【読書記録2】白尾悠『隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい』
こんにちは、🍦マオ ¦ 読書記録 です 。
2025年2冊目に読了したのは、白尾悠さんの『隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい』でした。
帯の書店員さんのコメントたちに射抜かれて購入。
自分が書店員をしていると分かるのだけど、ゲラやプルーフで発売前の本を先に読ませていただけることはとてもありがたいし、嬉しい。もちろん読んだものには礼儀として版元さんに感想をお返しして、共に売っていこうという気持ちを高める。
…のだけど、書店員である前に、私も普通にただ小説が好きないち読者でもあるので、正直そこまで刺さらなかった作品や、まあ、普通だなというくらいの読後感の作品もある。全部全部を「最高!超面白い!読んで!!」と思えたら楽だし良いけど、うーーん自分の気持ちに嘘をつくのも違うよね、と思う😵💫
本を売るために、強い言葉を用いて興味を惹くキャッチコピーやコメントを生み出すのは大事かもしれないけど、私は自分が本当に好きだな、多くの人に読んでいただきたいな、おすすめしたいな、と思った作品にだけ自分のコメントを使ってもらえるのが一番嬉しいな、と思う。どの作品のパネルにもこの人の名前見かけるな、コメントが上手い人だな、というのより、「あ、この人のコメント載ってるから、本当におすすめなんだな、この人が言うなら買ってみよう」と、お客さんに思ってもらえるような書店員になりたいなと、はじめから思っている。
まあきっと有名なカリスマ書店員さんたちは、ご本人がどう思っていようと版元さんがその書店員のネームバリュー欲しさにコメントを使いたがるというフェーズに入っていくと思うので、上記のような私の言い分とはまた次元を画しているのかもしれないが……。
……と前置きが長くなったけれど、この『隣人のうたはうるさくて、ときどきやさしい』の帯に使われている書店員コメントはとても素敵だなと、心から思った。その文章から滲み出る「私はこの本が好き!!!!!」っていう叫びはやっぱりあるんだよね。いろいろな本の帯やパネルのコメント、是非ゆっくり見てみてください。
さて舞台は、シェアハウスよりも規模感が大きくて、個人のプライベート空間が保たれている、単身もカップルも家族も住むことができるマンション、ココ・アパートメント。
学歴を重視する両親のもと偏差値の高い高校に通い、頭でっかちになってしまっている男子高校生。子どもを欲しいと思わない自分は彼女と結婚するべきではないのではないかと悩む男性。娘を連れてモラハラ夫から逃げ、長引く離婚調停と戦う母親。発達障害と診断を受けた息子がいながら激務の仕事を抱え、葛藤する父親――他にも数々の、“隣人”が登場する。
独身者が寄り集まって生活費や他人と暮らす楽しさを求めてするルームシェアやシェアハウスとは異なり(語弊があったらゴメンナサイ)、ここにあるのは“暮らし”や“助け合い”といった印象。親族や友人の手を借りるのは難しくても、ほとんど他人だからこそ借りることのできる、差し伸べることのできる手というのは、ある。とても大きなセーフティネットだなあとしみじみ。
こういうマンションの形態は北欧発のようだけど、日本にも実際にあるのかな?選択肢のひとつとしてもう少し広まる日が来るといいなと思いました🌿まあ、自分にできるかと言われると分からないけどね…と思う、一人暮らし9年目。春から10年目か。そろそろ誰かと暮らしたい気もする、27歳の冬⛄️
気になった方は是非こちらから☟☟☟