできた情報によって思い込みが覆ったり、予想もしてなかった未来の映像が目に浮かんだりすることで参加者がワクワクすること。
そしてそのためには、人×情報、参加者が持っている情報×与えられる情報、という形で相互に影響し合える状態を「インプット」の中で作ることが、必要だと考えています。
例えば、こんな方法があると思います。
事実をただニュースのように伝えるのではなく、紙芝居のようなストーリーで語る。
言葉ではなく、映像や写真だけを見せて、参加者がどこに注目するのか、そこからなにを感じとり想像するかを自由にする。
テーマをチームに与え、思いつく身近な話題を共有させて思考の土壌を作った上で、参加者の視座のよりも1つ上のレイヤーの話をすることで、俯瞰することで見える景色が変わることを体験させる。
受動的に受け取る情報と、その情報から得たインスピレーションをきっかけに次の情報を能動的に探しに行くモチベーションが生まれます。
探しに行く宛は、自分以外の参加者の発言の内容でもいいですし、その場でネットに検索をかけてもいいと思います。
扱うテーマに没入し、その中で自分なりの仮説が見つけることがその人の知的好奇心を刺激して推進力となって、他のメンバーの考えや視点と混ざり合いながら、頭で想像しているものが具体の形になっていく。
インタラクションが連続して起きていくことで、参加者自身が議論を楽しんだりアイデアを膨らませていくことができるワークや会場設計をしていきたいし、試行錯誤したいなと思います。