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【カレー&丼ショップ マリオ〈愛知〉】肉吸い定食

住所︰ 愛知県名古屋市昭和区花見通3丁目17 
評価︰★★★☆☆
ジャンル︰定食屋
訪問時間︰ディナータイム(やや混み)
価格目安︰¥650〜¥1,000
量︰普通
味付け︰普通
胃もたれ︰普通

訪問時は雪の降った冬の夕方頃だった。
この日の最低気温は2℃を下回る勢いで、ここ数年着倒している薄手の上着ではマフラーを巻いても到底太刀打ちできていなかった。

とにかく温かいものが食べたいと車中から店を探す。
学習塾の多いいりなか駅の周辺まできて年季の入った「マリオ」の看板に気がついた。

以前より気にはなっていた店だ。
某ゲームの配管工の名前を掲げる看板が気になり幾分昔に軽く調べは済ませていた。

記憶では「絶品の肉吸いの定食」「どれを注文してもおいしい」なんてレビューが並んでいたはず。
東海地区では串カツチェーン以外でお目にかかることはまず無い肉吸い。食べるしかない。
引き返す。パーキングにてレビューを再確認し、ガダダと音を立てる自動ドアを潜り入店した。

店内は以前雀荘だったであろう名残がみられるこれまた年季の入った様子。
厨房から伸びる長いカウンターの脇にいくつかのテーブル席が並ぶ。
ビルテナントの店舗にしてはそこそこの席数だ。

店員がおらず厨房に声をかけるも返事がないのでとりあえずテーブルにつく。
数分後、水と同時に「決まった?」との声掛け。
学生向けの定食屋らしいさっぱりした受け答えなのだなと気を切り替える。

間髪入れず「初めてなら肉吸い定食べて」とのこと。店側も推しのメニューなのだろう。
素直に従い注文。小鉢の追加もできるようなので揚げ物(この日は鶏肉のフライ)をつけた。

少し時間が掛かりそうだったのでメニューをみて時間をつぶすことにする。
「カレー」「カツ丼」「うどん」「チキンステーキ」…外観からも察していたがとんでもなくメニューが多い。カレーだけでも10以上ある。
そしてとにかく安い。

文字と数種類だけの写真がのったメニューが想像力を掻きたててくる。カツのオイル焼きってなんだ。エッグカレーはオムレツなのか。

ギュッと詰まった表記の中、肉吸いのページだけは上半分大きくスペースが取られていた。
頭には「マリオ名物」の文字。やはり殆どの客がこれ目当てなのだろう。

双極を成すように下半分のページにはデカデカと中華風天津カツ丼なるものも推されていた。写真も載っていたが餡掛け風であること以外に想像が追いつかない。

ふと顔を上げ壁を見ると「女性600円以上100円引き」の張り紙。ここからさらに安くなるのか。利益出るのか大丈夫か。

そうこうしている間にお待ちかねの肉吸いが届いた。

肉吸い定食

・琥珀色の出汁からは豚と鰹のいい香りが漂ってくる。豆腐と小盛りの肉、小ネギと赤唐辛子のコントラストがとても食欲をそそる。


想像以上に残念な鶏肉フライは置いておくとして、肉吸いは食べる前から美味しいのが伝わってくる。

提供時「汁が美味しいのでまずは汁からズズッと飲んでください」とラーメン屋のようなことを言われたじろぐ。従うと、なるほど美味しい。

・実家で出てきたら週2でリクエストするだろう安心する透き通った旨味満点のスープ。
ご飯しずめて食べたくなるやつ。うまい。

・鶏肉フライは、案の定というか見た目通り残念至極な仕上がり。筋張って歯切れも良くない。肉吸いとの格差がすごい。

なぜここまで鶏肉フライが残念になってしまったのか…なぜケチャップがかけられているのか…

しかしながら定食としてトータルで見れば、肉吸いで全て補うほどのポテンシャルがある。
レビューの「安い」「うまい」は一部例外を除き大いに的を得ていた。

脳内審判にて「どれを注文しても美味しい」のレビューが極刑を言い渡される中、体は柔めの米と汁のリレーを続ける。

ああうまい。絶妙な辛さもありオカズとして充分に成り立っている。
鉢に並々注がれたスープもすぐに飲みきってしまった。うん。フライなんて無かった。

しばらくするとガタイのいい男達が入店。カウンターを占拠し酒盛りを始めた。
店員もこの席に付きっきりとなる。
自分より後に来た客も居心地悪そうに帰り支度を始めた。19時、ここからは常連の時間のようだ。

¥750を支払い退店。やはり恐ろしく安い。
女性ならさらに¥100引いてくれるのだからもはや原価販売の域。

帰り際、立て看板に「カレーも美味しいよ」の文字を見つける。
隣にCoCo壱番屋があるというのになんと挑戦的なことだろう。いいぞもっとやれ。

次回はカレーを食べようか。
でもまた店員の推しに流されて肉吸いを頼むのだろうなと夢想しつつ、行きよりもいくらか穏やかに感じる寒空の中帰路に就いたのだった。






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